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どうやってTRPGに参加していただこうか

これが初の投稿となります。koukiと申します。オンラインの片隅でTRPGをプレイしていたりします。今回は思うところがあって、どうやってTRPGのオンラインセッションに新規プレイヤーを参加していただくかを考えてみたいとおもいます。オンラインセッションにと書きましたが、オフラインでも一部応用が利くところがあると思います。

入手が無料であること

これがまず最初にきます。これを満たす条件として「オンラインで簡易ルール版が無償で公開されていること」ということが筆頭に挙げられると思います。

そしてこの条件に見合う例を二つお出しします。

まずはダンジョンズ&ドラゴンズ第5版(以下、D&D5e)ベーシックルールです。
D&D5eのベーシックルールの凄いところは、基本ルールとして規定されていることが、プレイヤー向けルールブック「プレイヤーズ・ハンドブック」と同じであるということです。

キャラクターの作り方、各種判定の仕方、成長のさせ方などは市販されているプレイヤーズ・ハンドブックと全く同じなのです。これが無償で公開されています。

その気になれば、最初から最後までベーシックルールのみで遊ぶということさえ可能なのです。

その一方で有償の「プレイヤーズ・ハンドブック」が存在するかというと、6000円という払う対価として、作成できるキャラクターのバリエーションが飛躍的に広がります。

ベーシックルールでは4種族(人間、エルフ、ドワーフ、ハーフリング)と4クラス(ファイター、ウィザード、クレリック、ローグ)しかありませんが、この選択の幅がプレイヤーズ・ハンドブックになると種族もクラスも、追加ルールもグッと広がるように作られています。

ですので、最初は全く無償のベーシックルールで遊び、D&D5eというゲームを今後も長く遊んでみたいなと思って頂けたなら商品も手に取ってみてねという戦略で販売されています。

そして日本では「クトゥルフ神話TRPG」も人気があります。世界的に見た場合はD&D5eが圧倒的に人気なのですが、日本という市場だけ見るとD&D5eよりクトゥルフ神話TRPGの方が人気が高いくらいです。

こちらも初めての方には「クイックスタートルール」という簡易版が存在します。製品版ほど細やかなキャラクター作成はできませんが、クトゥルフ神話TRPGというゲームがどういうゲームであるかを体験するのはもってこいのデータです。

上記2つがプレイヤーも多く、プレイ機会も多いであろうゲームが「タダ」で始められるゲームです。

入手が容易であること

この場合、最初は書籍になりますが、特に文庫など廉価で購入できるゲームが挙げられます。ソードワールド2.5、ダブルクロス、アリアンロッドRPGなどがこれに該当します。

これらは書籍(文庫)でも結構ですし、電子書籍版でも大丈夫です。ただし電子書籍はどのデバイスで読むかというのも関わります。持っているデバイスがスマートフォンだと若干キツいかもしれません。タブレットがあれば心配ありませんが、推奨環境としてはPCが使えるならPCで読むことをオススメしておきます。

とはいえ、文庫サイズで全データを最初から一冊の本に纏めようとすると、かなりの厚さになることが想定されるため、分冊分割されているものが多いです。ソードワールド2.5は3部冊になっていますが、単に3冊にぶった切ったわけではなく、まずルールブック1だけで遊べるように作られています。そしてキャラクターのレベルが上がったり、追加データ、追加ルールなどに応じてルールブック2、ルールブック3と言った具合に積み上げていくことができるように作られています。

遊びと対価

もしあなたがこれらの無償あるいは廉価で遊べるルールブックを使ってTRPGが気に入ったのであれば、対価を支払うことを念頭に置いてください。

D&D5eも新クトゥルフ神話TRPGも、基本ルールブックは6000円くらいします。決して安いとは言えない額ですが、まだちょっとこれを買うには躊躇いがある、という方もいらっしゃると思います。

そういう場合は無理していきなり製品版を買わなくても大丈夫です。無償公開される範囲で遊び倒しましょう。ただし、これらの無償データは言わば「買って貰うための呼び水」です。もっと遊んでみたい、そう思ってもらえるように作り込まれています。

その時にお金を出して買うかを考えても全く遅くはありません。

国産のTRPGですと、文庫から始まるのですが、ソードワールド2.5を例に挙げるならルールブックが3冊に分かれています。これを一度に全部買う必要はありません。まずはルールブック1だけ買えば遊べます。これなら1000円でお釣りが来ます。そんなに懐は痛まない筈です。

フリーライドはやめよう

何故このような項目を作ったのかというと、特にクトゥルフ神話TRPG(第6版)の時に大流行した理由として「ルールが軽い」というのが挙げられます。TRPGをプレイが浅い方には、ルールに重い軽いがあるのか疑問に思う方がいらっしゃると思います。

これが実はあるのです。

特にクトゥルフ神話TRPGの場合、判定で必要なデータはキャラクターシートにほぼ落とし込まれています。何で判定すればいいかを探すのにルールブックを参照しなくてはならない頻度は、プレイを重ねていくうちに自然と減ります。特に頻繁に出てくる判定はすぐに覚えられてしまうくらいに、クトゥルフ神話TRPGは作られています。こういう状況「軽い」と指しています。

それの何が問題なのか、というと、簡単に覚えられるルールの本をわざわざ買うでしょうか?という問題です。極端な例を出すと、あまりにルールが軽く作られて簡単に判定ができるため、GM(クトゥルフの場合KP)ですらルールブック未所持という事が見られます。

ところがルールブックという本には、たんなる行為判定のルール説明以外にもゲーム世界で遊ぶための資料やデータにもページが割かれています。クトゥルフ神話に興味が無くても、クトゥルフ世界で遊ばない単なるホラー要素を盛り込んだシナリオであればシナリオに情報を落とし込むことによってルールブック不要という事例が散見されました。

ですが、TRPGも「商品」です。簡易版で呼び込むのは将来の利益のための投資です。面白いと思ったので今後継続的に遊びたい、と思っていらっしゃるなら是非ルールブックの購入を検討してください。

若者に6000円の本を買ってくれ、というのはなかなか辛いのは理解できます。

ですが、それはひたすらルールブック無しで遊ぶことを認めることの免罪符にはなりません。身の丈に合うゲームがあると思います。6000円は厳しいけど1000円なら何とかなりそうなら、一端クトゥルフ神話TRPGから離れてソードワールド2.5をプレイすることを考えてもいいと思います。

YouTubeにはクトゥルフ神話TRPGの遊び方解説動画があります。
この動画があればルールブック買わなくてもOK、とはなりません。
それはフリーライド(ただ乗り)です。

オンラインTRPGではフリーライドは嫌われます。特にKPさえルールブックを使っていないセッションには、私は参加したいとは思いません。

タダで遊べるならタダでいいじゃん。

若い人はそう思うかもしれませんが、これの何が問題なのかというと、誰もお金を落とさない商品はその作品の将来を潰します。巡り巡ってTRPGというゲーム界隈が無くなります。

そんな大袈裟な、と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

もしそう思われたなら「TRPG 冬の時代」で検索してみてください。
この冬の時代の定義が若干曖昧なところはありますが、共通して言えるのは「専門誌が軒並み廃刊」「国産TRPGが揃って撤退」という事態を迎えた時期があったのです。

繰り返しますが、フリーライドは巡り巡ってTRPGを潰します。
あなたは良くても、別の誰かが困るのです。
以前、マンガ雑誌が無料で読めるようにしたサイトがあり、その運営者は逮捕されました。マンガを作るのにも作者が1ページをマンガを描くのにも必要な値段があります。作者にも生活があり、楽しむためには正当な対価が必要です。それを無視してタダで読めることを助長するのは著作権法違反という犯罪ですらあります。

実際に手元にルールブックがあることのメリットは非常に大きなことなのですが、ゲームを円滑に進めるためにはルールブック所持者は多ければ多いほど良いのです。

とはいえ

プレイするなら何が何でも最初からルールブックを揃えろという訳ではありません。

もしプレイしたゲームがお気に召さない場合もあるでしょう。1回きりのセッションに6000円出せというのは、言う方も受け取る方む苦い言葉です。

そのためこの記事を作りました。最初の「お試し」レベルをなるべく廉価でスタートし、「TRPG面白い。もっとプレイしてみたい」と思われたのであればルールブックの購入も検討してみてね、ということが言いたいのです。

敷居が下がればその分、「ちょっとやってみようかな」と思う人が増えます。実際にそうやってTRPGの世界は国内だけでもジワジワ広がっています。この素晴らしいゲームを是非体験してみてください。


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