日本史 補助輪参考書

本日もよろしくお願いいたします。

だいぶオンライン授業の入試対策が本格的になってきたので、なかなか更新ができませんでしたが、久々に話していきたいと思います。
今回は初学者がまず手に取るといい補助輪参考書の話をしたいと思います。
来年度受験を控える皆様にも必携の話となります。最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

■補助輪参考書とは?

まずは、補助輪参考書とは何か、というところから話したいと思います。
補助輪参考書とは、教科書の内容などをわかりやすく語り口調でまとめているものです。逆に、教科書などをより詳細にまとめてるものが辞書型参考書と言われます。
前者は実況中継などを指し、後者はよくわかるや日本史研究などを指します。ここを間違えて購入してしまう方が多いです。今回は辞書型参考書の話は置いておいて、補助輪参考書に絞ってまとめていきます。

■主な補助輪参考書

では、現在発売されている補助輪参考書の特徴などをまとめていきます。

①「なぜと流れ」がわかる日本史(東進ブックス、金谷俊一郎著、全4巻)

まずは、補助輪参考書の代表格の1つはこれを挙げられる方が多いと思います。
初学者がまず手に取りたい本の一つであります。教科書でわかりにくい内容などをわかりやすくまとめてます。最大の特徴は見出しに簡単な要点まとめボックスがある点です。そして、金谷先生の出されてる東進の問題集などにも対応してるので、学習ペースが図りやすいのも特徴です。そのため、初学者や日本史が苦手な人はこれから入るのがいいでしょう。
付属CDで年代などの整理も行っていくといいでしょう。
本も古代史、中世・近世史、近現代史、文化史の4冊からなります。これが面倒な場合は「決定版日本史」(学研)を使ってもいいでしょう。その時は「表解演習書」(東進ブックス)と併用するのがいいでしょう。

ただし、初学者向き、といったため、早慶レベルを目指す生徒には物足りない内容です。そのため、この本で土台を作った後に実況中継や日本史研究などの辞書型参考書に移ったほうがいいかもしれません。

②日本史Bの実況中継(語学春秋社、石川晶康著、全4巻+テーマ史)

ほとんどの方が補助輪参考書の代表格と言ってるのが実況中継です。この本は教科書の配列順に説明しています。ただ、記載用語のレベルがやや高いため、MARCH・関関同立以上の受験希望者は➀ではなくこちらを使うといいでしょう。
大きな特徴としては、サブノートがある点です。これと本文を追っていくことで日本史の大きな動きを知ることができます。付属のCDを使って年代暗記をするといいでしょう。
また、史料の解説もしっかりとされていますので、史料学習も併用できるという利点はあります。

先ほども言ったように、中堅私立を受験するなら内容はやや重いので、その場合は➀を使った方がいいでしょう。早慶やMARCH・関関同立レベルを受験する人はこちらを補助輪参考書として使うのがいいでしょう。

③日本史・オールインワン(代々木ライブラリー、菅野祐孝著)

ご存じ、元祖日本史のカリスマである菅野祐孝先生の本です。発刊してすでに10年以上は経っています。日本史講義録などのものを1冊にまとめたものですが、問答形式は全くありません。ですが、史料解説や関連知識・背景知識が充実しているため、史料の学習・知識の確認など手っ取り早くやりたい人はこれを使ってもいいでしょう
先ほども言ったように、発刊して10年以上経過しているので、データがやや古いのが難点です。知識の確認・手軽に確認したいなどの目的で使う以外ではややお勧めしにくいです。そのため、YouTubeなどでもお勧めの1冊に挙げられる先生は少ないです。
ほとんどお勧めに挙がっていないのですが、周辺知識を掘り下げるのにはいいものなので、敢えて挙げさせていただきました。

④読んで深める日本史実力強化書(駿台文庫、塚原哲也著)

最後に、この1冊をあげたいと思います。これは様々な研究書を文献にして1冊にまとめたものです。日本史通史の学習ができるだけでなく、二次対策や私立論述対策などでも使えるものです。ただし、初学者が最初に行う補助輪参考書としては非常に重いので、➀や③などで基本土台を固めた上でこれを使うのがいいでしょう。
もう一つの長所としては、テーマ別・分野別の整理ができるように配慮もされています。そして、背景知識なども充実しているので、論述対策で使われるなら効果は抜群です。これと「日本史の論点」(駿台文庫)を併用すると論述対策としても活用できます

⑤超速!日本史の流れ(ブックマン社、竹内睦泰著、シリーズ全4巻)

もう一つ、読み物としてこの本を挙げる方もいます。通史・近現代史・文化史・政治外交史の4巻構成ですが、最大の特徴は、短時間で読める、という点です。そのため、補助輪参考書として読みやすいです。そのうえ、論述に関する大まかな動き・流れをつかむこともできます。
ただし、注意点としたら、背景知識は入るのはいいが、やや不要な情報も入っているので、その辺は「菅野祐孝先生の日本史」(出版芸術社)にタイプが近いかもしれません。あとは、著者の竹内睦泰先生がすでに逝去されている関係で、新課程日本史になる場合にやや情報が古くなる・弱くなる恐れもあります。これを使う場合は、その辺も加味したうえで使用してください。

とはいっても、初学者が入る補助輪参考書としては十分なものだと思います。

以下のことをレベル別にまとめるとこうなります。

【補助輪参考書・レベル別】
◎初学者向け:➀・③・⑤
◎早慶レベル向け:②
◎二次・難関私立(論述対策)向け:④

もし、これはこっちのレベルでは、というご意見などございましたら申してください。なお、共通テスト用の補助輪参考書についてはこちらでは掲載していません。予めご容赦ください。

■➀と②を間違えると……

ここで、よく前述の➀と②の補助輪参考書を選ぶときに、友達が選んでるから、とか先生から勧められた、ということをよく聞きますが、自分の志望校を見てから決めないと、後から大変なことになります。
志望校が関関同立や早慶レベルであったとしても、何もない状態から実況中継を行っても効果が上がらないことがあります。基本土台の構築を行ったうえで使うなら効果はありますが、いきなり何もない状態から読んでも途中で挫折するのは目に見えています。そのため、まずは、自分の現状に合わせてから補助輪参考書を決めるのがいいでしょう。そのために、学校の先生や予備校の先生に相談してから補助輪参考書を買うといいでしょう。

■補助輪参考書を使うだけでは……

補助輪参考書は教科書の内容を理解しにくい時に使う人が多いですが、それは間違っていません。但し、間違ってほしくないのは、最後に確認すべきものは皆さんが使っている教科書です。特にMARCH以上の入試では教科書の欄外や写真やグラフの説明文が判定材料となることもあります。よって、補助輪参考書だけで学習を完全にすることができないものもあります。そのために、一通りの整理ができたときに整合性を図るために教科書を確認することが必要となります。

それとあわせて、日本史では図表・史料集と合わせて整理しないといけません。一応、補助輪参考書でも上記のことは触れているはずなので、知識の整理ができていないところを補助輪参考書などで使うといいでしょう。共通テストではこれに加えて地図の問題も出てくるので、地図関係も押さえておきましょう。

そして、一番の注意点として、補助輪参考書だけで学習をするのは成績が向上しにくい、ということです。
なぜ?と思う人がいますが、これについては、実戦形式の問題が定着しにくい、という問題点があります。確かに、補助輪参考書の中には、簡単な問題やチェック問題は入っていることがありますが、実戦形式の問題はほとんど掲載されていません。
そのため、実戦形式に慣れるために別に問題集を用意する必要があります。問題集として使えるのが、虫食い形式の問題集(一問一答集でも可)、基礎問題精講などの問題集です(問題集については、最新版に対応できるように追って記事を書こうと思います)。一問一答集については、これは確認や知識引き出しの速度を上げるための問題集のため、実戦形式の問題集とは異なりますので、使い方に気を付けてください

問題集を解いた後の整理と確認のために補助輪参考書を使ってほしいです。つまり、知識整理だけで終わらないように気をつけましょう。

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