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1人目の客になれた話 木屋町高辻編

 趣味はオープンしたお店の1人目の客になることですが七月は一度も1人目の客になることができませんでした。そろそろ趣味をまっとうしなければ趣味への義理が果たせないではないか。

 木屋町高辻あたりのパーキングの奥にオシャレなバー的なお店がオープンすると聞いたのは数日前で、いくら私が1人目の客になるのを趣味にしているといっても、あまり客単価の高い店だと無理なんだけどな、と思っておりましたら、そんなに高くはないという話を聞き、しかしそれはあなたにとって高くないだけであり私にとってはどうなんだろうと半信半疑でありながら、こんなことで後ろ向きになっていて趣味とよべるか大馬鹿野郎と己を鼓舞して出かけてみました。

 日除けのサングラスをかけて赤色の1人目の客Tシャツを着ている私は炎天下に異様に見えるらしく、やたら見てくる人とすれ違う。どうやらサングラスをしているこちらの視線は気にならないらしい、というのはこの夏の新しい発見です。

 オープン三十分前には無事お店の前に到着するも店の前には日陰がない。ニコニコと笑いながら全力で殴りつけてくる太陽を憎らしく思いつつこの文章を打っていると店内からスタッフさんが出てきまして「(オープンは)四時ですよ」とおっしゃるので「待たせてもらってもよいですか」と答える。「だいぶ暑いですよ」とおっしゃるので「なんとかなるでしょう」と答える。たぶん、アホやと思われたでしょう。

 オープン十分前、日傘をさし日除け対策万全の女性二人組がやってきて、入口で待ち構えていた私のTシャツを見て微笑みかけてくれました。「いいTシャツ」ですね。気持ちよすぎて私の趣味について一通り話してあげました。迷惑やったと思いますが、そんなことは感じさせず、エッフェル塔っぽい写真も撮ってくれました。

 令和五年八月四日午後四時、木屋町高辻にオープンした「SOMA」の1人目の客は私です。

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