ソープ編⑲
「 X 様お待たせ致しました。」
5分もしないうちにスタッフからお呼びがかかる。
ワインレッドのカーテンの裏には一人目の嬢 麗華 がいるはずだ。
゛頼む当たりであってくれ”
ソープランドで指名をした時、写真と実物の差が大きいというのは、
もはや当たり前になっている。
たとえ他人レベルに違っていても ほとんどの客は文句を言わず、
゛ま、いーっか”
とそのまま入浴してしまう。
日本人の性なのか例え
゛写真と違いすぎ!”
と思っても女の子を目の前にして何も言えない。
加えて一般の客はソープランドでトラブルと、
裏から強面(こわもて)が出てくるんじゃないかという
恐怖心があるから、なおさらだろう。
まあ・・そういうシステムでなければ
見栄えの悪い嬢達は完全に売れ残ってしまい、
ソープとして成り立たなくなってしまうから、
仕方ない事なのかもしれない。
客にクレームを入れさせない為には、
スタッフの元ワル感も必要なのだろう。
そういえば俺がガキの頃のソープのスタッフには
コッテコテのパンチパーマ色眼鏡がたくさんいたものだ。
一般の客にはそういう小細工が通用するかもしれないが、
実際にそういう世界を経験した者には一切通用しない。
鼻で笑ってしまう。
だから俺はもし、ホントに気に入らなければキャンセルできるのだが、
やはりスムーズに進めたい。
え?キャンセルしたことあるかって?そりゃあるさ・・・
顔見た瞬間に
「はい写真と違~う」
って言ってUターンしたさ。
なんだかよく分かってないけどサポートしてくれたら、嬉しいな。