中学社会を早く仕上げるメリット

本日もよろしくお願いいたします。

今日は久々に一本記事をアップしたいと思います。あちこちで聞かれるのが、中学社会の学習が間に合わない、などの問題です。その理由と、早めに仕上げるメリットなどについて話していきたいと思います。
最後までお付き合いよろしくお願いいたします。


■中学社会が間に合わない問題

中学社会の学習が間に合わない問題ですが、これについては、大きな理由があります。それは、学習指導要領に問題があるのです。

【中学社会の年間カリキュラム】
中1 地理分野:世界の地域まで、歴史分野:室町時代まで
中2 地理分野:日本の地域まで、歴史分野:明治時代まで
中3 歴史分野:現代まで、公民分野:すべて

このようになっているのです。週の時間ですが、中1が週3時間、中2が週3時間、中3が週4時間(年間35週計算にもとづく)です。特にボリュームの大きい中2が3時間しかないことはかなり大変だと思います。
で、具体的な学習割り振りについては詳しくは記載がありませんでしたが、ここから分かることは、歴史分野の学習が追い付いていない、ということがわかります

実際、中2が終わった段階でどこまで進んでいるか、ですが、地理分野が全て終わる、歴史分野が江戸時代が終わるもしくは大日本帝国憲法まで辺りが関の山ではないでしょうか。ひどいところは歴史分野は江戸時代が終わったか幕末まで終わっていない、などの惨状さんじょうもあるかもしれません。
そして、中3になると、1学期丸々かけて第二次世界大戦辺りまで終わらせて、公民に進む、というのが流れではないでしょうか。

このような学習を学校で繰り返すと、現代史の学習、公民の経済・国際社会の学習が疎かになってしまうことがわかります

中3でも、歴史を1学期かけて行う反動で、公民分野の政治・経済を2か月で終わらせるという暴挙に出ているのです。まだこれはいいほうで、政治を3か月かけ、残り1か月で経済分野をすべて仕上げる、ということになるのです。
これでは、学習定着ができない→だからこそ、社会を暗記科目だ、と割り切る人が出てきても仕方ないと思います

そのような学習を受けた人が先生になるのですから、当然同様の動きがみられるのです。そして、現代史・経済・国際社会をまともに指導できない教員が学校で教鞭きょうべんをとっている、という可能性もあるのです。

■先取り学習を否定する教員

そして、もう一つ大きな問題点があるとするなら、上記のような問題があるから、映像授業や塾などで先取りして授業を受ける、という人が出てくるのですが、学校の先生によっては、このような先取り学習を否定する人も出てきます
数学では学習した通りにワークを進める、という方針を取る人もいますが、そういう先生が一番嫌うのが、先々にワークを進めることです。え、それのどこがいけないの?と思う人がいます。僕は全く悪くないと思います。が、先々に進めることで、「先生の指示に従えない人」というレッテルを貼られて評定に影響をおよぼすケースもあります。何かと理由を付けて指示通りに進めさせようとする人もいます。

はっきりといいます。このような指導は、本来やるべき学習の妨げになるので、即刻辞めていただきたい!といいたいです。「エゴだよ、それは!」です。
それは、GWや長期休暇における課題でも同様です。漢字や英単語の書き取りを宿題にするのは悪いとは言いませんが、やる目的・意義などを生徒にきちんと提示したうえで指示を出さないと意味がありません。ただ書き取れ、という指示を出しても効果はありません(実際、そのようなナンセンスな指示を出す教員がいます。すぐに改めてください!)。

そのため、僕は先取り学習を否定する人は、どういう理由で否定するのか、理由を提示してほしいと思います。それとも先々進めることで何か学校指導に弊害があるのでしょうか?そこは納得のいく提示をしないと誰も納得しません。

そして、忘れてはいけません。公立学校の教師は国家公務員であることを。もし、その学習指導要領で間に合わない計画を作っているのであれば、何かしらの意図が働いていると思ってもいいと思います。

■中学社会の学習を早めに仕上げるメリット

本題に戻りましょう。中学社会の学習を早く終わらせるメリットはたくさんあります。

【中学社会の学習を早く終わらせるメリット】
①入試実戦などにじっくりと取り組む時間が生まれる
②思考型の記述問題に対応できる関連知識の素地ができる
③他科目の負担軽減……など

上記のメリットがあると思います。
まず、入試実戦などに取り組む時間ができることが挙げられます。そして、学校の学習が復習になるため、2度以上学習の機会がある、ということも見逃すことができません。
なぜ集団塾などは先取り学習を行うか、というのは上記の理由があるから、ということがいえます。復習に活用する、といって個別塾を選ぶ人もいますが、それは生徒の個々の考えで変わると思います。
そして、社会科は短文記述問題や論述問題が課されるところもあります。それに対する基本知識の素地を作ることができるため、学校の進度通りに進んでいる人よりも有利に学習を進められます
そして、最大のメリットは、他科目の学習負担の軽減です。英語・数学は毎日学習していると思いますが、社会や理科は直前の追い込みでも間に合う、という考えを持つ人が多いです。ですが、これが後回しになればなるほど、学習の余裕がなくなるのです。平日では週2・3日、30分程度でまずはいいので、学習する習慣をつけておきましょう

近年は自学できる教材や映像などの環境が整っています。そのため、そのような教材をいかにうまく活用するか、と考え、学校の勉強に役立てる、色々な問題点を考えるきっかけにするなど少しでも意識できればいいと思います。
それを、学校の指示に……というのは的外れです。特に1月から入試が始まる人にとっては学校の授業スピードでは確実に間に合わないのです。そのために必要な準備は早い段階で整えておく必要があります。

さらに、私立入試に向けての動きは夏から始まっている、といっても過言ではありません。模試の結果をもとに話を進めているところもありますので、模試とはいえ、夏休みには問題をたくさん解ける、入試タイプの問題に慣れることなどしないといけません。与えられた物以上のことを夏期で行えれば、その先の学習でも有利になります。

■間違った学習は……

どの科目でも同じですが、間違った学習は学習負担を増大させてしまいます
理科や社会は暗記科目といわれていますが、暗記の仕方や語句の覚え方などを間違えてしまうと、せっかくの学習も効果が現れません

一問一答でも同様です。問題と答えを覚えるのは悪いことではないですが、間違ってもそれだけで学習を終わらせても効果がありません。その出てきた一問一答の解答とそれに関連する知識を活用できなければ、思考力問題や表現問題などで対応ができなくなります。つまり、一問一答形式中心の学習をしないでほしいのです。これは高校の日本史や世界史などでも同様です。
ただ解答を覚えて使える知識にしたつもりが、普段やっている一問一答と異なる形式で出題された場合、対応ができなくなることがあります。そのため、周辺知識・関連知識・背景知識の3つの知識を活用して整理して覚える必要があるのです
そもそも、一問一答の学習は自分の知識の足りないところを補強する・自分の課題を見つけるための学習のために行ってください。これを中心に学習を行うのは愚の骨頂こっちょうです。
この夏期の間にどれだけできるかを考えておきましょう。

短文記述問題や論述問題については、一問一答の知識に加え、関連知識や背景知識を意識しなければ対応ができませんマニュアル化された問題を覚えるのは効果が半減します。最初のうちはそれでもいいですが、関連知識や背景知識などを意識して押さえていかないと思考型問題や表現問題に対応できなくなります。
そのため、一問一答形式の出題だけでは対応できません。まずはこの事を知っておきましょう。そのうえで、一問一答形式の出題で定着ができていないところ、瞬時に解答を出せなかったところを中心に復習・知識の整理などを行ってください

■12月までに国際社会を仕上げておく

そして、僕が思う究極のカリキュラムは、12月までに国際社会の単元を仕上げておくのです。なぜかというと、冬休みからは本格的に入試実戦問題にとりかかる時期です。そのときに、国際社会や経済分野の学習を定着できていなければ点数につながりません。どちらも難しい、のであれば、経済分野だけでも仕上げておきましょう。

【経済分野で出題頻度が高い単元】
1.流通
2.株式会社
3.市場価格(需要と供給の関係)
4.労働関係
5.金融政策・財政政策(好況・不況の関係)
6.租税制度
7.環境問題
8.外国為替市場(円高・円安の関係)

経済分野だけでも、これだけの出題があります。そして、これらは1つ1つの単元でも解決できそうだと思いますが、関連性をもった出題も多いのです。そのため、学校の無意味な速度の授業ではその学習をしていない人は大変なことになります。そのうえ、この単元は出題頻度が非常に高いのです
これでも、学校の指示に従った学習をしないといけないのでしょうか?それはナンセンスです。高校入試に向けての学習であるなら、学校の進度よりも入試に向けての進度のほうが重要です。ただし、定期テストの期間に関しては学校のテストに合わせて学習をしてください

もし、独学で難しい場合は、映像授業などを活用して知識を先にまとめておくといいでしょう。問題集などを活用して学習していきましょう。その時にも担当講師の話はしっかりと聞いておきましょう。

皆様のサポート、よろしくお願いいたします。サポートいただいたものは一般社団法人CAMELの活動費として活用させていただきます。