2021年教科書展示会2 公共編

本日もよろしくお願いいたします。本日は先週木曜日に教科書展示会に再び顔を出しましたが、新学習指導要領で採択されます公共の教科書を閲覧してきました。そこで気になったことを簡単に話したいと思います。地理総合については詳しく見る時間がなかったため、今週金曜日までにもう一回行こうと思っています(月曜日は出張のため閲覧に行けないのですが、それよりも地元の会場は休館日です)。歴史総合の詳しい内容は絞ってみてみたいと思います。

■公共の教科書

公共の教科書で合格したものは12点あります。以下は今回合格した公共の教科書と出版会社です。

【公共の検定教科書】
・東京書籍:「公共」
・帝国書院:「高等学校 公共」
・清水書院:「私たちの公共」「高等学校 公共」
・数研出版:「高等学校 公共」「公共 PUBLIC」
・第一学習社:「高等学校 新公共」「高等学校 公共」
・実教出版:「詳述 公共」「公共」
・教育図書:「高等学校 公共」
・東京法令出版:「公共」

以上が公共の教科書となります。今回は目次を中心にみていき、公共の前身となる現代社会との違いを少し話していきたいと思います。

■現代社会との違い・共通点は?

現在採用されている現代社会の教科書を少し閲覧させていただきましたが、現代社会は単元でまとめているのはいいのですが、問題点は区切りがはっきりとしていなかった点です。それと比べると公共はほとんどの教科書で2ページ完結となっております。一部の教科書では3ページや4ページにまたがるものもありました。そして、なによりも、中学社会公民の内容をベースに学習を進めているため、中学内容が土台として使えます

そして、国際社会の扱う箇所がそれぞれで異なっています(現代社会でも同様にそれぞれで異なっています)。政治と経済でそれぞれで国際社会を扱うのか、国際社会単独でそれぞれ扱うか、です。現代社会の場合は別々で扱っていたので、半数の教科書はそれを踏襲していると思います。

現代社会との共通点としては、第1部で倫理分野を中心とした内容となっていますが、思想の話なのか現代社会かという違いはあります。第2部では政治・経済分野の内容を中心としたものとなっています。最後の第3部は「持続可能な社会づくりに参画するために」とテーマ学習となりますが、主には調べ学習を中心としたものとなっています。

■その中で注目した教科書は?

その中で僕が特に注目した教科書ですが、まずは東京書籍の「公共」です。中学教科書と比べると少し踏み込んだ内容となっています。ただ、本文に基本的人権を入れていないのはやや気になりますが……

次に注目したのが、実教出版の「詳述 公共」です。この教科書は2ページ完結ではないです。資料もやや少なめということもあり、「詳説日本史」(山川出版社)に近い形式だと思いました。また、もう一冊の「公共」も倫理・政治・経済・国際と分類しているため、まとまりはこの教科書を使うのがいいと思います。もちろん、国際社会についてはまとめて解説されているので、中学公民と同じような学習配列である点もとっつきやすいのでは、と思います。
僕の中で考えているのは、サブノートの構築はこの教科書をベースに行ってもいいと思います。それに加えてもう1・2冊ほど補強してもいいと思います。

第一学習社の「高等学校 新公共」と「高等学校 公共」ですが、単元の配列は全く同じです。どちらかというと、新公共の方がやや踏み込んでいたのですが公共の方はやや簡素化した内容になっていたと思います。

今回は内容よりも配列を重視して見ました。自分が公共の学習を行う上で参考にできる教科書として、まずは実教出版の2冊は評価が高いです。その上で、中学社会でも教科書を出している帝国書院や東京書籍は中学公民からの接続が注目されます。ただ、高校の教科書は別物になる可能性もあるので、参考にできない可能性もあります。あとは近代思想を挙げている「公共PUBLIC」や清水書院の教科書も注目です。今度は内容を重視してじっくり見たいと思っているので、より踏み込んだ話ができるかもしれません。

僕も中学公民の学習をもう少し見直そうと思い、中学社会の公民教科書を改めて考察したいと思っています。それを踏まえて、今後の指導にどう活用するかを考え、元科目の現代社会の学習も強化していきたいと思います。もちろん、それを定着できるようにするための共通テストやセンター過去問などの解析も行っていきたいと思います。

■地理総合について 簡単な所感

公共の指導配列などを中心に見てたら3時間以上かかったので、簡単に閲覧しましたが、感じたことは、世界地理の系統地理の学習が中心でした。中学社会でやってきた世界地誌や日本地誌の学習はほとんどありませんでした。よって、系統地理の学習を中心に関連知識や背景知識が必要になると思います。そして、系統地理で気になったのは、歴史学習の知識も必要になることがあります。そのため、地理だけでなく他科目・単元の周辺知識・関連知識・背景知識を活用するような教科書になります。

つまり、中学で行う社会の学習姿勢が重要になってくると思います。それを意識して「活用できる知識」をいかに効率よく指導できるか、講師の腕がより問われると思います。これは社会に限らず他の科目でも問われてくると思います。中学からの学習が中途半端、もしくは丸暗記推奨の指導だとその先の学習で苦労する内容になると思います。
地理総合や公共、歴史総合では資料の活用が非常に多いため、今後の問題集の構成がどうなるかは気になります。土台を固めるための問題集、共通テスト対応の問題集など色々と気になるものは増えてきます。僕も今後の指導のことを考えてこれから動いていきたいと思います。

一つ言えることは、中学社会の内容を土台として学習を進めるとより効率よく進められます。納得して理解するようにしていきましょう。

皆様のサポート、よろしくお願いいたします。