今年、競馬界でギネス記録&人類史上初の記録が達成されるかもしれない
JRAの年間最多勝記録は、2018年にクリストフ・ルメール騎手が打ち立てた215勝です。
しかし、日本記録となると別です。2006年に内田博幸騎手が506勝(地方445勝、JRA61勝)をあげています。これは2度と破られることのない記録でしょう。
では、世界の年間最多勝記録はどのくらいかご存じですか?
ギネス・ワールド・レコーズには "Most races won in a year - jockeys" という項目があります。直訳すると「1年間でもっともレースを勝った騎手」です。
このギネス記録の保持者はアメリカのケント・デザーモ騎手です。1989年に年間598勝という驚異的な記録を残しました。
ルメール騎手の2.5倍以上。内田騎手からおよそプラス100勝。常識的に考えれば、このギネス記録を破るなんて無理です。たくさん勝つことも難しいですが、怪我もなく病気もなくたくさん乗り続けることですら難しいからです。
しかし、34年ぶりのギネス記録更新に名乗りをあげる騎手がアルゼンチンに現れました。ブラジル人のフランシスコ・ゴンサルヴェス騎手です。
アルゼンチン・スタッドブックによると、ゴンサルヴェス騎手は6月22日時点で295勝をあげています。アルゼンチンではほぼ毎日競馬開催があるので、6月までに300勝に到達することは間違いありません。
上半期終了時点で300勝。ということは、単純計算で年間600勝になります。
では、ゴンサルヴェス騎手はどのようなペースで勝ち星を積み上げてきたのでしょうか? 月別の成績を見てみましょう。
1月 67勝
2月 51勝
3月 47勝
4月 40勝
5月 57勝
6月 33勝(現時点)
もしゴンサルヴェス騎手が下半期も同じペースで勝ち続ければ、2008年に同じくブラジル人のジョルジ・ヒカルド騎手が達成した年間467勝というアルゼンチン記録の更新、アルゼンチン競馬史上初の年間500勝の達成、ケント・デザーモ騎手のギネス記録更新はおろか、人類史上初の年間600勝達成もありえるでしょう。
しかし、ゴンサルヴェス騎手には鬼門があります。
それは落馬です。
実は、ゴンサルヴェス騎手は2021年に今年を上回るペースで勝利数を稼いでいました。2021年1月の1ヶ月だけで74勝もあげたのです。
ですが、その年の4月17日に落馬で左鎖骨を骨折。復帰直後の7月19日にもパドックでの事故で右足首を骨折し、最終的に年間勝利数は398勝にとどまりました。
2022年も4月までに135勝をあげましたが、5月11日のレースで落馬して右肩を骨折しました。それでも年間420勝というとんでもない数字を叩き出しました。
フランシスコ・ゴンサルヴェス騎手は、1年に1回は落馬で怪我をするというジンクスを乗り越え、アルゼンチン記録&ギネス記録&人類史上初の偉業を成し遂げることができるでしょうか?
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