見出し画像

<読書>ナリワイとイドコロ


「ナリワイをつくる」


著者の本はこちらを先に読みました。
地域づくりなどの活動関連で手に取りました。

こういう本は、著者の考えが人によって違うので
参考になる部分もならない部分も
自分なりに取捨選択する必要があります。

地元のものを使って新しいことを始めるときに
必ず訊かれるのが、それを頑張って生業になるか、ということです。

ただ頑張っただけでは、そんなに簡単に生業として成功するとは思えません。
まずは、副業として、収入がなくても、生きがいとして楽しめる、くらいの
捉え方で始めてみるといいと私は思います。

そして、地域で生業にまで育てるためには、個人や数人で関わるより
多くの人が関わった方が情報も広がるし、それぞれが知恵や経験を出し合えてより成長すると思います。

そんな思いを持ちながら、様々な仕事創生に関する本を読んでいます。
この本もその一環でした。

全面的に納得、とか、自分の周りで再現性があるかと言われれば
書かれていることが全てそうではありませんが
大事なことは、「そういう考え、やり方もある」というものに
沢山触れることだと思っています。

「イドコロをつくる」


ここでいう「イドコロ」とは流行りのサードプレイス(場所)だけでなく
心のイドコロを含みます。

著者によると

「イドコロ」は思考の免疫系の構成要素

現代は、正気を保つのが難しい時代。
油断すると何かの中毒になりやすいし
常軌を逸した価値観にハマってしまいます。

理不尽で過酷な職場や環境から離れられずに居続けることも
正気を失っていると言えるそうです。

「イドコロ」は、人が無理やり他人に同調することなく共感を得て元気が湧く場である。

2000年代のネット空間も、一部のその道に知見のある人たちが集う
牧歌的な場所だったけれど、今では一番苦しい場所と感じる人も多いようです。

本書は著者の実体験を交えて、さまざまなタイプのイドコロの作り方を紹介しています。

そして獲得した思考の免疫系である「イドコロ」も手入れが必要です。
病気に準えて、免疫活動が過剰になるとアレルギーや炎症がおこり
過小であれば、病原体に対抗できないくなるので、その対策として
ある程度外部を受け入れながらも正気を保つためにも

一つのイドコロに依存するのではなく複数のイドコロを持つことが必要

と勧めています。

いくつかの「イドコロ」を持ってそれぞれに居心地の良い時間を作っておくことが必要ですがその獲得方法として

① 自分でつくる
② 既存のものを活用する

を挙げています。

①は自分のやりたいことを起点にできるので期待はずれが少なく
②は手っ取り早く獲得できる
①も②も一長一短ありますが、そのあたりの心構えも紹介されています。

私の好きな、読書という「イドコロ」も読む時間や空間、感想の共有など
イドコロとしては重要な要素と言われています。
一人でひたすら偏った読書に陥る危険を避けるためには
雑多な本を紹介しあい、感想を共有する読書会なども
イドコロとしての役割は大きいと思います。

解剖学者で昆虫研究家の養老孟司さんは

普段から人間界と離れた自然に目を向け
どうにもならない問題が起きやすい人間社会の存在感を小さくすることで
リスクを減らすことができる

と、勧めます。

著者は、正気を保つためには

各所に多くの人の手の届くイドコロを散らばらせていこう
社会にイドコロが充実すれば、より丈夫な世の中になる。

と提唱しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?