問題演習の活用 中学社会編

本日もよろしくお願いいたします。以前の記事の「問題演習の活用 日本史編」では、多くのスキをしてくださり、ありがとうございます。こちらは日本史に特化した話をしましたが、地理や公民科目、世界史などでも同様のことがいえます。参考にしていただければ幸いです。
本日は中学社会編を行いたいと思います。ほとんどの話は以前の記事で話したことと同じです。日本史の場合と異なることを中心に話していきたいと思います。
最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

■前回の記事

前回の日本史編で話したことです。ほとんどの話は上記記事と重複します。今回はその重複するところと異なるところを中心したいと思います。

■中学社会の土台問題集は?

中学社会の土台問題集ですが、僕が思う中学社会の土台問題集は以下の通りです。

【中学社会の土台問題集】
①ニューコース問題集(Gakken)
②実力アップ問題集(文英堂)
③パーフェクトコース問題集(Gakken)
④自由自在問題集(受験研究社)
⑤中学総合的研究問題集(旺文社)
⑥3年間の総まとめ→学校で購入するもので大丈夫です

これらが土台問題集になります。
なお、「ひとつひとつわかりやすく」(Gakken)などのシリーズについては土台問題集でもいいですが、どちらかというと導入的な問題集もしくは補助輪参考書とみています。
上記のものですが、①②のどちらかで1冊、③~⑥で1冊行えばいいと思います。⑥については学校の指示がある関係で進度を制限される恐れがあるため、それとは別で1冊用意するのはありです。

あと、教科書ベースで進められる際は、教科書トレーニングなどを使われるといいでしょう。

教科書ガイドの活用については、上記の記事でも掲載しています。意外と大事なことを書いています。

注意点としては、問題集を買ったつもりが参考書だった、ということです。もし、どの問題集を買えばいいかわからない場合は、書店のスタッフさんに聞いてください。僕でも対応できるときは対応させていただきます。

■土台問題集を行った後は?

土台問題集は複数回周回することを前提としておくといいです。ですが、その後どの問題を行えばいいか、困る方がいると思います。そういう場合、実戦問題集を行ってください。

【実戦問題集】
➀高校入試対策問題集 合格への最短完成(KADOKAWA)
②高校入試「解き方」が身につく問題集(旺文社)
③最高水準問題集(文英堂)
④3ステップ式 標準問題集(ハイクラス問題集)(受験研究社)
⑤超効率問題集(文英堂)
⑥ハイクラス徹底問題集(文理)……など

実戦問題集でも上記のようにたくさんあります。普段の学習の強化であれば、③・⑥は有力ですが、難関私立や国立を目指さない限りはそこまで必要な問題集ではありません。④については、2冊目の問題集として使うのは手です。ですが、入試に向けた実戦問題となるならややパンチ力が欠けます(ただし、後述する定期テスト用の問題集として使うならそれはアリです)。

【定期テスト用問題集】
➀得点アップ問題集(旺文社)
②ズバリよくでる(新興出版社啓林館)……など

上記は定期テスト用で使う問題集です。実戦問題集と使い方などは同じですが、注意点は入試対策よりも問題難易度などは高くないため、用途を分けて使うと効果が高いと思います

実戦問題集は入試形式のタイプの問題を、実際に解いて力をつけるための問題集です。なので、土台問題集と使い方の差別化を図れなければいけません。

■実戦問題集の注意点

実戦問題集ですが、何冊も行う必要はそこまでありません。なぜなら、上記で紹介した問題集の大半は単元別問題集だからです。そのため、問題集を選ぶときには単元別問題集なのか総合問題集なのか、区別できなければいけません。
僕が思う総合問題集は以下の通りです。

【総合問題集】
➀高校入試「解き方」が身につく問題集(旺文社)
②最高水準問題集高校入試(文英堂)
③全国高校入試問題正解(旺文社)
④近畿の高校入試(英俊社)

これくらいしかないと思います。よくいわれている直前模擬テストシリーズは実戦問題をこなすにはいいかもしれないが、回によっては問題数が少ない、自府県の対策に合わない、単元の偏りなどの問題点はあります。それらを加味したうえで選ばないといけません。
なお、近畿地方の方で偏差値が50以上ある生徒は「近畿の高校入試」は必須の問題集となります

特に僕が一番思っているのが、テーマ別の問題集がない、という点です。正直テーマ史の対策ができる問題集は塾用教材でなければありません(といっても現状では好学出版の問題集しか対応していません)。

そこで、2021年公立入試に合わせた予想問題や一般社団法人CAMELで使っている中学社会歴史でテーマ別の授業や演習などを意識したものを作っています。今年僕が自作した予想問題については、ほとんどの問題が的中しているだけでなく、最新テーマの問題についても対応して作成しています。なお、この問題は、入試問題を切り貼りして作成した質の低い問題は一切作っておりません。完全自作の問題です(出題形式についてはある程度のストックがあるので、それをうまく融合して作成しています)。
そして、出題テーマについても、今年出題されたところもあります。最後の仕上げにぜひお使いください(限定公開ですが、2022年については僕の公式サークルに参加されている方については無料提供をします。その際にPCのメールアドレスだけ教えていただけると助かります)。

■過去問の扱いについて

最後に過去問の扱いについて話します。

上記2つの記事は入試過去問を行うときに気を付けないといけない話です。少し昔にまとめたものですが、参考になる話です。こちらでほとんどのことがまとまっています。

そろそろ、過去問演習を行う受験生も出てくると思います。そのうえで話さないといけないのが、過去問を行った後の学習です。間違ったやり方は、解答を覚えて短期間で繰り返す生徒です。それを行っている生徒にはっきりと言います。そのやり方では成績は安定しません!過去問を行った後に、振り返り・出題形式・解答の論拠やポイントなどをつかむ学習をしないといけません。つまり、過去問演習を通じて周辺知識・関連知識・背景知識のさらなる積み重ねをしなければいけません

え!そんなことないやろ!と言いたくなるのですが、それは演習問題のやり方としては正しくありません。もし、同じ問題が模試などで出てくるのであれば問題はないのですが、そんな問題は存在しません。あったとしても出題の切り口が変わっているはずなので、短文記述問題の解答を暗記しても効果はあまりありません。中には、その学習を推奨する先生もいますが、そのやり方はその先の学習につながらないので、効果は薄いです。下手したら応用力の欠如にもつながってしまいます

短文記述問題については、答えを丸暗記しても効果はありません。それよりも、その問題に対する考え方と知識の引き出し方を知る方が効果が高いです。つまり、周辺知識・関連知識・背景知識の3つの知識を活用できているか、のほうに重きを置いて学習をしてください。その学習が正誤問題でも生きてくると思うので。

こんな声が聞こえてきそうです。「教えている先生は、そのやり方で高校受験を乗り越えた」と。
確かに、高校受験はそのような学習でも通用するかもしれません。が、その先の学習では全く効果はありません。ひと昔前の高校受験ならそれでも通用したかもしれませんが、現在の入試はそのような学習をしても通用しないところが出ています。そして、その先の高校学習の時にかなり苦労することになります。そのため、上記のようなことを言っているやり方は現在ではあまり効果がありません(実際、高校になっても同じやり方で通用する、と勘違いしている人は多いのは事実)。そして、このような誤った考えを平気で指導している講師は学生講師や若い講師に多いです。
誤ったやり方を、好きな先生だから、という安易な理由で信じてしまって失敗するリスクの方が怖いです。なので、正しい学習法・アドバイスのできる先生・コーチにしっかりと教えてもらった方が効果が高いです。

そのため、教える人は昔のやり方と今のやり方の相違点を理解したうえで、指導をしなければいけません。そのうえで、ただ覚えろ、とか暗記すれば何とかなる、とかいった無責任の指導をしないように気を付けてください。あ、ドーピングして成績上げるなんてもってのほかです。成績上昇の一過性にしかすぎません。安定して成績をとれなければ意味がありません

冬休み期間になって、ここからの学習定着が合否を大きく分けます。授業の時以外の学習時間の確保の仕方などをしっかりと意識してください

皆様のサポート、よろしくお願いいたします。