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額の汗にさよならという9月

気づけば10月も半ばである。楽しみにしていた真空ジェシカのラジオイベントも、キングオブコントも、あっという間に過ぎ去っていった。そして外に出るたびにわたしから離れなかった額の汗も、気づけばどこかに身を潜めていくのである。そんなわけで、9月も振り返っていく。この波に遅れるな!

・小説たち(4冊)

9月は読書の秋を意識してかなりたくさんの本を読むことを努力した(当社比)。下記読了リスト。

・自転しながら公転する/山本文緒
・木漏れ日に泳ぐ魚/恩田陸
・限りなく透明に近いブルー/村上龍
・選んだ孤独はよい孤独/山内マリコ

この中でも「自転しながら公転する」と「選んだ孤独はよい孤独」が好きだった。以下感想。木漏れ日に泳ぐ魚と限りなく透明に近いブルーは割愛。

自転しながら公転する/山本文緒

母から読みなよと言われて送られてきた本その1。送られてきたのは今年の初めとかだった気がする。正直山本さんの作品は初めて読んだのだけど、とても面白かった。物語の主人公は女性で働きながら更年期障害の母の世話をしたり、無職の恋人ができたり、そんな中で結婚とか妊娠とか考えたりして、、、みたいな一言で言ってしまえばキャリア・家庭・親の介護とか人生に関わることに主人公に降りかかってきて、どう向き合ってどう行動していくのかが繊細に描かれていく物語。読者が女性であれば、自己投影してしまうのではないかな。わたしもその一人。逆に男性はこれを読んでどう思うのだろう・・・と気になった。

選んだ孤独はよい孤独/山内マリコ

母から読みなよと言われて送られてきた本その2。これは届いてすぐ読んだ!そしてわたしはやはり山内マリコという作家が好きだなと改めて教えてもらった作品だった。山内マリコといえば田舎出身の女の子が都会に来て田舎に帰ってとか都会にいながら田舎との差異を明確に描く…みたいなシチュエーションが多いんだけれども、これは違った。全編男の子視点の物語である。男の子視点でもこれほど繊細に物語を紡げるなんて本当にすごい。圧巻です。好きなセリフを引用します。

「だからな、もしお前が、ずるずる青春を引きずってるだけで、別に無難な人生でいいと心の底から思ってるなら、根性入れ替えさせてこのクソつまんねえサラリーマン生活に一刻も早く染まれるようおれは指導するけど、もしなんかやりたいことがあって、なのに無理して諦めようとしてるんだったら、おれはそれを止めるぞ」
「え?」「逃げろ」

・映画たち(12本)

ONCE UPON A TIME IN HOLLY WOOD/クエンティン・タランティーノ

これは言わずもがなって感じなんですが、今更見ました。めっちゃいい~!!っていうよりも最後の最後で今までのストーリー展開とか全てなくなるくらい気持ちいいアクションシーンにやられた。タランティーノ作品は初めて見たけどこのアクション確かに気持ちいい。もう全部どうでもよくなってくる。これまでの全部回収。火炎放射器ぶっぱなしてえ~!まるこげ作りてえ~!みたいなね。作品のもとになった殺人事件についてちゃんと知っていたらさらに面白かったんでしょうが、知らなくても楽しくなってしまう魔法。

Summer of 85/フランソワ・オゾン

フランソワ・オゾン作品もこれまた初見ですが、個人的には結構好きだった。広告の感じで「君の名前で僕を呼んで」的なのを期待していくと違ったわ~ってなるんだろうけど、そことはまったく違う視点で良い作品だと思った。男女とか同性愛とか問わずの恋愛の初期衝動、そして衝動の反動であっけなく散ってしまう、みたいな描写がすごく普遍的で好きだった。めっちゃ好き~!ってなってたのにそのあとすぐに、いやもうどうでもいいわ、みたいな感情なのあるあるだよね、と思う。そして主人公は「もうどうでもいいわ」って言われることに耐えられなくて、「めっちゃ好き~!」だった時の2人を忘れたくなくて、元恋人の墓の上で踊ったりするんだけどそのシーンも圧倒的に綺麗。からのラストシーンの展開、やっぱりこうですよねとかなり納得。一生一緒ってやっぱり無理だから。

地獄でなぜ悪い/園子温

いや、これほんとやられました。園子温作品も初見だったんですが、かなりよかった。園子温作品に関しては結構具合悪くなるというか、エグい描写ってイメージがあったんだけどやっぱり百聞は一見に如かずですね。自分で見ないとわからない、わたしは本当に好きな作品でした。何が好きかって、物語がちゃんと進んでいってもうクライマックスには人がバンバン死んでいって、首スパーン!血ブシャー!ってなって、最後どうなるんだろう?って思ってたところでね、作中で映画を撮る立場の長谷川博己が、仲間みんな死んで、その後に残った撮り終えたフィルムを回収して爆走するんです。ただ道を走って「俺はこれで最高な映画を作るんだー!」みたいなこと言って走って終わるんです。そして走り終えたところでスタッフの「カット」の声が入るんですよね。これが本当にぐっと来た。わたしはメタ演出大好き勢なので。。。これって、今までのすべて物語で作中で映画作るぞって意気込んでた長谷川博己も全部物語で嘘ってことなんですよね。まあそれわかっててわたしたちは映画を見てるんですが、最後の最後にそれを観客にわからせる演出、本当かっこいい。そこからのエンディング曲星野源の地獄でなぜ悪いですよ。「噓でできた世界が目の前を染めて広がる」これですね。この映画の主題はここにあるんです。あー本当に全部気持ちいい映画だったー!!!

お笑いライブ「三者三様/ハナコ・かが屋・空気階段」

ぴあの当選確率アップのおかげで当たったと言っても過言ではないライブに行きました。三組とも面白かったし、ネタの後のゾフィー上田のコンプライアンス教室も笑った。なんて良いライブなんだ。好きだな~と思ったのはハナコの講演会のネタとかが屋のくら寿司のネタ。ハナコのネタは菊田がいつもいい味出してて使い方うまいな~と思う。かが屋はいつも絶妙に気まずい空気を出していて、あるある~となってしまう。本当にすごい。空気階段はKOC直前で何やるんだろ~と思ってたけどチャゲアスと風水師のネタだった。いつもテレビでできないネタやってるなあ。終わった後に、隣の公園の喫煙所にタバコ吸いに行ったらもぐらが入ってきて写真撮ってもらってステッカーももらった。。。。サイコゥ!もう一本吸うか?と一緒に行った人に話したら「外にも並んでる人いるから出よう」と言われて(5人までの入場制限があった)喫煙所出たら待ってる人が菊田・かたまり・賀谷で全て愛おしい~となる。ちゃっかり写真撮ってもらった。サイコゥ!サイコゥ!サイコゥ!!!

音楽 島/betcover!!

Applemusicおすすめの1曲。betcover!!ってこんな曲歌うんだ~となったけどかなり好き。え、てかめちゃかっこよくないですか?

「僕の涙は 僕の島で 晴れました 晴れましたね」

え、かっこよすぎる~~!!え~~~!!!!僕の涙はどこへ・・・。

ラブシック・ジェラート/おはようツインテール

さよぽにのお姉さん?妹?系アーティストのおはようツインテールですね。ようやくフルアルバム出してくれてありがとうございますという気持ち…。ラブシック・ジェラートはアルバム前から音源公開してた、というよりもゆゆとマジシャン名義で出していた音源なんですよね。その時も好きだったんだけどやっぱり改めて聴いてもいい。恋というものがこんなに尊い気持ちなんですね、と思い起こさせてくれる。

きらめく氷を甘い夏の日々に 君にあげるよ ラブシック・ジェラート

こんな感じで9月もあっという間でしたね。10月もいろいろ書きたいけどちゃんと月初に書くことを目標にがんばりやす。。

ていうか最近文章を書くこと自体をさぼっています。。なんとかしたい。リハビリのために始めたこれもうまくできていない。。まあ、いいんですけどね。。。自分のためだしね。。

もっと自由になりたいな、全部だいじょうぶになりたいな、

それでも君は全てがオーケー。


これで美味しい詩集を買いますね