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全米1位の大学を引っ張るジャバリ・スミスってどんな人?

 こんばんは。立て続けに記事を投稿してしまってすみません。しかし、僕も熱を持っているうちに記事にしないと動かなくなってしまう人間なので悪しからず。前回の記事の最後に書いた通り、今回からドラフト1位候補のプレイヤーについて計3回でお届けしていきたいと思います。
 まず今年のドラフトクラスですが、「昨年よりやや小粒ながら、チームの脇を固めるプレイヤーが豊富」というのが僕の印象です。そのため、オールラウンダーになれるプレイヤーが多く、息の長い選手が多くなりそうな予感です。そのようなドラフト候補生を代表するようなプレイヤーの1人が今回紹介するジャバリ・スミスになります。全米1位(2022年2月11日時点)の成績を残すオーバーン大を引っ張るフレッシュマンで、今ドラフトで1位指名候補の3人(他はパオロ・バンケロ、チェット・ホルムグレン)のうちの1人です。正直、個人的にはここまで成長すると思っていませんでした。この成長曲線にも注目しながら、数字・所感を基にお話ししていきたいと思います。最後にフィットしそうなチームも紹介しますが、彼をドラフトできそうな順位にいるチームを挙げますのでご了承ください。

プロフィール

名前】ジャバリ・スミスJr
【生年月日】2003年5月13日
【身長・体重】6フィート10インチ(約208cm)、220ポンド(約99.8kg)
【ESPNランキング】6位
【ポジション】パワーフォワード
【所属大学・学年】オーバーン大・1年
【成績(2/11時点)】27.8MPG、15.5PPG、6.8RPG、1.7APG、1.3SPG、1.04BPG、1.7TO、43.3FG%、40.2 3P%、81.3FT%
 

 2000年代にNBAでプレーした経験がある父を持つジャバリ・スミス。(余談ですが、今年のドラフト候補生には多くの二世プレイヤーがエントリーしそうですが、それはまた今度)父親譲りの身体能力をアウトサイドからのスキルに活かしてプレーしています。また、ディフェンスではオーバーン大のゾーンディフェンスでトップを任せられるほどの機動力を有しています。そんな彼はどんな魅力があり、伸び代があるのでしょうか。まとめていきます。

魅力

オフェンス

 まずはスタッツからも分かるように、3Pの確率が高いです。非常にスムーズなシュートフォームで、打点も高いためブロックも受けにくい印象です。更にキャッチアンドシュートだけではなく、プルアップからシュートできることもこのサイズを考えると希少でしょう。勿論ミドル〜ローポストからのジャンプショットも安心して見ることができます。縦の走力もあるため3Pを警戒したビッグマンにはスピードのミスマッチを作ることができます。更にリバウンドからのボールプッシュも可能で、ピックアップが遅れれば、少なくともファールをもぎ取ることができ、80%以上のFTが牙を剥くことになります。高校時代の課題であったハンドリングも改善し、シュートスキルの幅や数字に表れていませんがパススキルの向上にもつながっています。僕個人としてはこのハンドリングの向上にとても驚いています。ゲームを壊すことなくパスを回すことができるストレッチビッグマンは汎用性の高さをNBAでも証明できるでしょう。


ディフェンス

 さっきからしつこい!と思われるかもしれませんが、サイズに見合わぬ走力・敏捷性を有している彼は、ディフェンスにもその能力を生かすことができています。オーバーン大は試合の中で3−2ゾーンを頻回に用いるのですが、前のトップを任せられるほどの能力を有しています。その期待にもしっかりと応え、TOの誘発から速攻で前線へと走ることができています。そのほかにも、マンツーマンの時にはSFやSGのプレイヤーのドライブにも抜かれることなく対応し、プレッシャーをかけることが出来ています。ブロック数は少ない印象かもしれませんが、ゴール下での長い腕は脅威としては非常に有効です。シェイプの管理をしっかり行い、スピードを落とさなければ、将来的にはテイショーン・プリンス(元デトロイトピストンズ他)、うまくいけばドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイトウォリアーズ)のようなユーティリティディフェンダーになるかもしれません。

伸び代

オフェンス

 208cmで高い3P%を有しているジャバリですが、インサイドの制圧力があるか、というと未知数な部分があります。FG%がこのサイズの有望プレイヤーでは少し寂しい数字に感じ、ローポストではターンアラウンドジャンパーを沈めることはできますが、ポストプレーのフットワークには可能性が残されています。ここが充実することでFT数の獲得増加やドライブが更に活かせるかな、という印象です。
 チームの流れが悪い時には、一生懸命になってしまい、パスの優先順位が落ちること、ポストプレーでオフェンスファールにつながることも気になります。かといって勝負どころでパスを要求するエースメンタリティを発揮できる機会も限定的なので、自分の能力を信じ、冷静さを保ちながらプレーすることでスタープレイヤーへの道がさらに開けてくることでしょう。

ディフェンス

 ディフェンスについてはマークマンに抜かれる機会は少ないですが、オフボールでのポジショニングは改善が必要です。フィジカルで押されることもあるのですが、ポジショニングが原因で対応が遅れることの方が多い印象があります。この遅れが、ブロック数・リバウンド数の少なさに直結しているのかなと。現在はウォーカー・ケスラーという優秀なペイントビッグマンと共にプレーできているおかげで攻守ともに伸び伸びしていますが、特にディフェンスにおいてはNBAでも安心できるディフェンシブビッグマンの横で使い、育てていく必要があると思います。

まとめ

 いかがでしたでしょうか?現状の能力でもNBAで十分重宝されそうですし、大学での成長曲線から今後も成長が期待できるプレイヤーです。2003年生まれと1&doneのプレイヤーの中でも若いカテゴリーのことも好材料でしょう。ただ、他の1位予想プレイヤー2人と比べると現状の完成度、将来性の両方で2位という印象なので、中途半端なロールプレイヤーになる危険性もあります。今後はエースとしての自覚を持ち、ディフェンダーとして覚醒できれば機動力・クイックネスが揃うオールラウンドビッグマンとなり、1st、2ndオプションとして長く活躍することができると思います。現状では、エースがいるチームで、横を支えることで彼の真価が発揮できるかな、と予想します。

【予想順位】1〜3位

【プレイヤータイプMAX】クイックネス・ハンドリングが良いジャレン・ジャクソン・ジュニア

【プレイヤータイプmin】ラシャード・ルイスまたはシュートクリエイトができるディアンドレ・ハンター

【フィットチーム】SAS、POR、DET、IND、HOU
 

 という感じになります。次回はTOP3候補の中のオフェンスマシーン、パオロ・バンケロについてお話しします。
 それでは、また。


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