[読書]役員になる人は知っておきたい 出世する部長の仕事

以下の本を読んだ。マネージャー(課長)の本や、経営者(役員)の本はあるが、間にいる部長の本はあまりない。よくある誤解として、課長と部長が同一視されることがあるが、全くの誤り。部長の中の一部の人間が役員になっていく、つまり役員予備軍。本文脈における「部長」のエッセンスが書かれた良書。

各章の概観

・1章:求められる成果、課長との違いなど
・2章:部長の仕事
・3章:フレームワーク
・4章:部下の動かしかた
・5章:マインド
・6章:自己研鑽

※以降、気になった点をピック

2章06節 他部署との境界に立つ

以下の3つの役割が求められる。
・ゲートキーパー:外部から部を守る
・トランスフォーマー:外部の情報をインプット
・スポークスマン:外部へ情報をアウトプット

所感:ゲートキーパーやスポースクマンは得てして一般社員から見えにくいだろうから、活動の見せる化も併せてやっていくと良い。

2章07節 どのタイプの部長になるべきか

会社にはフェーズがあることと、その寿命に応じたロールがある。

1。部長のロール
 ・専門知識型:自らの知識や技術を元に事業運営
 ・戦略型:トップダウンでの戦略立案・遂行。権限を集中
 ・人財型:ボトムアップでの戦略立案・遂行。権限を委譲
 ・ボックス型:仕組みによる事業運営の非属人化。安定性重視
 ・変革推進型:古い仕組みや体質を壊す。変革重視

2。会社のフェーズごとに、求められる部長のロールは異なる。
 ・創業
 ・成長
 ・成熟 → 戦略型や変革推進型が求められる
 ・衰退

所感:「企業の寿命」という言葉もあるが、当然フェーズによって打ち手は異なってくる。連動して必要な人財(リーダー含む)ポートフォリオも変わってくる。

3章02節 経営者である部長の役割とは

✅MVV+4Sで構成される
・Mission
・Vision
・Value
・Strategy
・Structure:組織
・Style:文化
・Staff:人財

6章02節 能力を習熟させる

本とは直接関係ないが、「平成28年社会生活基本調査(総務省 統計局)」によると、勉強をすること自体4割以下しかやっていない。その結果全体の平均勉強時間は6分(中央値が気になるが)となっている。

※以下二つの結果を参考にさせていただいた。
・生活行動に関する結果
・生活時間に関する結果

同調査「生活行動に関する結果」によると皆が皆勉強に時間を割いているわけではない。資料内のグラフを見ると、20歳-24歳(52.8%)から45-49歳(34.5%)まで勉強する人が下がり続けている。

「学習・自己啓発・訓練」の行動者率は36.9%で,5年前より1.7ポイント上昇。特に10歳代~ 30 歳代の行動者率が上昇している

出典:生活行動に関する結果第1表男女,年齡,学習・自己啓発・訓練の種類別行動者率,平均行動日数
http://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou.pdf

また、同調査の「生活時間に関する結果」によると、有業者(主に仕事)の「学 習・ 自己啓発・ 訓 練 (学業以外)」の平均時間は6分/日。

重要なことは2回書きます。6分/日。

出典:生活時間に関する結果 第2表 男女,ふだんの就業状態,行動の種類別総平均時間-週全体,15歳以上
https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou2.pdf

✅本を読む
 ①古典的理論を学ぶ
 ②引用文献がついている本を学ぶ
 ③サマリーを作る
 ④持論を形成する

✅経営管理を学ぶ
 ・経営
 ・事業戦略
 ・マーケティング
 ・財務・会計
 ・組織
 ・人財

6章03節 内面を成熟させる

・すっぱい葡萄:二項対立のような不都合な事象に対して、都合よく解釈して心の葛藤を鎮めようとする
・孤独に耐えて決断する:「今ここで」決断するための心の強さを持つ

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