高校入試 過去問とのつきあい方

早いところではあと2週間たてば公立入試が始まるところがあります。次年度に受験を控えてる方はこれから話す内容をしっかりと理解してください。
来年度から新たに講師として働く方は、過去問をいつ使うかをアドバイスできるようにしてください。

今回は無料公開です。よろしくお願いいたします。

はじめに

まず、今回の話を理解する上で、以前僕のnoteにも投稿した「大問対策と小問対策」の話を予め読んでおくことを勧めます(無料公開なので、是非読んでください)。今回の話はそのことを知ってる前提でお話いたします(記事はこちら)。

過去問対策とは(私立編)

まずは私立入試の話から入ります。過去問は過去3年くらいはやっておくことを勧めます。しかし、近畿地方の受験生の方は、赤本(英俊社)に加えて「近畿の高校入試」(英俊社)をやっておくといいです。そうでないところは基本的には学校で配られる中学三年間のまとめをやっておくといいです。
必ずしなければならないのが大問対策です。その学校ではどのような形式で出ているのか、どんな難易度か、毎年どのような問題が出ているのか、などを解析しなければなりません。それを知らずに行き当たりばったりで学習してもあまり意味をなしません。これは私立に限った話ではないのですが、どこの入試を受けるとしても、まずは相手を知らなければ意味がありません。中学生ならこの解析は秋口からやっても遅くないと思います。しかし、春先や夏ごろにやるのは少し早いです。別に冬講習前後にやっても本来は遅くないです。しかし、1月半ばに入試を控えてるのであれば、話は変わります。その場合、二学期の期末テストが終わってから取りかかるのがいいです
ただし、関東ではほぼこの話はスルーになります(関東でこのような話がいるのは、附属と開成くらい)。

ですが、ここで大きな問題があります。それは数学と社会で毎年起こる問題です。
数学だと、学校で三平方の定理を12月にやるところはあまりないです。社会でも早いところでも経済の価格や株式のところまではいっても、金融関係、国際関係が進んでないところが多いと思います。
遅いところでは、経済が期末テストが終わってから始まるところもあるくらいです。
つまり、学校の進度が入試対策に追い付いてないのです(その理由については別記事で話せたら、と思います)。そのため、塾では基本的に学校進度の少し先を行くのが基本です。そのため、塾では三平方の定理を遅くても12月中に終わらせるようにカリキュラムを組んでるのです。国際社会が12月に終わるように組んでるのです。

前述通り、1月半ばに入試を控えてるのであれば、早めに仕上げて過去問に取り組む必要があります。そのため、冬休みは土台を完成させる最後のチャンスだと思ってください。そのための小問対策をしっかりと行ってください。

過去問対策 公立編

次に、公立入試の過去問対策を行います。基本は自分の都道府県を5年分しておくといいです。しかし、ここで大きく私立対策と異なるのが、問題の形式の似ている他の都道府県の問題も何年かはやっておく必要があります
実は、自府県の問題を何回も解くのはナンセンスです。理由は簡単です。前年出た問題を次の年に問題に出るのは稀だからです。自府県の問題を解くのは大問対策です。つまり、小問対策を数多くこなす必要があります。

ただし、これを本格的にしないといけないのが、学校偏差値が55以上の高校を受けるかたです。逆に学校偏差値が50を切るところは無理にやる必要はありません。が、記述問題や正誤問題、資料読解問題辺りはチャレンジしてもいいと思います。アプローチの仕方だけでも知っておくといいです。
もうひとつ、他の都道府県の問題を解くメリットがあります。それは、そこで昨年出た問題が自分の受ける都道府県で出る可能性があるからです!僕も何十年と解析してますが、過去に何度か出てる問題が使い回しされてることがあることがわかってます(ただし、出題の角度、言い回しが変わることはある)。そのため、タイプの近い類題問題として、他府県の問題を使って演習するのがいいといってるのは、こういうことなんです。

上記の話は、過去記事にも似た話を掲載してますので、ここでは説明を省きます。

過去問演習 国立編

国立の過去問演習は基本的には私立と同じです。しかし、厄介なのは、問題の言い回しや使ってる資料や語句がレベルが高いことです。
附属を受ける場合はかなりの難度が予想されます。そのため、専用の対策をしなければなりません。これは難関私立を受ける場合でも同様です。特に偏差値が70を超える私立の場合は教科書レベルを超越する問題も出てきます(簡単にいうと高校内容の問題が平気で出てきます)。

同じ国立でも、商船や高専を受ける場合は、それ専用の問題を使って対策をしなければなりません。基本的には6割を取れなければ不合格になります。なので、主には基本的なことを聞いてくることが多いと思います。

過去問をするにしても、まずは…

過去問の話をしてきましたが、前提条件として、まずは自分の科目の土台をしっかり固めること、をしてください。その後、秋口から解析をし、冬休み辺りから過去問演習がいいと思います。早すぎても遅すぎてもよくないです。
で、公立入試はほとんどが記述問題が出てきます(あまり出ないところは社会だと京都、兵庫、愛知、神奈川辺り)。そのため、まずは記述問題はできるようにしましょう(記述問題については別記事でアップしますが、遅くても今週の土日辺りでアップします)。自分で採点できない場合は現場の先生に添削してもらうようにしましょう。そのときに、何が足りないのか、どう肉付けしたらいいかを見返して次に生かしてください。

皆様のサポート、よろしくお願いいたします。