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母父サンデーサイレンスがスペインでも走った?

 スペインでサンデーサイレンス産駒が出走したという記録はありません。しかし、母父にサンデーサイレンスを持つ馬は6頭出走しました。

  • スーパーアンドレア(Super Andrea)

  • イレーネ(Irene)

  • ナチュラルタレント(Natural Talent)

  • ボッテガ(Bottega)

  • ソリータ(Solita)

  • ロアタン(Roatán)

 この6頭は、なぜスペインで出走したにもかかわらず、日本の血統であるサンデーサイレンスを母父に持っているのでしょうか?

 スーパーアンドレア、イレーネ、ナチュラルタレントの3頭は、母がユノブラッキー(Juno Blackie)です。ユノブラッキーは父サンデーサイレンス、母マチカネハツシマダという血統で、日本の社台ファームで産まれました。日本で19戦1勝という成績を残し、引退後は日本で繁殖入りしましたが、2011年にイギリスに送られて繁殖牝馬となりました。

 スーパーアンドレアはプーモアを父に持つ2016年産まれのアイルランド産馬ですが、スペインの馬主である『イェグアーダAGF』の所有となりました。2018年12月2日にスペインで競走馬としてデビューしましたが、4戦して勝ち星をあげることはできませんでした。

 ユノブラッキーはその後イギリスからスペインに送られ、アストゥリアス州にあるウォールハウス(Wallhouse SLU)で繁殖入りしました。2017年にルーラーオブザワールドとの間に産まれたイレーネが、母父にサンデーサイレンスを持つ世界初のスペイン産馬です。2020年9月24日にマドリードにあるサルスエラ競馬場で勝利をあげ、通算成績は12戦1勝でした。

 翌年はライトニングムーンとの間にナチュラルタレントが誕生しました。母父にサンデーサイレンスを持つ2頭目のスペイン産馬です。2020年8月15日にスペインのサン・セバスティアン競馬場でデビューし、9月6日の2戦目で初勝利をあげました。スペインの1000ギニーにも駒を進めた現役馬で、ここまでの通算成績は25戦5勝です。

 ボッテガとソリータはサンイズアップ(Sun Is Up)を母に持ちます。この名前を聞いてピンと来る人も多いのではないでしょうか。そう、カラコンティの母です。ボッテガとソリータはニアルコスファミリーが生産したアメリカ産馬で、カラコンティの兄姉にあたります。

 ソリータはスペインで競走馬となりました。2006年5月28日にサルスエラ競馬場の芝直線800mでデビューすると、6月18日の2戦目で初勝利をあげました。これが母父サンデーサイレンスのスペイン初勝利です。2007年には下半期のスペイン・マイル王決定戦であるイスパニダーを優勝するなど、スペインで11戦5勝、2着5回、3着1回と大活躍しました。

 ボッテガは2009年8月9日にフランスでデビューしました。スペイン初登場はキャリア2戦目の2009年9月5日。サン・セバスティアン競馬場の芝1400mに出走し、これを勝利しました。その後はフランスとスペインを行ったり来たりし、2010年のビリャパディエルナ(スペイン・ダービー)では4着になりました。スペイン通算39戦9勝と、半姉ソリータに負けない活躍を見せました。

 デイラミ産駒のロアタンは、セレスチャルラグーン(Celestial Lagoon)を母に持ちます。セレスチャルラグーンは日本の白老ファームで産まれた日本産馬で、フランスで競走生活を送りました。引退後はイギリスで繁殖入りしました。

 ロアタンはニアルコスファミリーが生産したイギリス産馬です。この馬はフランス調教馬で、サン・セバスティアン競馬場に遠征するという形でスペインで3戦しました。しかし、勝ち星はあげられませんでした。


 いかがでしたか? サンデーサイレンスの血がスペインで走ったことがあるというだけでも驚きですが、カラコンティの近親が登場し、最高カテゴリーのレースを勝利したとはさらなる驚きです。やっぱり凄かったサンデーサイレンス先輩……。


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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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