公立高校入試解析7 2021年鹿児島県

本日もよろしくお願いいたします。先日、鹿児島県公立入試の正答率・平均点・入試問題が教育委員会より公表されました。
そこで、今回は2021年鹿児島県の社会の問題を解析したいと思います。問題などは鹿児島県教育委員会の公表されたものを活用ください(ただし、問題については少し縮小されているので、実際に使われるときは少し拡大した方が見やすいと思います)。

■2021年鹿児島県公立入試解析(無料公開)

鹿児島県の公立入試の大問構成は、全部で3題、地理・歴史・公民とバランスよく出題されています。大問の中にⅠ~Ⅲまであり、それぞれでテーマを設けて出題しています。
2021年の社会の平均点は56.9点で前年の48.4点よりも8.5点上がっています。昨年よりは取り組みやすい問題ではありますが、個々の問題を検証していくと、実はそこまで易しい難易度ではないのです。なので、僕は難易度はやや難寄りの標準と設定します。

今回、この話を特別に公開しますが、僕が難易度を設定するのに昨年よりも平均点が上がっているから易しい問題、とは判定しません。過去5年ほどの平均点、科目総合平均などを加味したうえで、その都道府県の難易度を決めていますが、その1年だけ突出して点数が上がったからといってその府県の難易度を簡単に調整することはしません。今回の正答率を見ると、確かに前年よりも平均点は8.5点上がっているものの、単元によっては点差が非常につきやすいためそこまで易しい問題とは断定できない、というのが僕の見解です。

では、この先の解説・解析をなぜ限定公開しているのか、というと、教育委員会が発表している講評は正答率の数値を中心に解析をしていますが、より踏み込んだ解析を行っていないからです(一部解説しているところはあるが)。僕の解説・解析については正答率の低い原因を問題文中などから判断します。また、受験生が使用している教科書・普段の学習なども加味していきながら解析をしています。そのため、教育委員会が発表しているものよりも踏み込んだ解説をするようにしています。また、この解析はほとんど世に出回っていないものが多いため、限定公開としているのです。そのため、今までの公立高校入試解析については全て限定公開にしているのです。紙面講義についても限定公開にしています。理由は、解説についてはしっかりと解答のアプローチ法も教える、というスタンスを守っているからです。

え、そこも無料公開してこそサービスなのでは?といいますが、そういう勘違いをしている人に敢えて言います。「自分で苦労もせずに簡単に有益な情報を得られる」と思わないでください。それはサービスではなく、単なる甘えです。その人が好意で無料公開してもその情報を使いこなせなければ意味がありません。本当に自分に取ってほしい必要なものなら購入するべきだと思います。それが自己投資です。僕も無料で情報を得てはいるものの、それをどのように活用していけばいいか、また、どのように調理したらいいか、を考えながら情報提供をしているのです。
表面上に出ている情報をそのまま見るのは簡単です。しかし、その情報をどう捉えるかはその人自身の問題になります。ゆえに、これ以降の解析は限定公開にするのです(ただし、全国平均点については無料公開しています。このデータをどう読み取るかは購読者次第です)。

■大問1 解析(以降限定公開)

それでは、早速大問1の解析を行います。今回も一部抜粋して解説を行いたいと思います。
Ⅰでは世界地理総合、Ⅱ・Ⅲは日本地理総合ですが、都市を中心としたテーマ問題となっています。

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