積雪寒冷地のガスヒートポンプ 防音壁設置が必須と考える根拠

いろいろ調べた結果となりますが、それなりの出力のガスヒートポンプを積雪寒冷地域の住宅地に設置する場合、防音壁設置が必須となると考える6つの根拠を以下に示します。

① 積雪寒冷地の場合、根雪~雪解けの期間、カタログ上の定格以上の負荷条件で運転するケースが多い(カタログ上の「定格」値は、住民測定して得られた騒音値よりもかなり低いことから、運転モード的に「冷房最大」と「暖房最大」の中間に位置しているものと考えられる)

正月の騒音測定結果
https://note.com/kousansha/n/n4d0dec624938

② 定格のカタログ値では環境基準値以下の数値となっていても、ガスヒートポンプは、「定格」を超える運転がメカニック的に可能であり、最大騒音値はカタログ上の定格値を大きく上回ることを想定する必要がある

ガスヒートポンプ騒音公害の遠因? 
https://note.com/kousansha/n/nd129bca8f51d

③ JIS規格上、ガスヒートポンプ実機騒音値は70db程度となることを前提とした機器である

ガスヒートポンプのJIS規格
https://note.com/kousansha/n/nc1f5cdcf1bef

④ 今回納入された2台のガスヒートポンプについて、住民およびメーカーによる騒音測定の結果、実機最大での騒音値(単体運転、室外機正面、高さ1メートル)で70db前後であり、設置地区によっては環境基準上の対策検討が避けられない

※メーカー測定結果は、ここでは公開いたしません。

⑤ 国内でガスヒートポンプを最も納入している(とみられる)最大手の東京ガスの場合、設置場所、運転状況から防音壁設置を工事計画段階から想定している

どういう場合、防音壁が必要となるのか
https://note.com/kousansha/n/nb20a79bc8a8e

防音設計の実際(反射音含む)
https://note.com/kousansha/n/n73d782f29ae4

⑥ ガスヒートポンプは、工事設計上手抜きすると、低周波音被害が避けられない機器であり、そのための有効な設備上の対策として防音壁が位置づけられ、防音壁は100%低周波音を遮断することは不可能とされる

兵庫県明石市 ガスヒートポンプに関する重要情報
https://note.com/kousansha/n/n1f4d5467d271

低周波音防止対策事例集 環境省他
https://note.com/kousansha/n/n464b3e922b92

防音壁は低周波音に万能ではない?
https://note.com/kousansha/n/n219cd2c17315

低周波音遮断を目的とする場合、(制振材については、鉛入りの重いものの方が制振効果があることを参考とすると)、防音壁の構造部材は、比較的軽量なアルミではなく鉄を使用する防音壁を選定することを考慮すべきです。
なお、セキスイ系の防音壁の構造部材は鉄です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?