【短編小説】「お届け物です。」リターンズ
「お届け物です。」
玄関ドアを開けた私の目に飛び込んできたのは、大きな段ボール箱を抱えた宅配便の人の姿だった。
デジャブ。
私は頭を抱えたくなった。
去年も同じ光景が、目の前に繰り広げられた気がする。
「住所、氏名、あっていますか?」
私に向けて、宅配伝票を見せて、相手は問う。
去年と同じ人かどうかは分からない。
私がその場に立ち尽くしていると、相手は訝しげな表情をした後、「あの・・。」と戸惑ったような声をあげた。
その言葉にハッとして、私はその伝票に視線を走らせる。