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安心感あるスキルの塊 パオロ・バンケロ

 こんにちは。本日もご覧になっていただきありがとうございます。この記事が初めましての方は是非前回の記事も見ていただけると嬉しいです。
 今回はドラ1候補の2人目パオロ・バンケロについてです。
 前回お話ししたように今年のドラ1候補は3人といわれているのですが、現状ではドラ1指名の可能性が一番低いと予想している人が多いです。しかし、スキル・フィジカルのバランスは一番整っていて、単純に他の2人が成長曲線や見た目から想像できないプレイで評価が上がっている感も否めないです。(勿論3人共素晴らしいプレイヤーであることは間違いありませんが)今日はそんなオールラウンダーである彼について知っていただけたら幸いです。


プロフィール

名前】パオロ・バンケロ
【生年月日】2002年11月12日
【身長・体重】6フィート10インチ(約208cm)、249ポンド(約113kg)
【ESPNランキング】4位
【ポジション】パワーフォワード
【所属大学・学年】デューク大・1年
【成績(2/14時点)】31.6MPG、17.0PPG、8.7RPG、2.6APG、1.1SPG、0.9BPG、2.4TO、47.9FG%、31.63P%、75.7FT%

 母が元WNBA選手、父がイタリア人のバンケロはワシントン州シアトル出身のオールラウンダーです(ちなみに2020年にはイタリア国籍も取得済みです)。両者のDNAを引き継ぎ、類まれなアスレチック能力とシュート能力を有しています。コンスタントにチームに貢献できるエースタイプの彼はどんな選手なのでしょうか。

魅力

オフェンス

 身長と体重のバランスがカレッジレベルでは非常に良いバンケロ。このフィジカルに加え、アウトサイドショットも沈めることが出来ています。高校時代にはハンドラーを経験したことで1対1のオフェンスでは3Pライン、エルボー〜ハイポスト、ローポストそれぞれのエリアで多彩なクリエーション能力を発揮しています。身体能力で圧倒するタイプではなく、派手さはないですが軽快なフットワークでディフェンスのサイズを問わずかわすことが出来ています。FTも1試合当り4.6本獲得しての75%以上の成績のため、FG,3Pが不調な試合でも大崩れすることなくチームに貢献できています。アウトサイドシュートは自身でのクリエイトの他にも、キャッチアンドシュートも可能なため、セットオフェンスの選択肢としても機能する優秀なプレイヤーです。
 先にも書きましたように高校ではハンドラーに挑戦したこともあり、ペネトレイトからのキックアウト、スタンディングのパスもでき、1対1を得意としながらもボールを停滞させないIQの高さも見せています。パスの質もよく視野も広く長いため、リバウンドからのアウトレットパスはケビン・ラブ(キャバリアーズ)やアンドレミラー(元ナゲッツ他)を彷彿とさせます。しかし、ゲームの終盤にはボールを欲し、ゴールをこじ開けられるようなエースとしての気概も持ち合わせている、いかにもエース候補らしいプレイヤーです。

ディフェンス

 ディフェンスが課題といわれている彼ですが、対人ディフェンスは一定の守りができています。アウトサイドプレイヤーまでローテーションができることや、ドライブにも振り切られずについていけている点、ポストプレーでも他のドラ1候補のプレイヤーよりも押し込まれにくい印象です。直近7試合でリバウンドも10本近く獲得できるようになってきており、ハイライトにはなりませんが着実な成長を見せています。

伸び代

オフェンス

 ボールを持ってからのオフェンスパターンは豊富なバンケロですが、ローポストでのレシーブには苦労しています。また、シールをして押し出されてもそこから躍起になってしまい、スペースが狭まる場面が見られます。トレバー・キールズやA・Jグリフィン、ウェンデル・ムーアという才能に助けられてはいますが、NBAという組織でプレーすることを考えた時には改善させて損はないかと思います。
 アウトサイドからのオフェンスのエントリーについては、ドリブルからのプルアップを好むのですが、やや単調に感じられる場面もあり、FT%が高水準な割に3P%が低い印象を受けるのに関係していると思われます。(元々インサイドプレイヤーなので仕方ない部分はあるかと思いますが)
 アウトサイドシュートセレクションとレシーブできるようなコンタクト・できなかった時のスペーシングの広げ方を考えられれば、オフェンスについては大きな弱点はなくなるでしょう。

ディフェンス

 身体能力の恩恵で賄えている部分はありますが、彼の抱える多くの伸び代はディフェンスにあります。
 ボールマンをマークしていて、スクリーンをかけられた時にはファイトオーバーなのか、アンダーなのか判断に時間を要し、抜かれるだけでなく、自チームのディフェンスローテーションが崩れてしまいます。スクリーンを使われたときでさえ今お伝えした状態なので、リジェクトをされた時にはこの頻度がさらに上がる危険性があります。おそらくチームで決め事がある程度存在するはずなので、その枠組みをもとに判断を早めていく必要があると思います。
 また、エンドラインからのスローイン時には集中力の欠如からかカッティングを許す場面が多く見られます。適切なポジションを意識するという基礎を徹底させることだけでも大幅な改善が見込めるので、在学中に改善をすることがスターへの近道かもしれません。
 助走ありで101cmのジャンプを高校時代に記録していますが、リバウンド時にこの能力を活かせているかといえば疑問が残ります。(垂直跳びと助走での違いがあるとは思いますが…)。単純にボックスアウトができずに、オフェンスリバウンドをとられたり競り合ったりして彼の得意なアウトレットパスにつなげられていません。
 ディフェンスにおける献身性を大学の段階で身につけることで、より心強いプレイヤーになるのではないでしょうか。

まとめ

 ここまでまとめましたが、正直オフェンスの伸び代については無理矢理挙げた感じがするほど、オフェンスの完成度は高いです。シーズン序盤は足を攣る場面も度々ありましたが、最近は最後まで出場しています。ドラ1候補3人の中では平均出場時間も1位です。ディフェンスについても散々書きましたが、身体能力のおかげで穴にはならない状態です。このようにうまく纏まっているプレイヤーですので、プロで真っ先に通用し、新人王候補になるのはバンケロかな、と思います。
 ファーストオプションや1からチームビルドを企てているチームはバンケロを指名すると思うので、ロッタリー次第ではバンケロのドラ1も十分にあり得ると予想します。

【予想順位】2〜5位
【プレイヤータイプMAX】カーメロ・アンソニー(lite版)、アウトサイドからエントリーできるクリス・ウェバー
【プレイヤータイプmin】デビッド・ウェスト、プレイメイクができる八村塁
【フィットチーム】IND、SAS、ORL、DET、OKC、POR

以上になります。如何でしたでしょうか。バンケロも成長をしているよってことが分かっていただけたら幸いです。
 次回はドラ1候補の最後の1人であり高校時代から大好きだったの今ドラフトの推しメン、チェット・ホルムグレンについてお話しします。愛が強めにならずに中立な文を書けるように気をつけます。

 それでは、また。


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