【高校入試紙面講義】2020年滋賀県大問1 3・5

今回の紙面講義は、現在の公立入試でもかなり難しい部類の都道府県である滋賀県の解説を行います。
前回同様、大問すべてを解説するわけでなく、頻度の高い問題、正答率の低い問題について、解説ではあまり触れられないアプローチ法でやっていきます。
よろしくお願いいたします。

■問題(滋賀県大問1 3・5)

では、今回の問題です。今回はグラフや表が多いため、その部分は可能な限り説明はしますが、公開されている問題(全国高校入試問題正解社会・旺文社など)で確認いただけると幸いです。

 若菜さんは、資料3・資料4で示されている国について調べてみると、次のことが分かりノートにまとめました。後の(1)~(3)の問いに答えなさい。
資料3:国別の茶の生産割合(2016年)
⇒中国40.3%、インド21.0%、ケニア7.9%、スリランカ5.9%、その他24.9%
資料4:国別の茶の輸出割合(2016年)
⇒中国19.3%、ケニア17.2%、スリランカ16.9%、インド13.5%、その他33.1%
ノート
●茶の生産割合、輸出割合が高い国のうち、ケニア、スリランカ、インドは、いずれもイギリスの植民地であった。
●これらの国の茶の大規模な栽培は、イギリスの植民地時代に始まり、大規模農園で生産が拡大されていった。
(1)ノートの下線部(ここでは太字)で示された農園のことを何というか。書きなさい。
(2)植民地について述べた次の文のうち正しいものはどれか。次のア~エまでの中から全て選びなさい。
ア アジア州の東南アジアでは、植民地支配を受けていたころから栽培していた天然ゴムなどの作物を、今でも栽培している国がある。
イ アフリカ州では、植民地支配をうけていたときに緯線や経線をもとに境界線が引かれていたが、今はもとに戻され直線的な国境はなくなっている。
ウ 南アメリカ州では、かつて植民地支配をうけたことにより、今でも言語や宗教などでヨーロッパ文化の影響を受けている国がある。
エ オセアニア州では、植民地支配をうけたことがある国はなく、それぞれ今でも独自の文化を保っている。
(3)資料6のように、ケニアは茶が主要輸出品目となっており、ケニアと同じアフリカ州にあるナイジェリアは、原油が主要輸出品目となっています。これらの国は、経済状況が不安定になることがあります。資料6から資料8を参考にして、経済状況が不安定になる理由を、「モノカルチャー経済」という語を用いて書きなさい。
資料6 主要輸出品目の割合(2016年)
ケニア:茶24.8%、切り花9.4%、野菜と果実8.7%、その他57.1%
ナイジェリア:原油81.1%、液化天然ガス11.7%、その他7.2%
資料7 原油価格の推移
⇒2012年から2014年までは1バレル100ドル付近を推移してたが、2015年・2016年は1バレル40ドル付近まで下落している
資料8 貿易額の推移(輸出-輸入の合計額を百万ドル単位で示している)
⇒ケニア:2012年=-10162、2014年=-12351、2016年=-8412
 ナイジェリア:2012年=78297、2014年=56595、2016年=-2230
 若菜さんは、今回調べた国が原産国となっている紅茶を買いに行きました。ラベルに「フェアトレード」のマークがついている商品を見つけました。若菜さんは、「フェアトレード」のことを班で説明しようと思い、次の「フェアトレード」を説明する文章を考えました。(  )にあてはまる適切な内容を考え、書きなさい。
フェアトレードを説明する文章
⇒「公正取引」といわれているもので、(   )ことです。フェアトレード商品の取引を進めることで、生産者の生活を支えることにつながっています。

■解答・解説

さて、いかがでしょうか。では、一つずつ解説していきたいと思います。

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