見出し画像

英会話力 = 英語力 ✕ 運用能力

「英語が話せるようになりたい」とよく言われますし、自分もそう思っています。では、「英語が話せる」とは具体的にどういうことなのでしょうか?

僕は言語学や英語教授法の専門家ではありませんが、

英会話力 = 英語力 ✕ 運用能力

だと考えています。

※ネイティブとスムーズに会話するためには、対象となるトピックスについてどれだけ知っているか(=背景知識)も超重要です。ただ、これを「会話力」とするのは違和感があるので、ここでは割愛します。

会話における英語力

まずは英語力から。

「英語が話せるようになりたい」という場合、一般的にはこちらを意識しているはずです。

この英語力をさらに因数分解すると、「文法」「単語」「熟語・慣用表現」「発音」「イントネーション」などの力になるでしょう。また、これも「会話力」ではありませんが、円滑なコミュニケーションのためには相手の言っていることを理解する「リスニング力」も不可欠です。

ひとつひとつの要素だけでnote が何記事も書けますし、それらをネイティブレベルにまで引き上げるためには、それこそ一生を捧げても足りないほどの時間が必要になります。

英会話の運用能力

そこでもう1つ重要になるのが運用能力。すなわち いま自分が持っている英語力を最大限に発揮する力 です。

知っている単語や熟語を会話で使えるようにする。読んで理解できる構文を自分から構築できるようにする。そうしたことです。

より広義にとらえるなら、ゆっくりはっきりと話す、結論から説明する、論理的に伝える、といったことも含まれるかもしれません。これらは英会話だけにとどまらないコミュニケーション全般に必要な力ですね。

いずれも、インプットされた英語力をアウトプットに転換していく力と言えるでしょう。ここを鍛えるには実践あるのみです。時間がかかりますが、場数を踏んで自分の中の回路を根気よく繋げていくしかありません。

その際に欠かせないのが、うまく話せない状態を恥ずかしいと思わずに、どんどん実戦に飛び込んでいく勇気です。僕らが持っている奥ゆかしさを美徳とする文化と完璧主義を乗り越えて、下手な状態でも気にせずアウトプットしていくことが何より重要になります。

海外の人たちを見ていると、大してうまくない英語でも実に堂々と話します。逆に日本人はプレゼンの冒頭に "Sorry, I cannot speak English very well" などと言ってしまうのです。

特にビジネスの場においては、これは禁句です。自信のない人だと思われてしまい、肝心の説明の内容まで弱い印象になってしまいます。単語をつなげるレベルでもいいので、臆することなく大きな声で語りましょう。

どうしても一言添えたい場合は、"Please let me know if anything is unclear" などでしょうか。それもいらない気がしますが。

運用能力に頼りすぎると

一方で、運用能力ばかりに依存しすぎると別の問題にぶつかります。あるところで英語力が頭打ちになってしまうのです。

その結果よく起こるのが、何年も海外に住んでいるのに英語が上達しない という現象です。実際に海外で生活していると、何年、何十年と住んでいるのに、驚くほど英語が下手な人がいます(失礼)。

現在の英語力で切り抜ける術が身についてきて、ベースとなる力を伸ばさなくなってしまった状態ですね。

これは日本語で考えてみるとわかりやすいでしょう。僕らは毎日、日本語を話しています。それもかなりの量。でも大人になってから、ただ話しているだけで日本語力が飛躍的に向上した、という人はいないはずです。

母国語であっても、ある程度のレベルに達した後は、意識的に訓練しない限りは伸びません。第二言語である英語であれば、なおさらということです。

英語力✕運用能力の相乗効果

高度な英会話力を身に着けるには、基礎体力としての英語力と、それを実戦で発揮するための運用能力の両方を、バランスよく鍛えていく必要があります。

順番としては、①最初はまずベースとなる英語力をつけ、②ある程度インプットができたら実戦でどんどん使い、③運用能力がついてきたら更なる高みを目指して英語力を鍛え直す、です。

その後、②③を並行して、あるいは交互に行うことで、両者の相乗効果によって英語を話す力が伸びていきます。

ポイントは、①で完璧主義に陥らずに思い切って②に飛び込むこと、その後も③を怠らないこと。もちろんこのルートが唯一最適だとは言いませんが、時間とともに「話せる」感覚が増してくると思います。

といっても僕もまだまだ道半ば。日々打ちのめされていますし、もっと上手になりたいと思っています。

終わりのない旅になるので、最終的には もっと話せるようになりたい という思いが一番大事なのかもしれませんね。上達する過程も楽しみながら、一緒に頑張りましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?