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「僕はずっと美玖ちゃんのこと、好きでいてあげる。」 「ずっとなんて無理だよ。陽ちゃんだって、他に好きな人ができたり、結婚したりするでしょ?それに、あげるなんて上から目線。」 また始まったと、私はそっけなく返すと、彼はいつも大人びた笑みを返す。 「僕は、美玖ちゃんに好きな人ができても、結婚しても構わないよ。」 「何それ。」 「美玖ちゃんが一人で泣いてることがなければ、それでいい。」 「陽ちゃんに心配されなくたって、私には友達も家族も、今はいないけど恋人だっていつかは
ずっと家にこもっているのも良くないと、日課の散歩をしていると、近くの田んぼの一角がコスモス畑になっていた。 そういえば、コスモスは彼女が好きな花だ。 コスモスは、冬は越せないし、花が終わると直ぐに枯れてしまって、姿が見えなくなる。そして、その茎や葉は細く、風に吹かれてふわふわと体を揺らしている様子は彼女そっくりだった。 足を止めて、飽きることなく、その様子を見ていると、この地の持ち主だという人に、よければ好きなだけ摘んで持って帰っていいと、声をかけられた。 別にこのコ