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2022年ワニの日 ワニ一体化計画

こちらは2022年8月2日に、clubhouse「2022年ワニの日ルーム」にて朗読した『ワニ一体化計画』の台本です。
二次創作、脚本の公開を快諾いただいた今井雅子先生に感謝申し上げます。

注意

・無許可での上演は固くお断りいたします。
・もしこの話に興味を持っていただき、演じてみたいと思われた場合は、今井雅子先生およびやまね(@kousuke_Japan)にご連絡ください。
・現在はclubhouseのみ上演が認められています。

配役
・「わにのだんす」語り……
・転生ワニ…………………………
・だんすわに………………………
・津上野華…………………………
・エプロンの女性………………
・帽子屋の店長…………………
・小次郎(帽子屋の店員)…
・客、SNSコメント

  • 章立ては元ネタをわかりやすくするためのものです。

『2022年ワニの日 ワニ一体化計画』

原作:今井雅子
構成:宮村麻未
脚本:やまねたけし

1 転生したらワニだった件

N(転ワニナレーション) 私は暗闇と振動の中で目を覚ましました。小刻みな上下運動が、俯せになった腹に直接伝わってきます。地震が起きているのでしょうか。そもそも、ここがどこなのか私にはうかがい知ることができません。

N 突然、下から突き上げるような痛みを感じました。次の瞬間、私の体は宙に浮いた、のと同時に周りに光が現れました。重心が放物線を描いた後に、背中から地面に叩きつけられました。

転ワニ ぐへっ!

N 背骨に受けた衝撃が肋骨を圧迫し、中の空気が追い出されます。意外にも脊椎はムチのように柔軟でした。バウンドした僅かなに細長い楕円体の体を半回転。今度は着地に成功しました。振動はすでに止まっていました。

N これはいわゆる、異世界転生というものでしょうか。しかし、四つん這いになった私は一体どんな姿なのでしょう。

N 地面が近くにあります。砂ぼこりが鼻の穴の痛覚を刺激します。

N ここは私がいるべき場所ではないのではないのか。本能がそう感じさせました。ならば、私はなぜここに存在しているのでしょうか。

転ワニ(心の声) 誰か、助けて。

N しかし——

N 舌が下顎に張り付いて、上手く声が出せないのです。

転ワニ (鳴き声とも声ともつかない唸り)

N 頬に溜めた空気を押し出すように発せられたのは、かろうじて叫びとも聞こえる程度のうなりでした。

N 途方に暮れていたその時……

エプロンの女性 あらぁ、新入りさんかい?

N 声をかけられた方を向いた私は、その姿格好を見てギョッとしました。白いエプロンから伸びた2本の木のような足。左手に花籠、そして頭を赤いバンダナで覆っていました。

N 恐怖はその場から離れるよう私に進言しますが、体が言うことを聞きません。4本の足をどのように動かせばよいのかわからず、その場に立ちすくむことしかできませんでした。

エプロンの女性 大丈夫だよ。最初はみんな戸惑うもんさ。

N その声には、同じ状況下に置かれた者を今までに何人も見てきた、というようなベテランの風格がありました。まだ信用はできませんが、他に頼れる人はいません。自分の無力さが情けなくなります。

エプロンの女性 まずは会話ができるようにならないとだね。ついておいで。足の動かし方? まず右の前足を上げて前に出す。前足がつく前に左の後ろ足を上げて前に出す。次に左前足、右後ろ足。そうそう、1、2。1、2。

N ゆっくりとですが、前に進むことができました。

エプロンの女性 さあ着いた。ここはHelenaヘレナって言うんだ。会ってほしい人がいるのさ。

*   *   *

N 木造平家の建物の中は、外見よりも広く思えました。所狭しと棚が並んでおり、ぬいぐるみや木彫りの人形や、土をこねて作ったような大小さまざまな大きさの器が飾られていました。

津上 初めまして。津上つじょう野華のかです。

N 声からは温かみを感じました。

エプロンの女性 椅子に乗せるよ。せーの、よっこいしょ。

N 2人がかりで並べた丸椅子の上に私を乗せてくれました。

津上 喉、渇いてませんか。

N 私は長い口を上下させてうなずきました。

津上 そう、よかった。お水をどうぞ。

エプロンの女性 さあ、口を開けてごらん。

N と言うと、透明な液体を私の口に流し込んみました。舌の上で何かがパチパチと弾けます。すると、エプロンの女性がいきなり私の上顎を指1本で押さえつけ、低くドスの効いた声で言ったのです。

エプロンの女性 泡が消えてしまう前に飲み込むんだよ。

N そこまで強い力ではないのですが、口を開けることができませんでした。私は忘れかけていた恐怖に身を震わせながらも、無理やり液体を流し込みます。食道を抜けると、冷たかったはずのそれは熱を持って体内を駆け巡ります。液で満たされた細胞が激しく踊り出すのを感じました。硬く乾燥していた肌が弾力を持つようになりました。後ろ足が伸び、尾の付け根がわずかに背中側へと移動しました。重心が下がると同時に、前足の可動域が左右にも広がりました。体の熱がゆっくりと引いていきます。心臓の鼓動が徐々に遅く、しかし1回1回の拍動は力強くなっていました。

N 呼吸と脈が安定します。

転ワニ (深呼吸)

N 私は、2本の足を投げ出して座り直しました。バランスが取れず、体を左右に揺らすと、しっぽも連動して動きました。改めて内装を見渡すと、手作りの工芸品以外にカウンターの上には黒塗りの鏡、そして奥にはテレビのような黒い箱も見えました。

N カウンター越しに津上つじょうさんの顔がありました。女神のような包容力のある優しさと、全てを見透かされそうな鋭さを兼ね備えている、そんな印象を持ちました。もしかすると、私がここではない世界から来たことも知っているのかもしれません。

津上 改めまして、津上つじょう野華のかです。このまちの案内をしたり、人の相談に乗ったりしています。

エプロンの女性 あたしは見ての通りただのお節介おばさんだよ。

転ワニ 私は……。

N 鏡に映る自分の顔を見て、言葉を失いました。それはヒトの姿ではなかったからです。ゴルフボールを半分に切って被せたように浮き上がる2つの目。そこから前に向かって伸びる大きな口。皮膚には網目が走り、個々の区画は樹木のように硬いのです。一度瞬きをします。変わりません。そこにいたのは、紛れもなく椅子に座るワニだったのです。

N 続く言葉が出てきません。なぜワニの姿なのですか。いいえ、違います。私には2人がヒトに見えているように、2人からは私がヒトに見えている可能性があります。それなら、異世界から来たと正直に言えばよいのでしょうか。どうすれば元の世界に戻れるのですか、これも違います。「元の世界?」と首を捻られるのが関の山でしょう。下手をすると変人扱いです。この状況を受け入れるしか選択肢はないのでしょうか。

N 2人は黙って私の言葉を、私の判断を待っています。

転ワニ ここでは、どうやって暮らしていけばいいんですか。

津上 自分の好きなことをすればいいのです。

転ワニ 自分の、好きなこと。

エプロンの女性 といっても泥棒とか人を支配したいとかはダメだよ。まあ、そんなやからはいないけどね。

N なるほど、この世界の住人はとても高い道徳心をお持ちのようです。

エプロンの女性 まぁ、何もしなくても生きてはいけるけどね、それじゃあつまらないだろ。

N 一理あります。納得すると同時に胸が痛みました。

転ワニ お二人もずっと好きなことを続けてこられたのですか。

津上 わたしは、昔から相談を受けることが多かったので、そのまま続けています。

エプロンの女性 あたしは世話焼きだから、困っている人を見ると放っておけなくてね。

転ワニ お礼が遅くなりすみません。声をかけていただき、ありがとうございます。

エプロンの女性 いいんだよ、好きでやってることなんだから。

N お人好しみが溢れる笑顔が私にも伝わり、気持ちが少し軽くなりました。

転ワニ 他にはどんなことをしている人がいるんですか。

津上 さっき飲んだサイダーを作るのが好きな人もいます。みんなこのサイダーが大好きで、そのことを伝えると喜んでくれます。加えて、その対価を得ることでもっと美味しいサイダーを作ることができるのです。

エプロンの女性 サイダーを宣伝するのが好きな人もいるね。いろいろなまちへ運ぶのが好きな人もいるし、交通網を整備するのが好きな人もいる。みんなの『好き』が繋がって、いい循環ができているんだね。

N なるほど、お互いがお互いの好きなことを尊重しているからこそ成り立つのですね。

転ワニ ということは、ここに飾ってあるものは全部……。

津上 ええ、皆さんが好きなことをした結果を持ってきてくれるのです。

N クリエイターにとっても安心して創作に打ち込めるということでしょうか。

N 私は……

津上 あなたのしたいことは何ですか。

*   *   *

N 津上つじょうさんの言葉が、手配してもらった部屋で一息つく私の脳内で反響していました。

N 自分のしたいこと……

N 元の世界では、したいことなど特にありませんでした。周りに流されるまま高校、大学へと進学しました。就職後もその生活は変わらず、給料はさほど高くありませんでしたが貯金だけは溜まっていきました。

N 周囲がやりたいことに打ち込む中で焦燥感だけが募りましたが、最期まで見つからなかったのです。

N これは私への罰なのでしょうか。

2 わにのだんすA

おどることが だいすきな わにが
みちばたで だんすを はじめました。

あしを どんどん しっぽを ばんばん
じめんを ちからづよく うちならしたり
しっぽを みぎへ ひだりへ
ぶんぶん ふりまわしたり。

わにの だんすは どんどんだんす
わにの だんすは ばんばんだんす
わにの だんすは ぶんぶんだんす

観客 (拍手と声援)

なかまの わにたちが あつまってきて
いいぞいいぞと はやしたて
おかねが たくさん あつまりました。

その おかねで だんすわには
きらきら ひかる ぼうしを かいました。

3 帽子屋

店長 はあ〜。

小次郎 ほらよっと。

店長 何だい、俺の顔の前で帽子なんか振って。

小次郎 ため息をつくと幸せが逃げるって言うじゃないですか。だから捕まえてるんですよ。

店長 だからって、帽子で捕まえなくたっていいじゃないか。

小次郎 "幸せを捕まえた帽子"って表に出したら、目を引くと思いますよ。

店長 ちょっとちょっと、人の幸せを勝手に売らないでもらえる?

小次郎 まあまあ。溜め息自体は悪いことじゃないんですが、人前では避けましょうってカワニテツさんの本にも書いてありましたよ。

店長 こう誰もいないとため息もつきたくなるよ。確かに好きで始めた帽子屋だよ。売れなくても生活に支障はないけどさ 俺は気に入った帽子を見つけた人の喜んでいる顔を見るのが何より好きなんだよ。

小次郎 素材はいいんですから、それをアピールする何かが必要だと思うんですよね。

店長 それで人が集まれば苦労はしないよ。

小次郎 もっとキラキラさせた方が目立つかな。

店長 お〜い、人の話聞いてた?

小次郎 隣の宝石屋さんで何か埋め込んでもらうよ。

店長 あ、ちょっと。行っちゃったよ。暇だから話し相手になってもらおうと思ったのに。一人ならため息ついてもいいってことだよな。はあ〜。少し肩の力が抜けたかな。腕が太いから肩が凝ってしょうがない。

小次郎 ただいま戻りました〜。

店長 早かったね。ん、そちらの方は?

小次郎 店の前に立ってたからご案内しました。

だんすわに こんにちワニ。

店長 いらっしゃいませ。

だんすわに ここは帽子屋さんワニか。

小次郎 ええ、いろいろな形、大きさ、色の帽子を揃えています。

だんすわに そうワニね、できるだけ丈夫で大きい帽子がいいワニね。

店長 うちのはどの帽子もとても丈夫ですよ。

小次郎 幸せも捕まえられますから。

だんすわに 幸せ、ワニか?

店長 いやいや、こちらの話です。

小次郎 これなんかどうですか。

だんすわに かぶってみてもいいワニ?

店長 どうぞどうぞ。

だんすわに 大きさはぴったりだワニ。

小次郎 とてもよくお似合いですよ。

だんすわに そうワニか? 嬉しいワニ。

店長 ちょっと引っ張ってみてください。

だんすわに すごく丈夫ワニね。

小次郎 少し値は張りますが……。

だんすわに お金なら、たくさんあるワニ。

店長 いやいやいや、こんなにいただけませんよ。

だんすわに いい帽子を見つけてもらったお礼だワニ。

小次郎 それじゃあ、遠慮なく。

店長 まいどありがとうございます。

だんすわに アリゲーター。

4 わにのだんすB

きらきら ひかる ぼうしを かぶった わには
まちに でて ばすていのまえで だんすを はじめました。

わにの だんすは きらきらだんす
わにの だんすは くらくらだんす
わにの だんすは ぐらぐらだんす

観客 (拍手と声援)

ばすを まっていた わにたちは おおよろこび。

きらきら ひかる ぼうしは
おかねで いっぱいに なりました。
その おかねで だんすわには

きらきら ひかる せびろを かいました。

だんすわに (アドリブ)

きらきら ひかる ぼうしを かぶり
きらきら ひかる せびろを きた わには
ばすに のって もっと おおきな まちへ いき
だんすを はじめました。

わにの だんすは いきいきだんす
わにの だんすは うきうきだんす
わにの だんすは どきどきだんす

いろんな まちから あつまってきた
わにたちが はくしゅかっさい。

観客 (拍手と声援)

きらきら ひかる ぼうしと せびろは
おかねで いっぱいに なりました。

その おかねで だんすわには

もっと おおきな まちへ いく
きっぷを かいました。

しゅうてんで でんしゃを おりたのは
だんすわに だけでした。
そこには——

わにの こどもたち だけが くらす
ちいさな むらが ありました。

こんにちは と あいさつする かわりに
だんすわには おどりました。

わにの だんすは もじもじだんす
わにの だんすは たじたじだんす
わにの だんすは にじにじだんす

だんすわにが おどると
こどもわには おそるおそる ちかづいてきて
いっしょに おどりだしました。

こどもたちは おかねのかわりに
たくさん わらって くれました。

だんすわには しゅうてんの えきから
でんしゃに のらずに かえりました。

あんまり たのしかったので
おどりながら かえって きました。

わにの だんすは またまただんす
わにの だんすは まだまだだんす
わにの だんすは だだだだだんす

5 転わにとだんすわに

観客 いいぞいいぞ。

N ある日、道ばたに黒山の人だかりを見つけました。一体何だろうと近づいてみると、輪になった観客の中心で踊る影が1つ。足で地面を叩いたり、しっぽを左右に振ったりしています。体を動かすたびに、赤い帽子と黄色い背広に埋め込まれた宝石がキラキラと光っています。

N 地面に置かれたサイダーの空き缶はお金で溢れていました。

だんすわに アリゲーター。

N と言いながら左右に振る手も踊っているようです。皆が去った後、山を崩さないよう慎重に硬貨を置きました。

転ワニ あの……ダンスが、お好きなんですか。

だんすわに おどることが大好きなんだワニ。

転ワニ 少し、お話を聞かせていただいてもいいですか。

*   *   *

だんすわに 踊るとみんな喜んでくれる。お金もくれるワニ。

だんすわに 技術が上がって、見た目もキラキラ華やかになるワニ。

だんすわに 新しいダンスを披露するとみんなの目がいきいき光るワニ。

だんすわに 多くの人に見てほしくて、いろんなまちに出かけるワニ。

だんすわに さっき、電車で“こどもむら”に行ってきたワニ。

だんすわに はじめ、こどもたちは、もじもじして出てこなかったワニ。

だんすわに 踊りを見ると、にじにじ寄って来てくれたワニ。

だんすわに こどもたちは、たくさん笑ってくれたワニ。

だんすわに あんまり嬉しくて、踊りながら帰ってきたところワニ。

だんすわに だけど、まだまだ踊り足りないワニ。

だんすわに そのくらい、踊ることが大好きなんだワニ。

*   *   *

N 頭の中に「キラキラ」「いきいき」「にじにじ」「もじもじ」「まだまだ」という言葉が刻みつけられました。

N キラキラにはギラギラが合いそうだなぁ。ミラーボールが輝くダンスホール、懐かしいな。

N いきいきにはうきうき。心が弾みそうな感じがします。

N ——思い出しました!

N 私は、言葉を紡ぐのが好きだったのです。学生時代に書いた小説を友人は喜んでくれました。バンドを組んだ友人のために作詞をしたこともありました。私の文章で、この世界の誰かが喜んでくれるのなら……。

N 『Helenaヘレナ』へと急ぎました。

*   *   *

転ワニ 津上つじょうさん!

N 突然の訪問だったのですが、津上つじょうさんは私が来ることがわかっていたかのような笑顔を見せました。

津上 したいことが見つかったようですね。

N 私は息を整えつつ首を縦に振りました。

転ワニ 何か書くものを……

N と言いかけて、私の視線は彼女の手元に釘付けになりました。

転ワニ それって……

津上 あなたが元にいた世界で言うところの『スマートフォン』です。

転ワニ やっぱり、ご存知だったんですね。

津上 ふふふ。技術はほとんど変わらないのです。

N 彼女は再び魅惑的な笑みを浮かべました。津上つじょうさん、まさか、あなたも……。いいえ、今はまだその時ではありません。

転ワニ ということは、文章や写真・動画を投稿できるアプリもあるのですか。

津上 もちろん、ありますよ。この端末をお使いください。

転ワニ ありがとう。ありがとう。

6 わにのだんすC

いえに かえりつく ころには
きらきら ひかる ぼうしと
きらきら ひかる せびろは
またまた おかねで ずっしり
おもくなっていました。

その おかねで だんすわには

おくりものを かいました。

7 わにのだんす誕生

N 暖めていた文言をダンスの動画とともにalligaitterアリゲイッターwanistagramワニスタグラムに投稿しました。またたく間に拡散され、たくさんのいいね!とコメントがつきました。

コメント1 繰り返し言葉のリズムが楽しい!

コメント2 子どもと一緒に踊っています!

N 『もっと読みたい!』との言葉に応えて、だんすわにから聞いた話を連続ドラマのように発信し続けました。ハートの数から、読んでくれた人が楽しんでいることが伝わってきました。“こどもむら”の子どもたちにピアノを贈ったところでこの話を終える頃には、私たちは有名人になっていました。

N 私は物語を紡ぎ続けました。どんなジャンルの話でも皆は喜んでくれました。

N ここは表現者にとっての楽園です。元の世界に戻ることを諦めたわけではありませんが、しばらくはここで生きていくのもいいかもしれません。

N まずはこの話を形にしましょう。サイダーのポスターの絵を描いた人を見つけて挿絵を描いてもらい、この世界に初めての絵本が誕生しました。

N 絵本「わにのだんす」(文:今井雅子、絵:島袋千栄)はわにの国で書かれたお話が巡り巡って今の形になったと言われているとかいないとか。

津上 棚のコレクションがまた1つ増えましたね。さぁて、そろそろ、出かけないと。

8 幸せの帽子

店長 あの帽子、本当に売れたね。

小次郎 店長、毎日その話しますね。今日で5日目ですよ。

津上 あの、すみません。

店長 いらっしゃいませ。

津上 こちらの帽子はすごく丈夫だって聞いたんですが。

小次郎 ええ、こだわりの素材です。いろいろな形、大きさ、色の帽子を取り揃えております。

津上 これがいいかしらね。

店長 とてもよくお似合いですよ。

津上 あら、ありがとう。こちら、いただくわ。

小次郎 ありがとうございます。

店長 つかぬことを伺いますが、どこかでお会いしたことが……あ、いえ。うちの店のことはどちらでお聞きになったのですか?

津上 ご存知ないんですか? このお店、今すごく話題になってるんですよ。

小次郎 特に宣伝とかしてないんですけどね。

津上 でも踊る広告塔がいるじゃないですか。

店長 どういうことです?

津上 これ、ちょっと見てください。wanistagramワニスタグラムの投稿なんですけど、この帽子はこちらの商品ですよね。

小次郎 確かにうちのだ。

店長 この帽子って、幸せを捕まえた帽子じゃないか⁉︎

小次郎 本当ですね! ということは、踊っているのはあのお客さんか!

津上 お客さんはもっと増えますよ。

店長 君の言った通りだ。あれは"幸せの帽子"だったんだ。

客1 この帽子、いいわね。

客2 かっこいいよ!

小次郎 店長、見てください。お客さんたちが気に入った帽子を見つけて喜んでくれています。

店長 ああ、こんなに嬉しいことはない。

だんすわに みんなが幸せなんだワニ。

〈ワニ一体化計画 END〉

replayはこちら▼ (「ワニ一体化計画」は45分過ぎ〜)

絵本「わにのだんす」読み聞かせROOM
🐊🎶8/2(ワニの日)午後8:02(ワニタイム)スタートで82分で終わる?ワニルーム🐊🎶
写真1
絵本「わにのだんす」読み聞かせROOM
🐊🎶8/2(ワニの日)午後8:02(ワニタイム)スタートで82分で終わる?ワニルーム🐊🎶
写真2

再演のreplayはこちら▼ (「ワニ一体化計画」は43分過ぎ〜)

絵本「わにのだんす」読み聞かせROOM 🐊🎶キャスト一部リニューアル✨「ワニ一体化計画」早くも再演します🎶🐊「わにのだんす」のお時間もあるワニ🐊🎶
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絵本「わにのだんす」読み聞かせROOM 🐊🎶キャスト一部リニューアル✨「ワニ一体化計画」早くも再演します🎶🐊「わにのだんす」のお時間もあるワニ🐊🎶
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再々演

2024年5月23日

トップ画:kanasiiutageさん


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