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生産頭数から見る南米での父サンデーサイレンス系の広まり

 日本競馬と南米競馬の関係は常に一方通行だった。つまり、日本が南米から馬を輸入するというルートしか存在しなかった。

 日本の馬が南米に渡った事例はある。しかし、それは日本からダイレクトに南米に行ったのではなく、アメリカで種牡馬入りし、その延長として南米に行ったという形である。アグネスゴールドやハットトリック、シーキングザダイヤは、日本から南米に売られたのではなく、日本からアメリカに売られ、さらにアメリカから南米に売られたのである。

 しかし、最近になって日本競馬と南米競馬の関係が対面通行になりつつある。日本馬が種牡馬となる際の目的地として、日本から南米に直接輸出されるケースが出てきた。アルゼンチンに渡ったサトノフラッグ、ブラジルに渡ったヴァンドギャルド(カバー写真)とブラヴァスがその例である。

「日本競馬の血を世界に広める」
「日本競馬の血は世界中に広まっている」

 と言われることがある。南米大陸でも間違いなく日本競馬の血が広がっている。日本競馬の血とはすなわち、サンデーサイレンス系である。

 では、実際にサンデーサイレンス系は南米でどのくらい広まっているのか? 2024年2月12日時点の各国スタッドブックおよびデータサイトを元に、南米で産まれた父サンデーサイレンス系の馬の頭数を調べた。

 なお、データには不正確な情報や誤りが含まれていると思われるため、これから現れる数字はあくまで目安として理解してほしい。

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