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大人になって世界名作劇場「赤毛のアン」を観ると死ぬ

仕事中に色んなアニメをBGVにしてるんですが、話数が多いと流し見が出来るので都合がいいんですよ。それでこないだ久しぶりに世界名作劇場の「赤毛のアン」を流してたんですけど、大人になって観ると視点が完全に養母のマリラ・カスバートに移ってしまってることに気づきまして。

※ 画像:マリラ・カスバート。アンに厳しくも愛情深く接していく。やたらアンに強く当たるが、他人に悪し様にされると友人だろうが関係なしに怒髪天を衝くツンデレ究極体 © NIPPON ANIMATION CO., LTD. All rights reserved.

「赤毛のアン」ってカスバート兄妹が働き手として男の子を養子に迎えようとしたところ、手違いで女の子がやってきてしまい、成り行きで仕方がなく家に迎える羽目に…という粗筋なんですけど、アンがやってきた頃は色んな騒動を起こしてマジ大変。
人付き合いが病気レベルで苦手な兄のマシュウ(※アンには激甘)、厳格で真面目な妹のマリラは出来る限りの愛情を掛けて育てていくんですが、アンが聡明な女の子へと育ち、手を焼かせなくなるとマリラは寂しくってしょうがなくなるっていう。事あるごとにアンが家に来た時のことやら、起こした騒動のことやら思い出して笑ったり泣いたりね。マシュウはマシュウでアンのために不器用なりに苦手な場所に出掛けたり色々したりして、観てるこっちとしてはそういうのが一々マジで胸に来るんですよ。

気丈なマリラが年老いて、感情が脆く丸くなっていくのを長い話数を掛けて超丁寧に描いてるのが最高です。家族のあり方とは、とか、愛とは、絆とは、みたいなチープな言葉では表せないエモーショナルな物語だなぁと。最終話の一つ前のエピソードで、それまでの道程が結実していく展開も超気持ちが良いですね。ちなみに1〜15話までは高畑勲・宮崎駿・近藤喜文のゴールデントリオが担当。実質ジブリ。

世界名作劇場といえば個人的には「ペリーヌ物語」がナンバーワンなんですけど、こっちはペリーヌが過酷な道中をサバイヴしていく(道中死にそうになって「こんな道端で死ぬ訳にはいかない」と自分を奮い立たせて死に場所を探したりする)話なので、テーマ的には「赤毛のアン」がゴリッゴリにハートを撃ち抜かれますね。特に今の年齢だと両方の気持ちが汲める感じだし。

演者さんの演技も最高なんで(特にマリラ・カスバート役の北原文枝さん!マリラ役しかアニメには関わられてないそうですが、年老いてからの静かな優しい声音が素晴らしい)、未見の方も昔見てたぜ〜って人も是非。

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