先輩のつくったルート

ある日、電話がかかってきた。
「あるルートなんだけど、初登者が故人なので誰に話を通せばいいか教えてほしい」
詳しく聞けば、そのエリアは僕の先輩が開拓していたが、今は誰も登っていず寂れてしまい、しかもかなり状態が悪いらしい。
岩場の再生のためにボルトを打ち換えるだけでなく、位置変更も必要になるかも知れない。
山岳会の会長から返事が来た。「みんなで話し合ったけど、君に判断を一任しようという事になった。」
「ええ~」
という感じで岩場のリボルトはかなりめんどくさい。
それは初登者優先の法則という倫理に従っているからで、後からやってきた一部の人の強引な開拓や暴走を防いでいるともいえる。

昔から、あちこちの岩場整備に関わりまたは見てきたので、リボルトが重労働でしかもボランティア活動で行われていることはよく知っている。
若くて体力があり、クライミングがうまいだけではだめで、繊細かつクライミングに対する深い理解が必要だ。

最近になって久しぶりに某団体のHPをのぞいてみた。
ホームぺージはきれいにリニューアルされお洒落になっていたが、昔のリボルトの情報は簡素化され、詳細は分からなくなっていた。
まあ、ネットの情報は5年~10年で消えてしまうものなのであまり期待していなかったが、とても残念だ。

となると残るは紙媒体なんだけど、昨今日これも信頼できなくなっている。
せめて、初登者、初登年、リボルトされた年ぐらい明記してほしい。
これからはを5W1Hを リボルトの基本にしよう。
5W1Hとは 
「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」


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