今日は娘の卒業式

後先考えず前方上空に向かって力の限りボールを投げてみた
ボールの行方に歩きだした たまに目を瞑り、ふらつきながら
ボコッ
自分が投げたはずのボールが後頭部に当たって地面に転がった
意外とボールは綺麗なままだ
まじかよ
6年ってこんなに短かったっけ
地球ってこんなに小さかったっけ

自分の場合、小学生は永遠に続くかのように感じていた
毎日が濃くて薄く、狭くて広く、痛くて気持ちよかった

娘はどうだろうか 6年間
式が終わり帰路の途中、娘と嫁が肩を並べて歩きその後ろを俺は歩いた
娘と嫁の後ろ姿がまるで同じだ
大きくなったな
6年前と比べるとまるで違う生き物
お前ほんとに俺の娘か
毎日腑抜けのように生きている俺は混乱した 把握できない
なんでこんなに変わってしまったんだ
いやいや、お前いつも一緒に暮らしてきただろ 今頃混乱するなよ

そりゃ後頭部にボール当たるわな

嫁は嫁で喜んでいた
瘦せたから誰かわからんかった 声かけていいか迷ったわ
久しぶりに会った親友達に言われたらしい

帰宅後、中学校の新しい制服が届いた
それを着て娘ははにかむ
それを見て俺もはにかむ

人は変わる

自分である、ではなく自分になる だ



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