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「クリエイティブ×テクノロジーで東京をより良い都市に変えていく」ためにCCBTがしてること #CCBTレポ

2022年10月にオープンしたシビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]について、シリーズでお届けしています。
前回は、オープニングイベントについて以下の記事でご紹介しました。

今回は、CCBTが一体どのような場所で、どんなことができるのかについて、担当者インタビューオーストリアでのイベント出展レポート、そしてCCBTの新しいミッション発表の3本立てで深堀りしていきます!

CCBTってこんなところ!担当者インタビュー

今回は担当の生活文化スポーツ局の大井さん橋本さんにお話をうかがいました。裏話も交えながら、CCBTの事業内容や設立の経緯などについてお伝えします!

■CCBTってどんなところ?

―――大井さん、橋本さん、よろしくおねがいします!
早速ですが、CCBTとはどんな場所なのでしょうか?

【大井さん】
2022年10月、渋谷にオープンしたシビック・クリエイティブ・ベース・東京【CCBT】は、アートやデジタルテクノロジーを通じて人々の創造性を社会に発揮する「シビック・クリエイティブ」の拠点で、東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団が共催で運営しています。

この施設では、全ての方に「シビック・クリエイティブ」を社会へ発揮していただくためのきっかけとなることを目指し、アート・テクノロジー・デザインをテーマに様々なプログラムを開催しています。

プログラムの内容としては、シビック・クリエイティブのためのコミュニティを作るミートアップ、デジタル体験で未来のリテラシーを学べるようなワークショップ、短期集中型のキャンプ、作品とその創作過程等の紹介をするショーケース、そして、クリエイティブ×テクノロジーで東京をよりよい都市に変える表現・探求・アクションをつくり出すアーティスト・フェローを公募して支援するアート・インキュベーションを行っています。

シン・トセイ3より

【大井さん】
また、2023年4月には、オーストリアのリンツ市を拠点に活動する文化機関「アルスエレクトロニカ」と連携協定を締結しました。その結果、アルスエレクトロニカにある機関の一つ、アルスエレクトロニカ・フューチャーラボの共同代表小川秀明さんに、CCBTのクリエイティブディレクターとして就任頂きました。

【アルスエレクトロニカとは?】
アルスエレクトロニカ(Ars Electronica)は、オーストリアのリンツ市が保有するパブリックカンパニーで、電気会社や水道会社の兄弟会社として位置付けられるようになりました。
1979年(44年前!)からメディアアートに取り組んだ結果、リンツ市はクリエイティブな街に変容したと言われています。

実はドローンショーもアルスエレクトロニカで生まれました!

■CCBT設立に至るまで

―――2022年にできたばかりとのことですが、設立に至った経緯や苦労した点があれば教えてください。

【大井さん】
東京都では都民のQOS(都民サービスの質)向上を目的として、DXに向けた政策を積極的に推進しています。その中で、アートとデジタルテクノロジーを通じてイノベーションを生み出す原動力となる拠点を作りたいと考えたのがCCBT設立のきっかけです。

CCBTを所管する「生活文化スポーツ局文化振興部デジタル推進担当」は2022年4月に新設されたのですが、事業効果をできる限り早く都民の方に届けたいという想いから、4月~10月までの約半年間という急ピッチでCCBTをオープンしました。この期間は、様々なタスクを同時並行で、しかもゼロから仕上げたというところが非常に大変でもあり、またやりがいがあった点でもあります。たとえば、「CCBT」という名称やロゴももちろん決まってませんでしたし、オープニングセレモニーの企画、事業展開の検討、施設工事など、やることが盛りだくさんでした(笑)

■CCBTのこれから

―――聞いているだけで大変そうですね(笑)
CCBT開設から約1年となりますが、この1年間どのような取組を行ってきたのでしょうか?

【大井さん】
CCBTでは、この1年でさまざまなイベント・プログラムを開催しており、アーティストの支援や、都民の方とアート・テクノロジーの懸け橋になるような活動を行ってきました。大変嬉しいことに、この1年間で延べ15,000人以上の方にご参加いただいています。
また、7月にCCBTのパートナーとして選出した5組の 「CCBTアーティスト・フェロー」には、現在作品制作に取り組んで頂いています。2024年1月から3月にかけて成果発表会を行いますので、是非皆様もご覧ください!

―――CCBTを通じて、東京をどう変えていきたいですか?

【大井さん】
CCBTのミッションとして、「クリエイティブ×テクノロジーで東京をより良い都市に変えていく」を掲げています。
たとえば海外では社会課題の解決にアートが結びついている都市もあるのですが、そこに東京都も一歩踏み出したというのは大きな意味があると思います。このミッションを徐々に社会に浸透させていくことで、東京をより良い都市に変えていけたらと思っています。

―――最後に、CCBTのアピールポイントをお聞かせください!


【橋本さん】
普通の美術館と違って、作品の展示だけではなく、作品の制作過程を見せたり、実際に手に取り仕組みを体感できるような工夫もしています。また、アニメーションづくりの基礎講座やプログラミング入門としてアルゴリズムで絵を描くワークショップなど、アートやテクノロジーをテーマに、多様なプログラムを提供しております。

アートやテクノロジーと聞くと、専門性が高くて敷居が高いイメージを持ちやすいと思うのですが、それらを身近に感じることができることがCCBTの魅力であり、子供から大人まで一般の方も楽しめます。来るたびに新しいものが見られると思いますので、ぜひ足を運んでいただければと思います!

制作過程が丸見え!ガラス張りのテックラボ

―――大井さん、橋本さん、ありがとうございました!
CCBTのこれからの活躍にも期待したいと思います!

CCBT、オーストリアに進出!現地レポート

創設以来、東京のデジタルクリエイティブの拠点として活動してきたCCBTですが、連携協定を締結しているオーストリア・リンツ市の「アルスエレクトロニカ」が毎年行っている世界最大級のメディアアートの祭典「アルスエレクトロニカフェスティバル」にブース出展し、世界に向けてPRしました!

【オーストリア・リンツ市について】
フェスティバルの舞台、オーストリアのリンツ市は、ウィーン、グラーツに続くオーストリア第3の都市です。2009年には欧州文化都市、2014年にはユネスコ創造都市に選定されています。

リンツの風景

今年のフェスティバルは、9月6日から10日の5日間開催され、約9万人が来場しました。CCBTはメイン会場である「POSTCITY」に出展。リンツ中央駅に隣接する郵便物配送センターの跡地で、約80,000㎡もの広大な廃墟を再利用した場所です。その他にも、リンツ市内の美術館や大学、教会など、様々な場所で先進的なプログラムが展開されていました。

メイン会場「POSTCITY」

■CCBTブース、大盛況でした!

CCBTブースでは、これまでのCCBTの活動紹介に加え、今年のフェスティバルのテーマ「Who Owns the Truth?」(真実は誰のもの?)に合わせて「Deviation Game」(※)の展示を行いました。

≪Deviation Game≫
AIをテーマにCCBTで活動した2022年度アーティスト・フェロー「Tomo Kihara+Playfool」によるプロジェクト。
人間には認識できるが、AIには認識できないモチーフを描くゲームを通して、AIによる世界の認識の仕方を遊びながら探究していきます。

このゲームが言語を必要としないコミュニケーションツールとなり、会場に偶然集った人達の交流が発生していました。2000人を超える方がブースに足を運ぶなど大盛況で、地元ラジオ局による取材も受けました。

CCBTブースの様子

■CCBTの展望

今回の大きな成果は、世界的な大舞台でCCBTのPRができたこと、そしてまちと一体となって展開されるフェスティバルを、肌で感じることができたことです。
まちなかの施設、歴史的な教会の中でさえも、メディアアートという分野での展示が受け入れられ、多くの人が気軽にアートを楽しんでいる風景は、普段からアートとまちとがお互いに歩み寄り、理解しあう努力を重ねているからこそ生まれたものであり、CCBTとしても目指すべき姿だと感じました。また、アルスエレクトロニカが国際的なメディアアートの拠点としてリンツ市へ大きく貢献している姿も垣間見ることができました。

今回はCCBTがアルスエレクトロニカのフェスティバルに出展しましたが、今度は日本で、アルスエレクトロニカのプログラムを体感いただけるようなイベントを企画中です。今後のCCBTの活動にも、ぜひご注目ください!

東京をクリエイティブに変える、CCBTの新たなミッション

このように、東京におけるデジタルクリエイティブ拠点として活動を続けるCCBTですが、2023年6月には、CCBTの新たなミッション「Co-Creative Transformation of Tokyo(CX)~クリエイティブ×テクノロジーで東京をより良い都市に変える~」を発表しました。
この新しいミッションは、CCBTのクリエイティブディレクターでアルスエレクトロニカ・フューチャーラボの共同代表も務める小川秀明さんから発表されました。

東京は世界最大級の人口、高度な経済がある一方、少子高齢化も進んでいるなど、最先端の都市課題を抱える都市です。今回の発表で、このような東京の都市課題を、クリエイティブ×テクノロジーの力で解決していくこともCCBTのミッションと位置付けました。

CCBTのスーパーバイザーでもある宮坂副知事も登壇し、「テクノロジーは生活を便利にするもの。都市の魅力は、便利さに加えて、アートやデザインによる“潤い”みたいなものも大事。CCBTを、テクノロジーとクリエイティブがつながり、いろいろな人が参加できるような場所にしたい」と発言しました。

シンポジウム参加者(左から宮坂副知事、内田さん、小川さん、市原さん)

その他、シンポジウムでは参加されたアーティストの皆様のご経験やアートに対する考え方、アーティストと行政の役割など、横断的なディスカッションが行われました。
詳しく知りたい方は、よろしければ以下の動画もぜひご覧ください!

シンポジウムゲストスピーカー(敬称略)
宮坂学(東京都副知事/CCBTスーパーバイザー)
内田まほろ(一般財団法人JR東日本文化創造財団 TAKANAWA GATEWAY CITY 文化創造棟準備室室長)
市原えつこ(アーティスト、妄想インベンター)


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