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特殊設定恋愛小説

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「特殊設定」を取り入れた恋愛小説。 少し不思議な恋愛小説をまとめてみました。
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【随筆】新しいジャンルを作り出したかもしれない話 ♯特殊設定恋愛小説

いつも、私の創作物を読んでくださる方、スキをくださる方、フォロワー様、こんにちは。説那です。 タイトルにある新しいジャンルの名前は、『特殊設定恋愛小説』です。全ては、私とやり取りしてくださっているフォロワー様からの指摘から始まりました。そもそも、『特殊設定』とは何だ?という話からしなくてはなりません。 本を読むことが好きな方々であれば、『特殊設定ミステリー』というジャンルがあることをご存知かもしれません。『特殊設定ミステリー』は、SFやファンタジー、ホラーなどの設定を用い

【短編小説】腹を膨らませて、頭を休めて、心を満たして

自分の腹から胸にかけて手を当てて、その場に立ち止まる。さっき学食で昼食を取ったばかりなのに、もう空腹感を感じる。 まったく、自分の体はどうなってしまったんだ。 思わず舌打ちしたくなったが、同じ空間に人がいることを考えて自重する。 「どうした?」 後頭部をはたかれた。そんなことしなくたって、聞こえてるのに。俺は、相手を見ながら、渋々と口を開く。 「・・腹減った。」 「まじで?さっき食べたばっかじゃん。」 「でも、食べたい物があるわけでもないし、どうしようかと思って。」

【短編小説】ずっと、一緒にいよう。

私は、幼い頃から身体が弱く、しょっちゅう熱を出していた。幼稚園は休んでいる日数の方が多く、定期的に病院に通い、場合によっては長期入院もしていた。病院のベッドから、外の青空を見上げる度に、私はいつ健康になれるのかと、ため息をついていた。 病院にいる時間が長くなるにつれ、医師や看護師さんとも顔見知りになっていた。寝てばかりいると、起きられなくなると言われ、点滴バッグ等をかける点滴スタンドを押しながら、病院内を歩き回っていることが多かった。そして、私は病院に来ている同い年の男の子