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自然資本と「雪」を考える---日本のワインぶどうの父「川上善兵衛」--

明治20年の事です。上越市高田で、川上善兵衛という人がいて何とか国産ワインで農村に新しい産業をおこせないかとかんがえていました。

 最初は、暖かいところに「ワインのたる」をおいたためすっぱくて飲めませんでした。発酵がすすみすぎたためです。いろいろと失敗を続けるうちに、ぶどうをすずしいところにおいておくと、おいしいワインができるとわかりました。
ワインを入れる石蔵を雪で冷やす「雪むろ」を考え出しました。そして国産の良質のワインができるようになりました.

日本のワインぶどうの父「川上善兵衛」

昔の頚城平野(上越市)は、冬になると一面が豪雪にうもれます。農民にとって米は、ただ一つの収入源でした。 暖かい地方なら裏作ということもありますが、冬の間は全く作物を作ることができません。

安塚の冬

 都会の人は大雪などというと、楽しいスキー場を思いうかべるかもしれませんが、雪国の農民にとって、雪とは長い冬の間、仕事の邪魔をし、暮らしをおしつぶす、おそろしい白い魔物にほかなりませんでした。

雪室(雪の冷蔵庫)はSDGsです

戦争やコロナで原油が高騰し、農業や食品の生産現場にもコスト増を余 儀なくして、その経営を圧迫している。小麦や原 油のほとんどを輸入している我国にとって,これからも不 安定な価格に翻弄される危険性をはらんでいる。一方、 同じく社会問題化している地球温暖化は温室効果ガスとし ての二酸化炭素を排出する化石燃料が原因となっている現 象である。このような社会情勢を受けて、我が国において も新エネルギーに対しての関心が高まっています。そんな情勢の中で安塚には「雪むろ」施設が4箇所あり今までいろいろな検証してきました。

「ネイチャーポジティブ」は、自然と調和しながら生物多様性を保全し、地球を豊かにする取り組みです。一方、「雪室(ゆきむろ)」は、雪や氷を利用して食品などを保存する伝統的な日本の冷蔵技術であり、自然の恵みを利用した持続可能な保存方法です。

「ネイチャーポジティブ」と「雪室」関係を画像です

「ネイチャーポジティブ」と「雪室」の関係は、両者が自然の力を尊重し、活用する点にあります。「雪室」は、電気などの外部エネルギーを必要とせず、自然の冷却効果を利用して食品を長期間保存することができます。これにより、エネルギー消費の削減と環境への負荷軽減に貢献し、ネイチャーポジティブな考え方に沿った持続可能な社会の実現に寄与しています。

つまり、「雪室」はネイチャーポジティブの精神を体現する具体的な例と言え、自然を活用しながら人間の生活を豊かにする伝統的知恵の一つとして、今日でもその価値が見直されています。

自然資本の豪雪利用は「雪で村おこし」のヒントがあるような気がします。


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