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公務員面接を通過する人の共通点|元公務員人事が解説

こんにちは。元県庁採用担当でキャリアアドバイザーの岩井です。

受験者の方から、

公務員の面接を通過するのはどんな人ですか?
面接に受かる人はどんな対策をしていますか?

などの質問をよく受けます。たしかに、面接で思うような結果が出なかった場合、自分と合格者との間にどんな差があったのか気になりますよね。

厳密には、公務員試験の面接通過者は面接官が判断するのではなく、面接時の資料をもとに幹部が採用者を決定します。しかし、合格者説明会などで自分が面接を担当した受験者らを目にすると、彼らに一定の共通点があることに気づきます。

本記事では、面接試験を通過する人の特徴と、効果的な面接対策について解説します。せっかく掴んだ面接のチャンスを逃さないためにも、具体的な対策方法を知って、準備を万全にして面接に臨みましょう。



公務員面接を通過する人の共通点5選

面接で受かる人には、一定の共通点があります。どれも難しいスキルや能力ではなく、仮に備えていたとしても即採用レベルの加点につながるわけではありません。

しかしながら、これらの共通点は、公務員として職務を遂行する上で「最低限の前提条件」として位置づけられるものです。

仮に、これらの資質がひとつでも大きく欠けている場合、最終合格は相当厳しくなりますので、必ずチェックしておきましょう。


共通点1:高い倫理観を有している

当然ながら、公務員は常に誠実かつ公正に行動することが求められます。

いついかなる時も、公共の利益を優先し、法令や社会通念に従い、透明性を保ちながら職務を遂行しなければなりません。この点において、高い倫理観を有する人材は公務員としての適性が高いとみなされ、逆に倫理観に欠ける人材は公務員として不適格と評価されます

たとえば、質問に対する応答の中で、

・場の空気に流されず、道徳的に正しいと思う行動を優先する
・問題を抱え込まず、他者に報告し助けを求められる
・差別や偏見を許容しない姿勢がある

などの傾向を読み取れる場合、倫理観を備えた人材と評価されやすいです。

逆に、

・他者の顔色をうかがう傾向があり、同調圧力に弱い
・トラブルを周囲に相談せず、自分ひとりで対処しようとする
・差別や偏見を軽んじる傾向がある

などの場合は、非常に厳しい評価となる可能性が高いです。

なお、倫理観に関する評価は、最も合否に影響する着眼項目です。公務員にとって、絶対に欠いてはならない資質が「高い倫理観」だからです。特に、法令や公序良俗に反する経歴があった場合(もしくは、それを想起させる言動があった場合)、即不採用となる可能性があります


共通点2:経験学習能力が高い

経験学習能力とは、過去の経験を通じて学んだ教訓を、次の経験に活かす能力のことです。

公務員の仕事は非常に多岐に渡るため、常に経験から学び、新しい知識やスキルを習得していく必要があります。

たとえば、質問に対する応答の中で、

・経験から学び、自己のスキルや能力を向上させ続けている
・失敗から学び、改善を繰り返している
・自己の弱点を認識し、対処法を編み出している

などの傾向を読み取れる場合、経験学習能力が高いと評価されやすいです。

逆に、

・経験(部活、仕事など)から何を学んだか言語化できない
・同じ失敗を繰り返している
・自己課題の認識が不十分であり、対処もしていない

などの傾向がある場合は、厳しい評価となる可能性があります。


共通点3:コミュニケーション能力が高い

公務員の仕事では、地域住民、企業、市民団体、他の行政機関など、立場や考え方が異なる多くの組織や人々と関わることになります。高いコミュニケーション能力は、これらの存在と良好な協力関係を築く上で極めて重要です

たとえば、質問に対する応答の中で、

・目的達成に向けて、他者と積極的に関わり協力する姿勢がある
・自分と異なる価値観に寛容であり、相互理解の重要性を理解している
・意見や考え方が対立する場で、合意形成を行なった経験がある

などの場合、コミュニケーション能力が高い人材と評価されやすいです。

逆に、

・他者と関わることに消極的である
・自分と異なる意見や考え方に否定的であり、対立する傾向がある

などの場合は、厳しい評価となる可能性が高いです。


共通点4:環境適応力が高い

公務員は定期的に異動することが多く、大部分の職員は2〜3年ごとに職務内容が大きく変わります。また、地域内で複数の部局や出張所がある組織(警察や消防など)の場合、顔見知りが一人もいない職場に異動となることも多いです。このため、新たなスキルや能力を迅速に身に付け、異動先の環境や役割に即座に適応できる人は、公務員として大きな価値があります

たとえば、質問に対する応答の中で、

・新しい状況や変化に柔軟に対応している
・困難や挑戦を成長の機会と捉えている
・学習意欲が高く、新しい知識やスキルを積極的に学んでいる

などの場合、環境適応力が高い人材と評価されやすいです。

逆に、

・実生活において、変化を避けている傾向がある
・困難や変化をネガティブな要素として捉えている
・新しい知識やスキルの習得に消極的である

などの傾向が見られる場合は、厳しい評価となる可能性があります。


共通点5:ストレス耐性が高く、心身ともに丈夫である

公務員の仕事は、時に大きなストレスにさらされることがあります。繁忙期における長時間労働や、理不尽なクレーム対応などに疲弊することもあるでしょう。また、公安職(警察官や消防官など)の場合、犯罪や災害と対峙する職務の性質上、精神だけでなく肉体的にも高度な強靭さが要求されます。

肉体的な強靭さは、公安職であれば体力試験などで評価し、行政職であれば過去の経歴(部活動歴、スポーツ歴、運動習慣)などから推察します。また、面接時の表情や顔色、姿勢などが評価項目となる場合もあります。

一方、ストレス耐性については、質問時の受け答えから評価します。

たとえば、質問に対する応答の中で、

・困難な状況や質問に対し、冷静さを保ち、適切に対処している
・自分なりのストレスへの対処法を心得ている
・挫折や失敗から早く立ち直り、学びを得ることができる
・感情や衝動を適切に管理している

などの傾向が見られる場合、ストレス耐性が高い人材と評価されやすいです。

逆に、

・感情的な起伏が見られる
・失敗や挫折を引きずる傾向がある
・過度に緊張しており、受け答えがままならない

などの傾向が見られる場合は、厳しい評価となる可能性があります。


まとめ

今回は、公務員面接を通過する人の共通点について解説しました。

ここで紹介した5つの資質は、公務員として働く上での前提条件であり、仮に備えていたとしても即採用を意味するものではありません。

しかしながら、これらの資質のうち一つでも大きく欠ける場合は、非常に厳しい評定となるのが現実です

公務員を目指す方々は、これらの資質を自己評価し、面接官にアピールできる形に整理しておくことが重要です。

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