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音声の付いていない語学教科書の活用

こんにちは.沖田です.今回は「音声の付いていない語学教科書の活用」をテーマにしたいと思います.

文法ドリルなどは音声が付いていないことが多いですよね.筆者も最近はスペイン語を復習していて,手許てもとの『極める! スペイン語の基本文法ドリル』(菅原昭江,白水社,2018)も音声が付いていない教科書です.

音声が付いているものを活用するに超したことはありませんが,ドリル形式のものは残念ながら音声付きのものが少ないのが現状です.そこで,今回はスマートフォン向けアプリ「Word Holic」を用いた,音声の付いていない語学教材の活用法をお教えします.


教材の用意

今回は先ほど挙げた『極める! スペイン語の基本文法ドリル』(菅原昭江,白水社,2018)を使ってご紹介します.

この本はドリルにしては文法解説が丁寧で,問題数も充実しているので,問題をガツガツ解いて勉強するタイプの方におすすめです.

とりあえず問題を解く

音声を活用する前に,このようなドリル形式の教科書はまずガシガシ問題を解きましょう.そもそもそれが本来の活用法ですし,力もメキメキと付くはずです.

問題を解いて,答え合わせをしたら,正答率で一喜一憂せずに,間違った問題はなぜ間違えたか,自信が無かったけど正解していた場合は自信が無かった箇所についてしっかり掘り下げましょう.

例えば,筆者が実際に間違えた問題を挙げると,こんな問題がありました.

3⃣定冠詞を入れましょう。al・delとなる場合は、lのみを入れてください。
6._____ Real Madrid va a ganar a_____ Barcelona.
 レアル・マドリードはバルセロナに勝つでしょう。
(p. 26,「3 冠詞」練習問題)

答えは El Real Madrid va a ganar al Barcelona. でしたが,筆者は El Real Madrid va a ganar a la Barcelona. と解答して不正解でした.この問題に関しては実は筆者もやや不服でした.Barcelonaは女性名詞だから当然ここに入る定冠詞はlaだと思ったからです.

しかし,これをただ不服としてはいけません.なぜここはa laではなくalなのかしっかり調べてみましょう.しっかり調べても不服であれば,出版社に問い合わせるのも手です.本当に誤植の場合もあります.

このalに関しては誤植ではなく,本当にBarcelonaが男性名詞として扱われていました.ネットで用例を検索すると,El Mundo紙にこんな記事がありました.

El Barcelona visita el domingo al Espanyol en el derbi catalán de la 24ª jornada de LaLiga Santander en busca de tres puntos que podrían meterle en el podio del campeonato español, que lidera el Real Madrid.

このように,なんとBarcelonaに男性定冠詞のelが付いています.ここで気づいたのが,このBarcelonaは地名のBarcelonaではなく,Fútbol Club Barcelonaの略だということです.Fútbol Club BarcelonaはFútbol Clubが男性名詞なので男性扱いで,el Fútbol Club Barcelonaです.よって略語であるBarcelonaもここでは男性名詞だったのです.

このFCについては文法解説にも書かれておらず,問題の解説にも書かれていなかったので不親切だなあと思いました.

さて,話はそれましたが,問題を解くだけで満足してはいけないということは頭の片隅にでも刻んでおいてください.

いよいよ音声の出番

さあ,問題を全問正解して,内容を完璧に理解したらいよいよ音声の活用です.スペイン語は世界でもかなり早口な言語と言われています(実は日本語のほうが早口だそうですが).

まあどの言語も初学者からすれば実際の会話はかなり早口に聞こえます.実際の早さに慣れるにはやはり音声が必須です.とはいえ,最初からニュースやドラマ・映画などで聞き取りや発音の練習をするのはかなりハードルが高い練習法で,挫折しかねません.そこで,知っている短文をスラスラつっかえることなく発音できるようにするのはかなり有効です.

もちろん,普通の音声付きの教材を使ってもいいのですが,だんだん物足りなくなってきます.ドリルのように気の遠くなるような数の短文が載っている教材は格好の練習材料です.

今回は冒頭に挙げたWord Holicというスマートフォン向け単語帳アプリを使った発音練習をご紹介します.

Word Holicの使い方

Word HolicはiOS,Android向けに提供されている単語帳アプリで,使い勝手が良く,筆者のおすすめするアプリのひとつです.

筆者はAndroidユーザなので,iOS版については保証しかねますが,まあ同じアプリですのでそう大きくは違わないと思います.

まず,上記リンクからアプリをダウンロードして,開いてみましょう.

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筆者はすでに使っているので,フォルダがありますが,インストール直後は空のはずです.

上部の「新規作成」をタップすると「新しいフォルダを作成」のウィンドウが開きます.

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フォルダの名前は教材の名前にでもしておきましょう.

作ったフォルダを開くとこんな画面になります.

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章毎にフォルダを分けたければサブフォルダ(フォルダ内のフォルダ)を作ってもいいかもしれません.

では早速単語カード(アプリ内での名称.今回は文を打ち込みます)を作っていきましょう.

画面中ほどにある単語カードの「新規作成」をタップします.

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カード新規作成のウィンドウが開きます.

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筆者は表面を,スペイン語をデフォルトとして設定しているので,スペイン語と表示されています.地球マークを押すとイタリア語,インドネシア語,オランダ語,スウェーデン語,スペイン語,スロバキア語,タイ語,チェコ語,デンマーク語,トルコ語,ドイツ語,ハンガリー語,ヒンディ語,フィンランド語,フランス語,ポルトガル語,ポーランド語,ロシア語,広東語,普通話,日本語,米国英語,英国英語,韓国語が選択できます.

表面は学ぶ言語を設定しておくといいでしょう.

では,表面のフィールドに例文,裏面に和訳を打ち込んでみましょう.

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これで1枚完成です.ここで大事なのは,OCRをかけたりしてコピペしないこと.文字を入力するのも単語や文の記憶に役立ちます.

複数枚どんどん単語カードを作成する場合は「保存&作成」をタップするとホームに戻ることなく連続で作成できます.

作成が終わったら作成画面を閉じて単語帳のページに戻りましょう.

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単語カードのところにあるスピーカーマークをタップすると単語カードの言語設定にそって自動で音声を生成してくれます.ややガビガビしていますが,早さも音質も悪くはないです.

注意 別途Google音声サービスの設定が必要な場合があります.案内に従って設定してください.また,Google音声サービスでは(とりあえずスペイン語では)5種類くらいの声の質(男性か女性か,高い声か低い声か)が選べます.聞き取りやすい音声を設定してください.

まとめ

今回はWord Holicを使って,音声の付いていない語学教科書を活用する方法をご紹介しました.今回ご紹介した本やアプリは是非活用してくださいね!


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