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里見正則、善悪を知った上で

本日最終稽古だったわけですが、早いものです。11月にはじめましてと言っていたのがもう本番ですから。

里見正則というのは12月公演で佐々木仁さんが空海両チームで演じて頂く役の名前です。ほとんど「里見先生」「里見くん」と言われているので、名前が正則だと知っている人はほとんどいないのでしょう。私も久しぶりに台本の役名を見て思い出したのですが。(正確には正則と見てもそうだっけ、なわけですが。)

彼は不老不死の研究をしている施設の所長という立場であり、日々研究と、そして国からの助成金をもらうために暗躍とまではいきませんが、行動をしている人です。責任のある立場で、研究所の所員を、個性的な入所者の面々を温かく見守っている姿はまるで父親のよう。

しかし彼は善行にはささやかな悪は、嘘は、許されると言って憚らない。そして職員にもそれを強制するようなところも見せる。よって若く、またまっすぐな小日向美舞と対立したり、不器用な優しさをもつ桃井佐予に心配もされているが、彼の素顔は誰にも見せない。何を考えているのか誰が知っているのだろうかとすら思う。もしもそれを知っている人間が居るとすれば、それは恐らく入所者の中でも古株で長い時間をこの施設で過ごしている園井薫だけではないだろうか。

里見と薫の関係は本作にて説明されるのでそちらに譲るとして、里見のどこか脆く、危なっかしい姿を垣間見てきた薫には誰よりも素顔を見せることが出来る。安らぎがそこにあるのだろう。時として弱音を吐いてしまうのも彼女の前だけだ。

そんな二人には厳しくも乗り越えて欲しい試練が訪れるが、きっと二人は乗り越えていくはずだ。その信頼と信念によって。人間には乗り越えることの出来る試練しか神様はお与えにならないとはよく言うではないか。

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