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第三章 何故、上総介は殺されなければならなかったのか!?

平家との争いの中、坂東武者の要として担がれた頼朝は、きちんと主従関係を築く為、強固な組織作りをしていくこととなる。
オフィシャル武家・甲斐武田源氏と連携して、平維盛軍を敗走させ、その侭、京入りを果たそうとした。
何故なら京都を抑えた奴が、平家に取って代われるから!

ところが、上総介・千葉・三浦などの主戦力の人たちが上洛にこぞって反対する。
彼らは、自分たちの土地から平家を追い出せれば良いだけだし、故郷の兵力を空にしてるから、周囲から攻められるリスクにも怯えている。
更に、京を抑えれば国が獲れるという大局を全く理解していない。

ここで頼朝は、坂東武者たちの意見に従って、鎌倉に戻る。
そして、坂東武者の土地を脅かすライバルたちを討伐して廻る。
忖度に次ぐ忖度。今の自分は坂東武者に支えられているという事実を、冷静に見据えてる。

だがしかし、上総介広常が「このまま坂東だけで独立国家を築けばいいんじゃね?」って主張をし出したのは、許さず、暗殺する。

『坂東武者の土地は守る』
『朝廷との絆も守る』

この二つは必ず守る。反する奴は許さない。
上総介から奪った土地もみんなに分配してくれたから、飴と鞭。
後白河法皇とも、きちんとコンタクトを取って、話が通じる奴だと理解させている。

晩年、劣化していくが、きちんと彼なりの政治的哲学に基づいた行動であり、それは自ずと坂東武者たちにも伝わったのだろう。


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