営業のK

此処では創作ホラーや長編ホラー、そしてジャンルに縛られる事なく好きなものを書いていきた…

営業のK

此処では創作ホラーや長編ホラー、そしてジャンルに縛られる事なく好きなものを書いていきたいと思います。 たとえ需要が無くても・・・・。 だから、有料でお読み頂く事は全く考えておりません。 全て無料で・・・・。 あしからず・・・・。

最近の記事

ふかもっこ

これから書く話はいつもの怪談ではございません。 単なる悪趣味で書いたお遊び創作怪談になりますのでご注意ください。 半分実話で半分創作・・・。 まあ、ある意味では恐ろしい怪談かもしれませんが・・・。 私はふかもっこ。 えっ? 馬鹿なんじゃないの? こんなのハンドルネームに決まってるじゃない? えっと本名はね・・・・うーんと・・・忘れた。 まあ、いいじゃないの・・・。 今は宮城県に住んでるわ。 生まれはもっと雪深い場所。 そうずら・・・だべな・・・とかが日常会話の限界集落

    • 武器は持たない・・・。

      知り合いのAさんからよく言われるのだが 霊と出会ってしまったらまずそれが悪いモノなのかそうでないのかを見極めます。 出来るだけ視線を合わせないように。 視線を合わせちゃって自分がそいつを視えてるのがバレちゃうとどちらにしても面倒くさい事になりますから。 悪いものでなければそのままスルーすればいい。 そして悪いモノだと判ったら今度は睨みつけて怖がっていないというアピールをすればいい。 刺激し過ぎない程度に。 怖がっていない人間をあいつらは嫌います。 だから普通ならそれで相手も離

      • 女の正体

        そのトンネルに行くと本当に美しい女の幽霊が視える・・・。 そんな噂が立ったのは夏も終わりの頃だった。 当時、大学生で暇を持て余していた関東在住の梨田さんは同じ大学の友人を誘ってそのトンネルに行ってみる事にした。 そのトンネルは特に心霊スポットとして認知されている場所ではなかった。 それなのにその年の夏になって、そんな噂が流れだした。 特に危険は無い・・・。 ただ美しい女がぼんやりと立っているだけ・・・。 それだけの情報だったし、その女が幽霊なのか、それとも人間なのかも分からな

        • 井戸の中(半分リアル・半分創作)

          あたいがこの井戸に棲みついてからもうどれくらいの年月が経ったのだろうか? 元々この辺りには大きな武家屋敷が建ち並んでいた。 この井戸だってその中でも一番大きな屋敷の庭に在ったのさ・・・。 だからあたいは沢山の奴らを脅かしてやったさ。 屋敷の女中達や奉公人、女将さんやお侍だってあたいの姿を見れば、恐怖に顔を 引き攣らせて腰を抜かしたもんさね・・・。 でもね・・・今じゃどうだい? 周りの家々はどんどん取り壊されていった。 最後に残ったこの屋敷だってもう忘れてしまうくらい前に朽ちて

        ふかもっこ

          最恐のストーカー

          畑中さんが勤める会社では何人かの契約社員が働いている。 畑中さん自身が前職の経験を生かす為にその会社に中途入社した事もあってか契約社員とはいえ出来るだけ正社員と変わらないように接している。 そんな中、森山さんという女性が新たに契約社員としてある年の9月から入社し畑中さんが勤務する部署に配属された。 そして課長から 今後は彼の下で一緒に行動しながら仕事を覚えて欲しい。 と言って畑中さんを彼女へ紹介したそうだ。 家屋調査という特殊な仕事であり、何より事前通告無しの突然の出来事に畑

          最恐のストーカー

          何を視たのか?

          小出さんは内装業を営む会社の社長さんだ。 ただ社長とは名ばかりで事務所でのんびり事務処理をすることは稀で1年の殆どは社員と一緒に現場へ出かけている。 そんな彼の元にある時好ましくない仕事の依頼が入った。 仕事の内容は既に廃業しているホテルを改装して営業できるように仕上げる事。 工期もたっぷりあり工事単価も申し分なかった。 しかし、彼はその仕事の依頼が舞い込んだ際、熟考の末に一度は断った。 別にその時仕事が忙し過ぎたわけでもなく見積金額が合わなかったわけでもない。 いや、そもそ

          何を視たのか?

          匂い

          バンド仲間の渡部さんはある頃から息がし難くなった。 呼吸は出来るが思いっきり空気を吸い込む事が出来ない。 特に息苦しかったり胸が痛いという事もなかったが、それでも彼女は病院で診察を受けた。 勿論、何かの病気を心配しての事だった。 彼女は医師にこう説明した。 「なんか呼吸をしようとすると吸い込んだ息が妙に臭いんです。それでついついしっかりと息を吸い込めなくて・・・」と。 医師はとりあえずレントゲンやCTなどで精密検査をしてくれたがやはり体のどこにも異常は見つからなかった

          その家に居たモノ

          崎田さんは小学校低学年の頃、それまで住んでいた古いアパートから中古の2階建て住宅へ引っ越した。 以前からアパートを手狭に感じていた両親が思い切って格安の中古住宅を購入してくれたそうだ。 そして、それから中学生の頃まで家族はずっとその家に住み続けた。 彼女はその家に引っ越すと2階にある1部屋を弟さんと共同で使う事になった。 共同での使用ではあったがそれまで住んでいた古いアパートでは子供部屋などと言う概念自体が無かったらしく彼女にとっては本当に嬉しかった様だ。 その部屋には2段ベ

          その家に居たモノ

          悪魔祓い 後編

          それに続いて俺もAさんの後を追って廊下へと出る。 しかし目の前に広がる光景を見た俺は思わず絶句して棒立ちになる。 なんだよ・・・これは? っていうか、此処は何処なんだよ? そう口にした俺を一瞥しAさんは う~ん、大丈夫です・・・たぶん・・・・。 えっと、きっとこっちで良いはず・・・・うん、大丈夫だな。 進みますよ・・・追いてきてくださいね。 そう言ってAさんはいつものように進み始める。 俺はおっかなびっくりで後を追いていく。 この屋敷に入ってきた時、家中をしっかりと見

          悪魔祓い 後編

          悪魔祓い 前編

          これは今から5年ほど前の話になる。 日本にもバチカン認定のエクソシストがいるかどうかは俺には分からない。 ただそれなりの規模でキリスト教関係の新興宗教や宗派が日本にも広がっているのだから間違いなくこの日本でも悪魔祓いという行為は行われているのだと思っている。 悪魔祓いという行為自体は否定はしない。 しかし悪魔にとり憑かれ逃げ場の無くなった方からの詐欺まがいのお金儲けのツールとして利用されていない事を願うばかりである。 そんな俺も過去に一度だけ悪魔祓いという行為に立ち会いそ

          悪魔祓い 前編

          公園に蠢くモノ

          これは兵庫県に住む男性から寄せられた話。 彼はカラオケ関係の会社で営業をしている。 営業といっても得意様ともなれば夜でも平気で呼び出されクレーム対応もさせられる。 いや、カラオケ関係の会社というのは昼間よりも夜の方が忙しいのだ。 彼の会社にも営業の他にカラオケ機器のメンテナンスを行う部門も存在しているがカラオケが主に使用されるのは飲み屋さんでありその営業時間は夜という事になる。 メンテナンスを行う人間の数に対して飲み屋さんの数は圧倒的に多すぎる為、彼の様な営業に直接トラブルや

          公園に蠢くモノ

          最後の酒(創作怪談)

          「いつから狂い始めたんだ・・・」 つい愚痴がこぼれる。 歯車なんて何処か1か所がおかしくなっただけで全ての動きが狂ってくる。 そして1つの歯車が動きを停止するという事は即座に全てが動かなくなるという事だ。 そんな事にもずっと気付けないで生きてきた。 別に他人より幸せな人生だとは思ってはいなかったが、それでもそんな日常がずっと続いていくんだと当たり前のように思っていた。 時間をかけて作り上げた細やかな幸せも崩れる時にはほんの一瞬。 所詮、人生なんて歯車と同じじゃないか、と今更に

          最後の酒(創作怪談)

          検問

          神田さんは30代の会社員。 独身の彼は京都市内のワンルームマンションで一人暮らしをしている。 そんな彼には2か月ほど前に新しい彼女が出来たらしく充実した生活を送っているそうなのだがひとつだけ困っている事があるのだという。 それは、付き合いだした彼女が実は心霊スポットマニアだったという事。 付き合いだした初期の頃にはそんな感じは微塵も感じなかったが次第にホラー映画を一緒に観せられるようになり、それが最近ではデートという名の心霊スポット巡りに変わっていった。 彼自身、心霊系には全

          好きだった人

          誰にでも初恋の経験というものがあるのではないだろうか。 気持ちを伝えられたかどうか、想いが実ったかどうか、は別にしてやはり初恋の相手というものは忘れられないもの。 鉾田さんにも中学時代に初恋の経験があった。 2年生の時に同じクラスになった女の子。 長い髪をポニーテールにした学級委員だった。 成績も良く運動も万能だったらしいが何故か部活動では図書室の管理を行う図書部に所属していた。 身長も高くどこか日本人離れした顔つき。 彼にとってはまさに生まれて初めて女性を異性として好きにな

          好きだった人

          捨て猫

          宇川さんは猫が大好きだった。 しかし家族に猫アレルギーの母がおり反対された為に猫を飼う事は出来なかった。 しかし、彼女の猫を飼いたいという願望が薄れる事は無かった。 だから中学生になった頃からずっと心に誓っていた。 大人になり1人暮らしを始めたら絶対に猫を飼おう、と。 しかし、これから書く出来事があってからはペットを飼いたいとは思えなくなってしまっただけでなく犬にも猫にも触る事すら出来なくなった。 彼女が中学3年の頃、自宅と隣接する空き家にSさんという30代の女性が引越しして

          立ち退かない理由

          これは以前よく一緒に飲んでいた男性から聞いた話。 彼の旧友に梨田さんという50代後半の男性がいる。 梨田さんは以前、大阪で商社マンとしてバリバリ働いていたが、ある事を契機に金沢市に移住してきた。 商社を辞めた理由は奥さんの病気だった。 体調を悪くして検査入院した時点で既に手が付けられない程に病状は悪化していたらしく、それでも諦めきれなかった梨田さんは国外での治療も考えたらしいがそれを止めたのは他ならぬ奥さん自身だった。 梨田さんからの熱烈なアタックで付き合いだしその後結婚した

          立ち退かない理由