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【感想】「LotR:力の指輪」Season1の6話

見ました!
ついに戦争ですね…!!
これは見応えがあるぅ!
そしてお馬が倒されたり傷つけられるたびに悲鳴を上げる私…。ううっ、馬って臆病で大きな音も乱暴も嫌いらしいのに…でも騎兵やチャリオットは鉄器時代から人間の主戦力なんだよなぁ。
馬は群れの仲間を助けようとするから、人間に大切に育てられて、人間を仲間だと認識すればこそ、戦争にもついてきてくれるんだろうな…。(感想の冒頭でする話かなコレ)

感想

まず、私が勘違いしてた話。
ヌーメノールが直で南方国の救援に行ったのにびっくりしました。エルフと会談すんだと思い込んでたので…。
うん、確かにミーリエルが宣言したのは「ガラドリエルを中つ国へ送り届ける」と「同じ人間である南方国を救う」だから、エルフと会談しなくて構わないんだよね。
私はエルフの戦力がないとサウロンの軍勢と戦えないだろという先入観があったので…、勘違いだった!
うん。複数勢力でまとまって戦おうとすると、逆に思惑が一致せず面倒なことになるから…、ガラドリエルとしても、戦争に消極的なエルフ達とは接触せず、まず南方国にオークがいることを確認し、戦績を持って帰ってギル=ガラドに突きつけてやったほうが早いと思ったか。
エルフ、何日でも会議しつづける気長な種族だからな。一刻を争う場合には、エルフ抜きで話進めたほうが早いかもね。

初戦 - 砦

アロンディルくんがんばった!
物見の塔! それ武器にするんだ…!!?(大興奮)
やべーっす、カッコイイーー!!!
小塔から飛び降りて、門を閉めてつっかえ棒するあの仕掛けを引くまでの、速やかな動き!! 無駄がない!(≧∇≦)

第二戦 - 村

落とし穴とか荷車とか。がんばったねー。

あ、あと、討ち取った敵の首級を村の入り口に晒すのは、ケルト時代のイギリスの習慣だったようですね。
人頭崇拝というやつで、アイルランド神話には、偉人の頭が首を斬られた後もしゃべって智慧を授けてくれるシーンがあるそうです。北欧神話でも、大神オーディンがユーミルの首を机において相談相手にしてる。
敵の首を晒すのは、敵への威嚇だったり、手柄を自慢する目的だったぽいですが。
(ルーマニアのヴラド公(串刺し公)と同じですよね。小国が大軍を防衛するため、敵の士気を下げ、味方の士気を上げる(ハイにして恐怖心を麻痺させる)作戦)

ただ、地の利があるといっても、最初から村の中まで引き入れるのはどうかと…?
橋という一本道があるなら、そこで仕掛けるべきでは…?とか思ったけど、切り通しと違って見晴らしが良すぎるから、仕掛けようがないのか…。
荷車+藁みたいなのは、村の外に置いたら不自然だしな。
前線と最終防衛線が近すぎるけど、砦じゃなくて村だからしょうがないよな…!

戦闘が終わって、斃れた敵兵の血が赤いことに気付くアロンディル(オークの血は黒い)。…さすがエルフ、目がいい…(そこじゃない)。
オークも交ざってたけど、敵方に投降した村人達が多く動員されてて、気付かず同胞殺しをさせられていた件。……まぁ、戦闘中に敵兵の村人が「や、やめてくれー! 俺だ! 殺さないで!!」って騒ぎ出したりしたら、抵抗勢力側はみんな手も足も出なかっただろうから…まだ良かったんじゃないかな…。
敵側になった村人達も、覚悟決めて黙って殺されたのだと思うと、よくがんばったよ…、としか言えない。
よくがんばったよ…。

(おなじてぐちをいまろしあがつかってるってはなしはほんとうですかね…)
↑ドラマ感想で書くことではないかもしれないけど、思い馳せずにはいられないですねウップ…|||。

第三戦 - 村

オークの本隊の侵攻。
オークの弓の射程距離が長い…のか?! 抵抗勢力側も弓矢隊が見張りを続けていたが、次々と落命。アロンディル達も撤退以外に手がなく、戦えない者達を収容した居酒屋に籠もる。
オークの馬鹿力だと強弓(?)が引けるんだろうなー。村には狩猟用の弓しかなかっただろうし。
村は、エルフに見張られていた期間、非武装化していたようだから、1日(日中のみ)の内にここまで戦う用意ができたのは凄いよね。
狩猟経験はあるにしても…。

肩に矢を受けたブロンウェン。肺とか心臓とかには当たらなかったけど、腕に向かう動脈かなんかをやられたのか…止血をしないと死んじゃう。
ブロンウェンはたぶん村唯一の治療師なので、人望があるのでしょうね。病気も怪我も診るようなので、普段から村には欠かせない人物。
アロンディル、人間の怪我の処置には疎いながらも、本人の指示を正確に読み取り、テオと一緒に止血する。…ショック死したかと危ぶまれるも、意識を取り戻すブロンウェンさん。…つよい。

皆殺しかと思いきや、アダルが出てくる。……そういや、例の「鍵」をテオが持ってること知られてたんだよな。
全員の命を対価にしてでも「鍵」を渡せないと考えたアロンディルは正しい。言わなくても探し当てられた可能性もあるけど、見つからずに済む可能性もなくはないので(とても低いけど)。
案の定、用が済んだら皆殺し決定。(人質がいったん解放された分、アロンディルが動きやすくなったのは良かったけど)
そこに到着するヌーメノール軍!
(おまえら情報ないのによくためらいなく突撃したな?!)

ぶっちゃけ意味不明ではあります。ハルブランドが国を脱出したときの状況から、次は物見の塔が襲われるだろう、と当たりをつけていたとは言え。
ふつう斥候をやって、地理とか、敵の配置とか、要救護者がいるかどうかとか、情報集めてから作戦練って、兵全員に作戦伝えて、そこから出兵でしょ?
村が今まさに敵襲を受けてるって情報は入ってないのに、船から(?)騎兵が全速力で走るって…、そんなに危急だという確信があったのか…?
馬疲れちゃうから、行軍は並足で、むしろ馬から降りて徒歩でやらないか?(軍記物は苦手だから知らんけど)
あと、村でまだ夜が明け染めぬ間から、ヌーメノール軍が朝日まぶしい中を走ってくシーンが映ったような気が…(私の記憶違いか)。東から来てるなら(地球の自転より速く駆けている…!)と思うとこだけど。前日の行軍シーンだったのかな。
……とか、まぁツッコミ所な気もしたけど、救援が最速で駆けつけてくれたのは、視聴者の心臓に優しかった。
監督、馬走らせるシーン好きでしょ絶対。(嬉しいけどね、馬かっこいいから…)

オークを蹴散らすヌーメノール軍。
騎兵が横一線に張った鎖〜! 一網打尽とはこの事か。恐い!
大尉! お前やっぱ強ぇな!!!(かっこいー!)
イシルドゥルもちゃっかり女王から直々に出撃許可もらってる(エレンディルは浮ついてる厩番を兵に取り立てる気はなかったんだろうね)。

追撃・尋問

やっとアロンディルとガラドリエルが情報交換。
アダルの馬、速い!
追うガラドリエル、馬にエルフ語でささやく…。馬スピードアップ! さすがエルフ! 動物との関係は良好。
回り込んでいたハルブランド!(どうやって待ち伏せた?!)

ハルブランドの顔も覚えてないと嘲るアダル。これは悔しい。憤りでフスーフスー!するハルブランド。好演。

アダル、「私のなかのサウロンを殺した」と言いました?
意味不明…。サウロンへの服従心を殺したということか? アダル=サウロンの一部という捉え方もできるけど、これは違いそうだな。サウロンは元マイアールだし、アダルは元エルフ。
サウロンに嫌々従ってたアダルが、北方で窮地に立ったサウロンを見放して、オークを率いて離反した…ってとこかな…。サウロンは北方でボッチになったのか。

尋問中、アダルはやたら「ウルク」だと主張しますね。ウルクはオークの暗黒語(サウロンがつくった言語)呼び。
原作では、ウルク=ハイ(ウルク族)は、第三紀にから登場する、日光に当たっても平気な大柄で強いオークです。
エントの木の髭の推測では、サルマンに堕落させられた人間か、妖術でオークと人間をかけ合わせて生まれたか、だそう。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」でのビジュアルは厳ついオークです。
「力の指輪」のアダルは、モルゴスに堕落させられたエルフ、最初のオーク。
ビジュアルの差に戸惑いますが、もともとウルクオークですし、アダルが第三紀のウルク族と同一とは言ってませんし(年代が違うので、単語の指すモノが変わっていてもおかしくない)、原作設定から逸脱してるというほどではないかな…。

どちらかというと、「オークが『家族』や『仲間』意識をもつ」という点のほうが、原作設定から逸脱していると言えますね。
ただ、これは「力の指輪」の主題でしょうから、これで良いと思います。

「指輪物語」シリーズにおけるオークは、「悪になりさがって改心を望めない生き物」でした。私の想像ですが、トールキン氏は「不可逆の悪」以外のものを相手取る戦争を、あのように美化して書くことができなかったのではないでしょうか。
(「鬼滅の刃」の鬼みたいな。堕ちてしまった事情はあるけど、堕ちた以上は戻れないから、殺すしかない)
ヒーロー物の敵役は、殺す以外に救いようのないキャラクターが多い。後味が悪いとヒーローを称えにくくなるからね。
それでも、大衆向け作品に多い「絶対悪」と「絶対正義」の勧善懲悪物とは違い、トールキンは、オークが元は平凡で善良なエルフや人間であった可能性を語ります。諸悪の根源たるモルゴスすらも堕落したヴァラールであったように、世界には、生まれながらの「絶対悪」などいないのです。
…この辺も戦場を経験した人の複雑な胸の内なんじゃないかと…。復員軍人が戦闘を正当化できずにPTSDになるケース多いようですし。

ただ、トールキンの書いた物語は、血統の重視がとても強いです。
これは、英雄王の活躍を描く英雄詩(サーガ)としての性格でもあるでしょうし(トールキンは「ベーオウルフ」の英語訳をした人物)、良くも悪くも民族主義全盛の時代に生きた人の感覚でもあると思います。
とにかく、民族ごと、王国ごとに「性格」が設定されている。当時、「民族は一体である」が正義だった時代…いろんな国や集団が「団結する理由」として民族主義を掲げ、民族のルーツとなる神話を探したり捏造したりしたようで。トールキンは古い文献や神話に関心を寄せていましたから、この風潮を肯定するにしろ否定するにしろ、当時流布していた「民族は一体である」を土台にした上で主張を展開する手法をとったのだと思います。
ただ、民族をひとくくりに扱うと、罪のない子供まで罪を負わされる
航海者エアレンディルがノルドール・エルフの血筋だからと至福の国に至るのに困難を強いられたように。そして、オークがオークであるゆえに殺されて然るべきとされているように。生まれながらの「絶対悪」などいないはずなのに。
「力の指輪」は、トールキンより一歩踏み込んだ意欲作というところかと思っています。

私は、トールキンが人種差別主義者か否かは知りません。しかし、トールキンが綴った「種族間の軋轢がはげしい中でも種族を超えてはぐくまれた友情」の物語を、部分だけとはいえ読んでいます。
人種差別主義者には、他者に手を差しのべられる人格者でありながら、「劣等人種は人間ではないから」と平気でいたぶれる人もいると聞きます。なので、著作の一部しか知らない故人の思想がどうだったのかを、私が語ることはできません。
けれど、著者の胸中は別として、「指輪物語」は「私欲や思い込みで他者の手を払うのが悪に堕ちる端緒である。曇りなき眼で尊敬すべき行ないをした者を尊敬し、友情に忠節を誓うことで、いつか巨悪を滅ぼすことができる」と語る物語です。私はこれをあらゆる差別に反対する物語として受け取っています。
「力の指輪」も、その点に重きをおいてストーリーを組立てなおした作品だと予想しています。

…設定の構造上、差別主義や白人至上主義の人達から大層好まれる作品だろうな、とは理解していますが。
上っ面だけ見てるからそういうふうに見えるんだよ、と思っています。
まぁ、私を含めて人間ってヤツは、自分の主義主張が広く支持されるものだと思いたがるモノですから、そういうふうに見えるんです。

祝宴・噴火

南方国の王となることを認めるハルブランド。
側近も指南役もおらず、たった一人で重責を負いきれるか…不安もあるでしょうが、本来の自分が望む立場と職分(南方国を復興させる)を得て、嬉しそう。

親子会話をするイシルドゥルとエレンディル。
エレンディルの奥さんはやはりエルフですね? イシルドゥルが西へ行きたがったのも、西方へ去った(もしくは死んでマンドスの館へ迎えられた)母恋しで、「とにかくヌーメノールから逃げたかった」のは母からの虫の知らせか。
危機を感じていたなら、一人で逃げずに家族を連れて行け…。もしや弟や妹とは母が違ったりする? でもエレンディルの感じだと、後妻さんもらいたくない派なような。男手ひとつで子育てどうにかしてる感あるし。…ヌーメノール北西部の領主(の息子)のはずなんだけど。
エルフとヌーメノールは交流断絶してたんじゃないのー? 親エルフ政策のもと迎えられて、国民の反発ゆえに去ったのかな。

一方、闇の力に魅入られている自分を自覚して戸惑うテオ。ダメだよアロンディル、テオをしっかり見ていてあげてー! ひとりにしちゃダメだよ!!

「鍵」を取り返したと思ったのに、偽物だった件。
鍵…「鍵」って、ダムの水門をあける鍵ーーー???!

うそでしょ、あんな御大層なマジックアイテムが、ただの水門の鍵…?
あ、いや、本来サウロンが持ち歩く品だから、マジックなアイテムだし、重要施設の鍵としても利用されてるのかな。

5話でアダルが言っていた「世界を闇で覆う」構想の実現ですね。
太陽を射落とすか火山の噴煙で覆うかか…と思っていましたが、噴煙のほうでした。モルゴスは世界を照らす「二つの灯火」も「二つの木」も壊しましたが、アダルはさすがに月と太陽を壊そうとは考えなかったようですね。(射日神話は北欧にもあるっぽいのでワンチャン…ないか)

このためにトンネル掘ってたんかいっ。
アダルさんが身を低く構えるから、洪水かと思いきや…、水蒸気爆発→噴火
マグマ近すぎん? 南方国温泉出るでしょ! 川が温水だったりしない?
噴石ーー! めちゃめちゃデカイ噴石…遠いのにどんだけだよ。小さくたって家の屋根破れるだろうに…。(御嶽山の噴火を思い出しますね…私は当事者じゃないけど…)

噴火したの、滅びの山?
第三紀にフロド達が一つの指輪を捨てに行った場所。
滅びの山に火を入れる」ってこういうことか…!

ガラ様はさっさか捕虜の首を斬ってまえよ…と思ったりもしました。最年長者動いてくれ…!(抱えた感情がでかすぎる(情緒が若い)から、無理なのか?)

今回はここで終了。次が楽しみですね!

参考資料によさげリスト2

自分用おぼえがき。脇役の名前まできっちり書いてくれてるサイトさんを発見。

☆「Cinematheque Lounge Cafe」

↑個人の方のサイトのようです。有難や…!

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