【特別区経験者】社会人経験者向け予備校を選ぶ際のポイント3選

今回は、社会人経験者向け公務員試験予備校を選ぶ際のポイントを解説していきます。

※予備校業界の人間にとっては、本来書かない方がいい記事なのですが、当塾のミッションである「お金と時間がない社会人受験生を支える」に基づき、隠すことなく、解説していきます。

現状において、社会人経験者向けの公務員試験予備校は多くありません。
その割に、選ぼうと思っても、予備校自身が公開している情報が多いとはいえない状況です。

そして、高い(と感じる方が多い)(苦笑)


まず、現状分析してみましょう。

従来は、某塾を除き、大手予備校が大卒程度にぶらさがるような程度の講座を提供しているものがほとんど、という状況でしたが、
近年、特別区経験者採用試験をメインターゲットとした講座を提供する専門予備校が徐々に増えてきています。

社会人経験者向けに特化する塾は、フルコースのみを提供している、というパターンが多い模様です。

サービス内容は、
択一対策(+時事対策)+論文対策+面接対策+面談あり+質問対応

また、択一対策をせず、その分、論文対策に重きを置く、というタイプの塾も存在します。

価格帯はフルコースで20万円台半ば~後半といった感じです。

この価格帯が高いかどうかは利用者が判断するものです。
お得だなと思う方もいらっしゃる一方、割高だなと思う方もいらっしゃることでしょう。

予備校側としては、はじめにフルコースで利用者を確定させて、売上げも確保する、指導を厚くできるので合格実績をあげることができるというインセンティブがある一方、
単価講座で切り売りするメリットは、ほぼありません。
手間が増えるのに、売上げが下がるからです。

このため、フルコースが売れるかどうかが経営上、極めて重要となります。だから、きれいなランディングページ(宣伝ページ)をつくったり、説明会を開催するわけです。

そして、一番の問題は、フルコースの単価を上げるために講座を盛り込みすぎていることです。受験生にとって必須の講座だけにしないで、あった方がいい講座を盛り込んでいます。

もちろん、必要な受験生にとっては必要でしょうが、本当に全ての受験生に必要なのか?と疑問に思う講座も含まれていることが珍しくありません。

特に、追加料金をとらない、ということをアピールしている塾によくみられる光景です。

追加料金をとらない、ということは、裏返せば、あった方がいい講座やあらかじめ後で必要になるかどうかがわかる講座も含めている、ということです。

※予備校側に悪意がある、ということではありません。指導する側としては、試験本番でどこが出題されるか分からないことから、広く教えたくなるものです。ですから、広めに講座を設定することが受験生のためになる、と考えるのは指導する側の良心として理解できる側面はあります。ただ、それが価格を引き上げている側面があることは否めないでしょう。

次に、以上の現状を踏まえて、
特別区経験者向け予備校選びのポイントを説明していきます。

①添削サービスは充実しているか
(1)面接
予備校を利用する場合、面接カード(職務経歴書)作成は無制限、が当然です。これを1~2回程度にしている場合は、それだけで選ばない方がよいといえるでしょう。

なぜなら、通常、面接カードは1回の添削だけで完成する、ということはないからです。特に、社会人経験者の受験生の場合、一気に完成させることはまずありません。志望動機、自己PRともに、面接本番で通用するかどうか、という視点で徐々に練り上げていく必要があります。

ここまで読んだ方はわかると思いますが、これはつまり、指導する側にとっては手間がかかる、負担が大きい、ということを意味します。何度も添削を行わなければいけないからです。

単価の添削を利用するなら別ですが、わざわざ高額な料金を支払って、フルコースを利用するのであれば、無制限は当たり前、といえるでしょう。

(2)論文
論文の添削については、政策課題論文、職務経験論文をそれぞれ、最低3回以上は設定されているべきです。論文は添削を通じて、受験生自身では得られない気づきを得ることが機会だからです。添削を2~3回受けると、答案が見違えるようによくなってきます。

添削の回数は多ければ多いほど、良心的といえますが、その分、料金に反映することになります。

なお、論文添削を無制限にしていることをアピールしている場合、実際の利用者がどの時期に、どのくらいの回数を利用することができているかを確認するようにしましょう。

模擬面接もそうですが、添削する場所や方法を指定することにより、添削を受けられない事態が生じるリスクがあるからです(特に直前期)。

また、論文添削の質は、残念ながら、利用するまで分かりません。どの程度の具体的な改善アドバイスをくれるかは、利用してみないと分かりません。特に社会人経験者向けの場合、講師の質によるところが極めて大きいです。

公務員試験業界では、まだまだ通常の大卒程度と同じように指摘する講師は少なくありません。信頼できる採点者を見つけたら、できるだけ食いついて、積極的に活用するようにしましょう。

②択一対策をメインに打ち出しているか
特別区経験者採用試験で、択一対策をメインにしてはいけません。
足切り突破ラインである15点を確実に突破できることを目指して、効率的に科目を選んで学習することが必要です。

特に、数的処理の割合が高い場合は、要注意です。
数的処理に苦手意識を持つ&苦手な受験生が多いことから、そのような講座を設定しているのでしょうが、残念ながら、予備校側の都合、と評価せざるを得ません。

数的処理の講座は、受験生にとって極めてタイパが悪い、という側面があることを忘れてはいけません。90分で解ける問題は多くなく、教わった後に自力で解けるように練習しないと試験本番で解くことができないからです。

代替手段として、自学する中で、苦手なテーマがあれば、YouTubeでそのテーマの解説をまとめて聞いて解けるレベルになるかどうかを判断するといった形の対応が挙げられます。予備校の講座には劣るでしょうが、それで十分という受験生も多いことでしょう。

③模擬面接は、いつ、何回やってくれるのか
模擬面接は最低2回以上は必要です。
1回目にアドバイスを受けて、2回目で改善を反映するためです。
その後の練習も含めて、3~4回程度できると望ましいといえます。
あまり練習しすぎて丸暗記になるのも良くないので、このあたりは受験生ごとにニーズを判断することになります。

なお、模擬面接の質も外部からは分かりません。利用するまで質が高いかどうかを判断することはできません。残念なことに、いまだにダメ出しばかりで、改善点のアドバイスをしないか、抽象的で受験生に伝わっていないという面接官も珍しくありません。

その場合、模擬面接は場慣れの意味合いが強いので、模擬面接の評価はあまり気にせず、しっかりとコミュニケーションがとれたか、準備した内容を説得的に伝えることができたか、という点をチェックするとよいでしょう。

以上、社会人経験者向け公務員試験予備校を選ぶ際のポイント3選を解説してきました。

社会人受験生にとってフルコースにかかる費用は決して安いものではありません。本当に必要かどうかを判断するための一助になれば幸いです。

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