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ソープ編⑯


「何かお飲み物をお持ちいたしましょうか?」


奥のVIPルーム(この店には小さなVIPがあった)に移動してすぐに責任者が聞いてきた。


「そうだな・・ちょっと時間あるからビールちょうだい。

それと蕎麦屋あっただろう?天ざるたのんでくれる?」


「え?あ、こちらで召し上がられるということですか?」


そんな客はまずいない。

蕎麦屋で出前頼む奴なんて。


「それと君らも昼めしまだだろう?かつ丼でも食べなよ。

奢ってやるから。裏で食べればいいじゃん。」


俺はこの若いスタッフ達かつ丼に目がないのを知っている。

ソープのスタッフ達は意外と重労働なのだ。


結局俺の天ざるに加え、

フロント裏方のスタッフ、計5人分かつ丼を注文した。


一見ものすごく太っ腹のように感じるが


かつ丼一つ700円×3500円

チップ2000円×6000


全部足しても一万円に満たないのだ。



何度か通う可能性のある店ならば、

初回でこの投資をしてしまえばその後はずっとVIP扱いだ。


スタッフたちの心を完全につかむことで、

責任者だけでなくほかのスタッフからも嬢の情報を聞きだせるってわけだ。

そう考えれば安いものだ。



゛この人にもっと褒められたい”


そう思わせることが大切だ。

後で見たこともないスタッフ(裏方)が、かつ丼のお礼を言いに来た。

元々やんちゃしてただろう若い子が頑張ってる姿は可愛い。

(根性焼き多すぎ)



゛よいの良いの・・・・お兄さんはねぇ、

これからシャブをがっつりキメて

体中を二人の嬢になめさせるんだから・・・”


かつ丼ごときで感謝のことばを述べる無邪気なスタッフに

心でそっとつぶやいた


なんだかよく分かってないけどサポートしてくれたら、嬉しいな。