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はじめにのはじめに/空の器0

空の器
看護師が胞状奇胎を経験するということ/胞状奇胎レポ



はじめまして
はじめまして、私は明里好奇と申します。
普段は散文詩や小説を書くことが趣味で、バイクやサバイバルゲームをたしなむような人間です。職業は看護師。今年で経験年数10年を超えてしまいました。
 このnoteには他の作品は載っていませんが、以下のサイトに作品が載っていたり、通販することが出来ますので、気になった方はぜひどうぞ。
 しかし、今回の一連の記事では作品のことは一切含まれていません。私個人の病気になってしまったレポ、感情の変化などを書き連ねているだけですのでご了承ください。

なぜわざわざレポートを残そうと思ったのか。

 のちに明確な数字を載せると思いますが、簡単に言うと胞状奇胎は「通常妊娠500~1000件に対し1件」程度の発生率で、それも文献によって情報の数は増減します。
 実際に「胞状奇胎」で検索すると確かに経験者のブログが出てくるには出てくるのですが、何年も前の物であったり、要領を得ないものが多く(具体的な数値や情報、処置の内容の実際等、つまり私が知りたかった情報が圧倒的に少なく)感じました。
 もっとわかりやすく言うと「看護師をしながら闘病している方の情報が全くみつけられなかった」というのが今回の根本的な行動の原点です。働きながらどうにかなるのか、どこまで自己配慮して現場に調整してもらわないといけないのか、どこまで続くのか。不透明な先しか見えなくて困惑してしまったためです。

ここから先はアナログのノートに書きなぐった情報となりますので、まともな添削もせず、情緒不安定なまんま記述したものを転記したものになります。よって、かなり読みにくいかと思いますが、ご了承いただけますと幸いです。(現時点で2回目の手術が終わり、検査数値も低下して情緒も安定してきておりますので、本文よりはまともかとは思いますが念のため)



0 はじめにのはじめに 読まなくて可

これを書いているのは2回目のOPE後の休日です。本来であれば出勤していた週末。勤務先の上司に相談し、お願いしてお休みを調整していただきました。完全な週休です。病気休暇ではありません。ここで週休を使い、有給でもなく病休でもなくそういう対応をするしかない人手不足の病院事情が、多少垣間見えると今メディアが騒いでいる「医療崩壊」と言われるものは、実際の現場では比較的慢性的に起こっていることだと知っていただけるのではないかと、少々期待しております。


私が下された診断は「胞状奇胎」これが発覚してから、日帰り手術を2回繰り返すまでの2週間にわたりレポを書けば書くほど、ページ数がふくらんでいきました。もっと書き始めはフラットな心境だったはずなのですが、どんどん思いの丈が伸びていきまして、こんな予定ではなかった。
これを読んでいるのは私のtwitterフォロワーか、「胞状奇胎」と診断されて不安になってたどり着いた方が多いと思います。
「胞状奇胎」と検索して情報が古くてびっくりしたでしょう。
似たような薄い情報しかなくてがっかりして、余計に焦りました。
そしてなぜか体験談も古いのです。SNSが発展して、記録するという機会が減ったんだろうと推測します。
働く女性が多い時代ですから、仕事をどうしているのか気になりましたよね。
(余談ですが看護師自身が罹患した記録を、私は見つけられませんでした。参考に出来なくて、辛いまんまお仕事をすることになりました)
つわりもしんどいですよね。日帰りで手術することになりますが、恐いですよね。


「なんで私が」と思いました。
みんな元気に出産しているのに。
なんだかんだ言いながらも元気に子育てしているのに。
500~1000分の1の、そんな確立を引き当てたってこと?
私はそう思いました。悲嘆にくれないように、無意識に抑えてはいましたがやっぱり受容するには衝撃が強すぎた。だって、赤ちゃんに会えると思っていたのに、会えなかったんです。悲しくなって当然だったなと、今なら思えます。

胞状奇胎は普通の死産や流産とは違います。治しきるのに「次に妊娠しても大丈夫。安全だ」と判断できるまで時間がかかります。早くて半年、大体1年をかけて経過を見ていきます。その間は避妊をしていくので、妊活はできません。どれだけ赤ちゃんを望んでいても、その期間はご自身とご家族、それからいつか出会う赤ちゃんのために、体を守っていく期間になります。

パートナーにはお話しできましたか? 相手が医療者でなければ知らない可能性が大きいです。パートナーもあなたも仕事が忙しくても、一度は主治医から話を直接聴いてもらってください。
なぜ急いで、しかも2回も手術する必要があるのか一緒に理解してもらいましょう。

そして、これからお話していくのは私自身が体験したレポになります。個人差があるので、こういうケースもあるのかと思いながら読んでいただけると幸いです。

それから余談ですが、私への医師からの説明は軽くそして専門的なものでした。それは私が看護師で、疾患に関しての調べ方や理解度などを考慮したうえでのものです。本来であれば家族に同席してもらい一緒に話を聴くことがベストです。もう少しわかりやすく、もっとかみ砕いてお話してくれるはずです。安心して先生の話を聞いてみてください。きっと落ち込んだり悲しくなったりします。パートナーとの温度差にびっくりするかもしれません。それでも喧嘩したり当たってしまったりしても、悲しい思いを共有してみてください。
吐き出したり、甘えたりすることは本当に大事です。私も助けてもらいました。

妊娠すると血中や尿中に「hCG」と呼ばれる、ヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモンが含まれます。これは子宮の中の絨毛細胞と言われる胎盤の元になる細胞たちから出てくるホルモンです。
後に詳しく疾患の話をする際に説明するので割愛しますが、これが厄介なのです。
胞状奇胎はその絨毛細胞が増加してしまい、hCGが増加することで妊娠初期の症状が強く出ます。
・つわりが酷くなった
・ほとんど物が食べられない
・水分すら少ししか飲めない
・吐き気が強くてずっとしんどい
・なんだったらずっと吐いている
このような状態が続いていると妊娠悪阻と呼ばれる「めちゃくちゃしんどいつわり」になっている可能性もあるので、我慢しすぎずに倒れてしまう前に病院に相談してみてください。胞状奇胎があってもなくても、つわりがMaxにしんどいと悪阻と言われる「ものすごくしんどいつわり」になるので、ご自愛ください。
自分を大事にすることが一番大事だと思ってください。
これが結構難しいんですが。頑張り屋さんは特に、難しいかと思います。
頼りやすい人に少しずつ頼ってみてください。1個ずつで良いです。それでも協力が得られないなら実家に帰っても良いです。友人宅に身を寄せても構いません。とにかく自分を大事にしてください。そして可能なら甘やかされてください。

さて、長くなりましたが次のページから本題に入ります。ホルモンの変動と受容の真っ最中で、文相の内容がぐらぐらとしておりますが、アナログのノートに書きなぐっていたものをほとんどそのまま転記しておりますので、どうかご了承くださいませ。


栄養剤をぶっ差してやってくださいませ(´・ω・`) ナニモノにもなれないようなナニモノにかはなれたような、不完全で不器用な人間のはず。良かったら戯れてやってくださいませー!