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奄美大島ホエールトリップ

沖縄本島で経営しているダイビングサービス ダイブジャーニー主催の「奄美大島ホエールトリップ」、事故もケガもなく無事終了しました。
結果から言うと2日間ともクジラと泳ぐことができました。とは言っても簡単だったわけではなく、なかなかハードで、その分ドラマチックな展開と大きな感動がありましたので、1日ずつ振り返ってみます。
長くなりますが読んでもらえると幸いです。

1日目

風が強く波も高い、さらにお昼からは大雨の予報。前日の夜から、出港できないかもしれないという不安でいっぱいだった。今回のトリップではスイムに挑戦できる日は2日間のみ、そのうちの1日が潰れてしまうというのは大きな打撃。結局朝は早めの集合で、出港するかどうかは朝判断しようと船長と話をした。
朝7時、ボートに集合した僕に船長は「ほんとに行くの?」と聞いた。
というのも、クジラ探しは大島海峡を出て奄美大島の西側、あるいは東側の外海で探すのが基本で、この風だとたぶん外海には出られず大島海峡の中で遊ぶしかない。
さらにいつ大雨が降り出すかもわからない状況…
皆に変な期待を持たせるわけにもいかず、「クジラは諦めて海峡の中の加計呂麻島(カケロマ島)のサンゴのきれいなところでシュノーケルをするか、陸でゆっくりするかのどちらかになるね。」と話をした。
結局、クジラにはたぶん会えないよという前提で海に出ることになる。
ホエールスイムに挑戦するこのトリップで…。

大島海峡の中をゆっくりと船を走らせる。今日はここだけが波の小さい安全地帯。
船長は"3つぐらいのシュノーケルポイントを回ろうか"と考えてくれていたらしい。
だけど諦められない。年に何度かは、この海峡内をクジラが通ることがあると聞いたこともある。
小雨が降り、薄暗い中、目を凝らして探していた。
すると海峡の西の端にさしかかったところでクジラのブローらしきものが見えた。だけど自信が持てない。じっとそのあたりを見つめる。
2度3度のブローらしきもの。
「船長あそこ…」と声をかけたとき、小さくテールが上がるのが見えた…!
「クジラーー!!」と叫んで立ち上がっていた。

まさかのクジラ発見に鳥肌が立った。奇跡が起きたと。
でもまだ安心はできない。
ブローで息継ぎをした後、どこに浮上するか。海峡から出ていくところだったかもしれない。海峡を出るとそこは荒れる海、スイムに挑戦は出来ない。
息をのんで次のブローを探した。
すると数分後、海峡の内側でブローを発見。
海峡内に向かっている…!
クジラを見つけても、必ずしもスイムに挑戦できるわけではない。
スイムに挑戦するかどうかは、クジラの進行方向や泳ぐ早さ、潜ってから浮上するまでの時間、浮上後に水面で何度ブローをするか。いろんな要素を考慮して経験豊富な船長と相談し決める。
このクジラたち以外に今日はチャンスはない。
距離を取って何度かのブローを見送って、いざ挑戦。
1度目のスイムは僕とゲスト3人だけがうっすらと見れた。海峡内ということもあって、透明度が良くない。よっぽど近くでないと、初めて水中でクジラを見るゲスト達はわからないだろう。
「エントリーにもたつかないで、もっと詰めて待機、さっと入って先頭から離れないで。」と指示を出した。

3度目の挑戦。岸寄りに浮上したクジラを見つけ、船長は船を寄せていく。
水深は浅そうで、かわされるとしたら海側しかない。
先頭が海側を意識して寄れば、これはいける…!
エントリーすると、透明度の悪い海からぬっとクジラの姿が見えてきたと思うと、僕の真横をゆっくりと通り過ぎようとした。
「右!」「下!」と叫んで知らせる。
クジラは水面近くをゆっくりと、みんなの真近をなめるように泳いでいった。


全員がスイムに成功したはず!!
皆の喜ぶ声と笑顔が、聞くまでもなく成功を語っていた。
自分が初めてクジラを見たときぐらいに感動した瞬間だった。

ここでしかない場所で、このタイミング。
奇跡が起きたと言っても大げさではない、感動の1日となった。


大島海峡内ホエールスイムで横断


今回ご協力頂いた方々

船長 けんちゃん アクアダイブコホロ
Instagram https://instagram.com/ken_diver?utm_source=ig_profile_share&igshid=1g4ni112ug9ob

アシスタントガイド 俊作 水中写真家 ひだまりスタジオ
Instagram https://instagram.com/shunsaku_kamide?utm_source=ig_profile_share&igshid=17ybv1elrzz63

民宿よーりよーり


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