シェア
KOURIN
2022年10月4日 11:11
第一章 熊のボブ雪の残るカヌレ山の頂きを朝日がキラリと宝石のように輝かせましたが、ぶなの森はまだ夜のやみを抱いたまま静かに寝息をたてています。高原の草たちが風もないのにそわそわ揺れ、小川にパチャッと小さな音がしました。昇る太陽は光のたばを森に投げ入れ、おどろいた夜の虫たちは追われるように寝床に入っていきました。ふくじゅそうの黄色い花が光を求めて背伸びをし、クモの巣を伝う朝つゆに小さな虹