高校入試 この時期の仕上げ

先ほどは大学入試の仕上げをしましたが、今度は高校入試の仕上げを話したいと思います。
木曜日にアップできるか土曜日になるかわかりませんが、受験生の皆さまは是非一読いただけたら、と思います。
よろしくお願いいたします。

■高校入試の仕上げ(私立入試推薦)

私立入試の専願を考えている方は、学力試験も大事ですが、志望書や自己推薦書などの書類の書き方にも気を付けてください。自己推薦書などは書き方も大事ですが、いかに自分の言葉で書けているか、にも注意してください。

気を付けることは推薦と面接もそうですが、学力試験が課せられた時に最低限の学力がないと合格しないときがあります。そのため、高校案内の中にある過去問などを使って対策を練りましょう。早いところでは1月中旬から、遅いところでも2月上旬に入試があります。それまでに最低限でも計算問題や漢字、英単語・文法など基本的事項の確認を忘れずに行ってください。

■高校入試の仕上げ(私立入試専願・併願)

私立専願は、合格したらその高校に行かないといけません。私立併願ならば、公立入試を受けるケースです。
このときに気を付けないといけないのは、私立入試が3科目型なのか5科目型なのか、です。ただし、灘高校は例外で社会を除く4科目型です。5科目型の場合は理科・社会も学習しないといけないので、そこまで問題はありませんが、問題は私立入試が3科目型の場合です。この場合、受験科目は英語・数学・国語の3科目になるため、理科・社会の学習をしなくてもよくなります。専願の場合は、3科目に絞ればいいのですが、併願の場合はこのやり方は勧めません。理由は、本線が公立入試のため、ここで1か月弱理科・社会の学習を全くしなかったら、調整が難しくなる恐れがあるからです。

専願を受験される方は問題はあまりありませんが、併願受験生は、公立入試の過去問などで調整をしておかないといけません。時間はそこまでかける必要はありません。具体的な学習法は公立入試篇で話します。

私立入試推薦と同様、自分の受ける高校の過去問をしっかりと演習してください。関西在住で上位校を受ける方は、「近畿の高校入試」(英俊社)を用いて実戦問題慣れをする学習してください(特に発展問題はやっておいてください)。

■高校入試の仕上げ(公立入試)

公立入試については、できる限り他府県の過去問にも触れておくといいです(大体2・3年やると十分)。他府県の過去問を行うとき、自分の都道府県と出題配列・出題パターン・難易度などが近い都道府県の問題を行うのが効率がいいです
難易度の一つの目安は、科目平均点です。社会についてはある程度の平均点をデータで出していますので、下記よりデータのダウンロードをしたうえで参考にしてください。

高校入試社会の平均点は5年前と比べると下がっています。特に歴史の正答率が下がっています。本来なら高校入試では歴史は点数を稼ぐチャンスだったのが、取れなくなっています。
その原因の一つとして、高校入試の記述問題だけでなく、正誤問題や年号並び替え問題の正答率が下がっているのです(詳しくは上記の記事や都道府県の教育委員会が発表している講評を見てください)。

そんなことを知らずに、未だに社会は直前の暗記で何とかなる、というとんでもない指導者がいるのも事実(ただし、高校入試まではこれでもある程度は対処できるので厄介である)で、その後の学習につながらない指導をしています(この傾向が高いのが学生講師や社会を片手間で指導している方に見られやすい)。覚え方も指導していないのに、ただ覚えろ、といわれてもどうしたらいいかわかりません。こここそ、きちんと覚え方などを指示を出しておかないといけないところです。
直前期には、模試形式の問題集で仕上げておきましょう。もし、手元にない場合は市販のもので構わないので実戦形式の問題を解いておきましょう。ただし、自府県の過去問が十分でない場合はそちらの仕上げを優先してください。優先順位を間違えないようにしましょう。

■社会だけに時間をかけすぎない

上記の話はどの科目でも言える話です。ですが、社会や理科にはあまり時間をかけすぎないように気を付けないといけません。なぜなら、合否を一番分けるのが英語・数学であるからです。そして、これらの科目は私立でも公立でも必要だからです。そのため、理科や社会に時間をかけることがあまりできない、と考えないといけません。
時間をかけるとしても、1日60分くらいを目安に毎日行うといいでしょう。この時期は1日5時間は学習時間を確保しないといけません。そのことも考えたうえで学習計画を立ててください。冬休みは1日8時間くらい(最低でも5時間)は学習時間に充ててください。ただし、適宜休憩は取ってください。そこでアプリゲームなどを行うことはやめた方がいいです。どうしても行うときは学習を終えてからにしましょう。

■理想的な時間配分

では、具体的に冬休みの学習をどうするのか?僕なりに考えた学習配分を話します。

塾に行っている人は、その時間も含めて構いません。ほとんどのところは塾は午前中から空けてくれているところもありますが、中には昼から空けるところもあります。これはいかれている塾に直接問い合わせてください。
➀塾に行っている人の時間例
午前中(約2~3時間):塾で自習(授業の場合はそれに置き換える)
午後(約3時間):塾で自習(授業の場合はそれに置き換える)
夜(約2~3時間):塾で自習(授業の場合はそれに置き換える)
帰宅後(約1時間):塾の復習を中心に行う→足りない場合は翌日の朝に繰り越してもよい
就寝:24時までには寝るようにしましょう。
②塾に行っていない人の時間例
午前中(約2~3時間):計算・漢字・英単語などの復習
午後(約3時間):入試実戦問題(過去問を含めてもよい)
夜(約3時間):3年間の総復習、理科・社会の時間
就寝前(1時間):理科・社会の一問一答の確認
就寝:24時までに寝るようにしましょう。

こんな感じです。ここで大事なのは、睡眠時間や食事の時間や入浴の時間などを確保することです。ここを犠牲にして学習時間を増やしても意味はありません。もし、自分の受験校と今の実力が少し乖離している場合は、少し時間を確保する必要があります。もし、学習体力がついていない場合は最初のうちは少しだけ時間を短縮してもいいです。
で、これはあくまでも一例です。この通りにする必要はありません。で、➀の例で具体的な内容を書いていませんが、わからない場合は現場の先生に聞いて何をするといいか、ということを指示受けてもいいと思います。塾の宿題や課題などもあるので、やるべきことが決まっていないのもあります。そのため、授業か自習かによってやることも変わってきます。

ここで気を付けないといけないのが、個別指導で授業を受けている人です。1日に2コマ(1コマ80分と想定します)を受けている人でなければ、時間の配分がうまくいかない人が多いです。そのため、現場の先生にしっかりとアドバイスをもらいつつ行うのがいいでしょう。
その時に講師の先生が気を付けないといけないのが、原則、本人任せにしないこと、です。ある程度は先生側が把握して学習の軌道修正などを行わないといけません。ですが、自分でやることが分かっており、それを自分で意思表示できるのであれば本人に任せてもいいと思います。ですが、その時でも進捗だけはきちんと聞くようにしましょう。もし、できていなかったらきちんと指示・アドバイスを出すようにしてください。

この時期は私立入試に向けて最後の仕上げをしっかりと行ってください。苦手な単元を克服できる最後のチャンスです。内容を理解しても問題で使えなければ意味がありません。もちろん、公立入試の土台・記述問題対策・資料読解対策なども行っておくと後々の学習に役立ちます。これを機械的に行う、適当に行うと後々苦労することになります。仕上げのしかたも間違えないようにしましょう。


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