小さな危険に気づけるか

子どもたちが帰ってから
教室を掃除していると

ロッカーから顔を出しているものがいる

絵の具の紐だ

一見とても可愛らしい様子をしているが

こいつが意外と厄介で

垂れたままにしておくと

何人もの子が犠牲になってしまう

実は昔、初任の頃のクラスでも

ロッカーからとび出している絵の具や習字道具の紐で何人もの子が引っかかってしまい、多くの犠牲者がでた

ただ、その頃の私はどこか子どもに責任を押し付けてしまっていたのだと思う

何人か怪我が続き、保護者に電話を続けていたある日

「怪我が続いているけど大丈夫?」

見かねた主任が声かけてくれた

「実は絵の具で・・・・」

そうバツが悪そうに答える私の気持ちを理解するように

「わかる。私も最初の頃は絵の具とか習字とかまで気が回らなかったんだよね」

「でも、私たちが気づかないくらいなんだから、子どもだけで、危ないなんて気づけないよなって思ったの」

「そう思ったら、誰がこの子たちを守るんだろう。・・・私しかいないよなって」

主任からの言葉が心に刺さる。

なんて責任がなかったんだろう。

大切な子どもたちを預かっているのにも関わらず、どこかで子どもたちがけがをしてしまうのは自己責任と考えてしまっていたのだろう

果たして自分は怪我が起きないように、できることはしていたんだろうか

その日から、絵の具の紐をしまう声掛けを子どもたちにし、そして絵の具の紐がでていたらしまうようにしている

子どもたちが安心して学級で過ごせるように


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