日本被団協にノーベル平和賞 受賞を勘ぐる
1.なぜ今なのか
10月11日、今年のノーベル平和賞が、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与されることが決まりました。
私がその報を聞いて思ったのは、なぜ今なのか、なぜ被団協なのかということです。
日本被団協の結成は1956年であり、それ以来「核兵器の廃絶や被爆者の救済を訴える活動を続けている」(ウィキ)とのとです。
受賞理由は、「核兵器のない世界の実現に尽力し」たことと、「核兵器が二度と使われてはならないことを証言を通じて示してきたこと」であるという(注)。
このたびの受賞は、長年にわたるその活動がようやく世界に認められたからでしょうか。
私はどうもその授与には、「下心」を感じざるをえません。その下心とは何でしょうか。
2.対象はロシアなのか
受賞理由の中に、次のような文言があります。
「現在起きている紛争では、核兵器使用が脅しに使われている」(注)
これは、明らかにウクライナ戦争におけるロシアの行動のことを述べています。
では、ノーベル平和賞の被団協に対する授与は、ロシアによる核兵器使用を抑止するのが目的なのでしょうか。
どうもそうとは思えません。もう一つ、別の目的があるのではないか。
むしろ、そちらの方が、主目的なのではないのか。
3.もう一つの対象=標的
ウクライナは1994年から1996年の間に、核兵器を放棄しました。そのために、無防備になり、ロシアの侵略を招くことになったとの説が語られました。
ウクライナ侵攻後、わが国で顕著になった思潮は、近隣某国による侵略を防ぐため、核保有は必要であるとの論ではないでしょうか。
このたびのノーベル平和賞授与の主目的は、日韓台や欧州の非核保有国の核武装論を抑えるためなのではないか。同平和賞を授与するのは、ノルウェーのノーベル委員会ですが、アメリカをはじめNATOの核保有国の意向が働いているのではないか。
抑止の対象は、ロシアの核使用ではなく、西側の非核保有国の、たとえば日本の核保有への意志ではないでしょうか。
(注) 「日本被団協にノーベル平和賞 受賞理由全文」
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