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【「力の指輪」配信直前】中つ国とその魅力をざっくり解説

はじめまして。小宿と申します。
「ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪」いよいよ9/2(金)よりアマゾン プライムビデオで配信開始ですね!

ピーター・ジャクソン監督の映画シリーズは、鑑賞された方も多いと思います。

  • 「ロード・オブ・ザ・リング」3部作(2001-03)

  • 「ホビット」3部作(2012-14)

とてもよい映画でしたね…!
これらの原作は、架空の世界「中つ国」を舞台とするJ.R.R.トールキンの小説シリーズです。
ハイ・ファンタジーの傑作と呼ばれ、長らく映像化が待たれていた作品でした。

熱心なファンが数多いる中、私は端っこをかじっただけの半端者です。
しかし、そんな私でも布教したい!

ということで、皆さんのなかに私以上の初心者がいらっしゃるのか分かりませんが、書きます!

トールキン作品のここがイイ!

バカ長くなるので、3つだけ!

◆ エルフ語やオーク語が本気で作り込まれている!

映画でエルフやオークが独自の言語で話していましたね。
原作者のJ.R.R.トールキンは、古英語を中心に北欧・西欧の言語に通じる文献学者。若い頃から言語の創作が趣味だったそうで、中つ国で使われるたくさんの言語とその歴史を作成したのです。

言語の歴史…、古い時代に海を渡ったエルフと渡らなかったエルフは、祖語を同じくする別々の言語を話していて…、オークにはオーク語があるけど語彙が罵詈雑言しかないので、人間が使う西方語をくずした方言に暗黒語を取り入れて…、とか。
そうやっていく内に、「中つ国」の神話・歴史ができあがったそうです…。
文字と発音、いくつかの語彙、文法までなら分からないでもないんですが。いや語彙までで充分すごいけど。しかも複数言語。

言葉に対するリアリティがすごいお陰で、作中で同じ人や土地がいろんな呼ばれ方されてます。ぶっちゃけ覚えきれません…。(私はファンの端っこの端っこの人間です)

トールキンのファン達も凄くて、トールキンのエルフ語で文学を執筆する人々がいる。

ネオ・エルダリン文学とはJ・R・R・トールキンの作り上げた言語を用いて彼の死後に書かれた文学作品とそのような文学活動の事を指す。とりわけクウェンヤとシンダール語は整備された文法・語彙を持っているため、主にこの二つの言語が使用される。

出典:ネオ・エルダリン文学 | Wikipedia

ねとらぼさんの「AI辞書」の記事もおもしろいですね…私はZoom使ったことありませんが。

◆ 情景が美しい!

原作小説での風景描写が美しいです。
美しい土地は美しく。忌まわしき土地はおどろおどろしく
風景だけでなく歌もありますね。原作者が詩作が趣味とあってか、陽気に歌っているシーンも多いです。映画では割愛されてますが。

映画でも、やはり圧巻の映像美……。風景のうつくしさと役者さん方の(お顔もですが)表情や演出、映像効果…。吐息まで感じられる細やかさがイイです。

◆ 人のこころの隙をこじ開けて悪に染めようとする敵の恐さ…!

やっぱりこれが一番かも。
決して悪い人ではなかったのに、英断を下せる勇者・賢王だったのに…! 物欲・執着・権力欲など、あらゆる欲が増幅されて、良識を喰い破るおそろしさ。
どの「欲」も、本来は目的達成や幸福追求のために正しく機能していたものなのに。
強制的に精神のバランスを崩させる…精神攻撃って、やはり恐いんです。
気を付けよう。

原作シリーズ一覧

原作者はJ.R.R.トールキン(1892-1973)、イギリスの文献学者です。
「中つ国」関連の著作は以下のとおり。(タイトルは邦題、巻数と出版年はイギリス版)

  • 「ホビットの冒険」(1937)

  • 「指輪物語」全3巻(1954-55)

  • 「シルマリルの物語」(1977)

  • 「終わらざりし物語」(1980)

  • 「中つ国の歴史」全12巻(1983-96)

「シルマリルの物語」以降は、トールキンの遺稿を息子クリストファが編纂したもの。
上記の他にも小作品や資料があるようです。「トム・ボンバディルの冒険」とかね!

中つ国ざっくり解説

既存ファンの皆様がすごいので、トールキン作品の解説は詳細なのがたくさんあります…(ホントにすごい)。
私はコレ書くのに中つ国wiki様にまるまるお世話になってます。関連書籍まで網羅されてるので、ネタバレに気をつけつつ、ぜひチェックしてみてください!

私は世界観の概略を、めちゃくちゃざっくり紹介しようと思います!

ただし「力の指輪」の底本は「指輪物語」巻末の〈追補編〉になるそうです。
その他の著作の映像化権はとれなかった(とらなかった?)ようで、その内容は取り入れることができません。
そもそも原作設定では数千年にわたる出来事をドラマ作品に収めるため、話の順番やスパンをかなり変えるとのこと。
どうなるんでしょうね!

「力の指輪」はいつの話?

「力の指輪」は、「ホビット」「ロード・オブ・ザ・リング」の数千年前のお話。

「折れたる剣ナルシル」「亡国の民の国」「死者の軍勢」「一つの指輪」「三つの指輪」「ナズグール」… 印象的なあれそれのルーツとなる物語が、映像になるのです…!
楽しみですね。

「中つ国」の大きな時代区分は以下のとおり。

  1. 灯火の時代

    • 地球(アルダ)が創造される。

  2. 二つの木の時代/星々の時代

    • 星が創造される。

    • エルフがうまれる。

  3. 太陽の時代

    • 太陽と月が創造される。

    • 人間がうまれる。

    • 第一紀〜第四紀に区分される。

映像化作品はどれも太陽の時代(人間が生まれてからの時代)のお話です。

 第一紀 モルゴスとの戦い
 第二紀 サウロンとの戦い
  「力の指輪」
 第三紀 サウロンとの戦い
  「ホビット」
  「ロード・オブ・ザ・リング」
 第四紀 現在の人間の世界(第七紀?)へ繋がってゆく

なお、地球(アルダ)は創造当初は平面で、つまり天動説の時代した。「太陽の時代」第二紀と第三紀の節目で、神の力によって球体に変わります。

敵は堕天使(的な存在)の後継者!

「中つ国」の世界に堕天使という言葉はありません。しかし、キリスト教神話の「堕天使ルシファー(天使長ルシフェル)」を髣髴とさせる「冥王モルゴス(メルコール)」がいます。
モルゴスは第一紀末に地球(アルダ)から追放され、「力の指輪」の時代には存在しません。

このメルコールに仕えていた下級天使マイロンが、主とともに悪に染まり、モルゴスの手下「サウロン」となります。

【訂正】マイロンは、メルコールと同格の他の上級天使「アウレ」に仕えていました。主を変えたわけですね…。

「ホビット」「ロード・オブ・ザ・リング」そして「力の指輪」における敵、サウロンです。
サウロンは、かつてのモルゴスと同様に、「中つ国」を悪に染めようとします。

天使(的な存在)の住む地「アマン」

「中つ国」に天使という言葉は(以下略)。上級天使15柱を「ヴァラール」、下級天使達を「マイアール」と呼びます。

モルゴスは元ヴァラールで、サウロンも元マイアールなので、倒すにはヴァラールの力を借りたいところです。
しかし、ヴァラールの力は強すぎて「中つ国」を壊してしまうため、ふだんは西の大陸「アマン」に居て、よほどの事がない限り中央大陸「中つ国」へは来ません。
ただし彼らはエルフ族の味方なので、かつて2度「中つ国」に来て、モルゴスの脅威を取り除いてくれました。

エルフ族はヴァラールと争うことがない種族なので、悪の絶えない「中つ国」から「アマン」へ移住するよう促されています。多くのエルフ達は移住しました。
逆に、エルフ族以外の種族は「アマン」にたどり着けないようにしてあります。このお陰で「アマン」の平穏は保たれています。

【訂正】エルフ以外の種族がたどり着けなくなるのは、第二紀の後半でした。
    第一紀に、同族殺しをした挙句アマンから飛び出して行ったノルドール・エルフ達がアマンに帰れないようにされているのと、混同しました…。

エルフいろいろ

エルフ族を大雑把に分けるとき、星々の時代に「アマン」への移住に応じたかどうかで区別する呼び名がある。

  • アマンに行こうとした者達(辿り着いた者も、挫折した者も)は「エルダール」。

  • アマンに行こうとしなかった者達は「アヴァリ」。

別の分け方をすると、

  • アマンに行って高度な知識と技術を学んだ者達は「光のエルフ(カラクウェンディ)」(「上のエルフ」とも)。

  • アマンに行ったことのない者達(行こうとして挫折した者も、行こうとしなかった者も)は「暗闇のエルフ(モリクウェンディ)」。

  • 王のみが「光のエルフ」、民は「暗闇のエルフ」で構成された一族「灰色エルフ(シンダール)」。

なお、「光のエルフ」のうち、「ノルドール」は、星々の時代の末にモルゴスを倒そうと「中つ国」へ帰ってきた。

エルフの区分は中つ国wiki様の「include/エルフ」が解りやすいです。

半エルフ

エルフと人間の混血が「半エルフ」。
太陽の第一紀末に活躍したエアレンディルとその妻は半エルフであり、2人の息子達も半エルフ。この4人は「エルフの運命(寿命に限りがない)」と「人間の運命(寿命に限りがある)」のどちらかを選択することを迫られる。
兄が裂け谷のエルロンド(エルフ)、弟がヌーメノールの王エルロス(人間)である。
第三紀末に、エルロンドの娘アルウェンとエルロスの末裔アラゴルンが結婚し、ゴンドールの王家(人間)として生きてゆく。

人間いろいろ

人間族には、外見も多様な数多くの種族がいる。
エダインとその末裔はエルフと親しいが、それ以外の人間族は、エルフやヴァラールを恐れる者、オークやモルゴスに近しい者も多い。

第一紀のはじめにモルゴスに従った者達を「東夷」と呼ぶ。

第一紀にモルゴスから逃れて西へ行き、エルダール(エルフ)とともにモルゴスと戦った者達を「エダイン」と呼ぶ。
エダイン達は第一紀のおわりに「中つ国」と「アマン」の間の島「ヌーメノール」に王国を築くことを許される。
ヌーメノールの初代の王は、半エルフのエルロス
第二紀の初頭、ヌーメノール人(ドゥーネダイン(西のエダイン))はサウロンに能く対抗し、「中つ国」の人間達から神と崇められるほどだった。

ドワーフ

ヴァラールの1人が生み出した「ドワーフの七人の父祖」に連なる者達。
エルフとも人間とも友好な関係を築いているが、太陽の第一紀にシンダール・エルフとの間に確執ができ、シンダールとは互いに険悪。同じエルフでもノルドールとは仲がよい。
恩も仇も忘れない性格。

魔法使い(イスタリ)

容姿は人間に似ているが、人間とは異なる種族。
実は「アマン」から「中つ国」の自由の民のために遣わされたマイアール。


…「力の指輪」に関連しそうなとこだけと思ったのですが、なんかしっちゃかめっちゃかになりました…。
エルフや人間の区分や支族、王国をもっとまとめたほうがよかったかな…。

まぁそれはまたいつか。

2022/9/5 見出し画像を設定する、不親切な説明を直すなど、ちょろちょろ手直ししました。

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