高校入試社会究極のTactics集 雨温図の攻略

社会地理で苦手にしてる人の1つに、雨温図があります。この雨温図をどのように攻略すればいいのか?を解説したいと思います。
今回は、ほとんど出回ってる内容なので、無料公開とします。よろしくお願いいたします。

■雨温図をどのように攻略する?

雨温図の問題は公立入試・私立入試問わず出題頻度は高いです。勿論、定期テストでも出題がされやすいです。
雨温図を攻略するには、それぞれの雨温図の特徴と気候の説明が照合できるか、がポイントです。問題では雨温図を読み取ること、それがどの気候なのか、がリンクできれば問題ありません。

■世界の雨温図と気候

世界の気候は中学レベルでは大きく分けて5つ、細かく分けると11くらいはでてきます(高校地理はもう少し分類されるが、主な気候は押さえるといいでしょう)。
まず、大きく分けた5つは気候帯になります。

1 熱帯

グラフの大きな特徴は、赤道付近で年中高温で降水量が多い、というのが熱帯の特徴となります。
具体的にいうと、「年中気温は20℃を超え、降水量が多い」と置き換えれば、グラフも読み取れます。
これは熱帯雨林気候の説明でもあります。しかし、サバナ気候の場合は、雨季と乾季があるため、熱帯雨林気候と比べ冬の降水量が低いのです。そこで判別してください。

2 乾燥帯

乾燥帯の大きな特徴は、年中降水量が少ないことです。気温での判別は少し難しいですが、降水量の判別はしやすいと思います。
具体的に言うと、「降水量のグラフはどの月でも50㎜を超えない」とわかります(砂漠気候の説明でもある)。しかし、ステップ気候の場合は、夏の降水量が砂漠気候に比べて多い特徴もあります。

3 温帯

これが恐らく頻度が高いグラフになります。説明としては、比較的温暖である、といいます。しかし、グラフの特徴は大きく異なります。
温暖湿潤気候は、「冬の降水量が少なく、夏の降水量が多い」という特徴が主です(具体的な分類は日本の雨温図で説明します)。地中海性気候は「夏の降水量が少なく、冬の降水量が多い」という特徴があります。これは関連知識で地中海式農業で関わってきます。西岸海洋性気候は「冬でも比較的温暖で、降水量が一定」という特徴があります。これも関連知識でそのようになってる理由を記述問題で問う問題もあります。
これらは降水量の違いで判別することになります。つまり、温暖湿潤気候は凸型、地中海性気候は凹型、西岸海洋性気候は平坦型と判断してください。

4 冷帯(亜寒帯)

これは特徴さえわかれば簡単です。「夏と冬の気温差が大きい」ということがわかればいいです。気温差が大きいとは、折れ線グラフの幅が大きいことです(逆に熱帯は折れ線グラフの幅が小さいので、気温差は小さいと言えます)。

5 寒帯

簡単に言うと、「冬の寒さが厳しいが、夏は比較的温暖である」という特徴があります。グラフで見るなら、「夏の温度が0℃を超え、その時期に降水がある」という点です。これはツンドラ気候の説明です。しかし、氷雪気候もあります。これはグラフでは降水量の記録がない、で判断できます。
ここにもうひとつ、高山気候もあります。これは標高が高いほど気温が下がります。よく赤道付近のグラフが用いられることがあります。

そして、これについては注意点があり、この説明は全て北半球での説明となります。よって、南半球の場合は説明が全て逆になりますので、気を付けてください(頻度は高いです)。

■日本の雨温図

では、日本の雨温図を説明します。これは僕が講義をするときは5分弱で説明を終わらせます。このときに注目するのは降水量です(年降水量1300㎜を基準とする)。それで多いグループと少ないグループに分類させます。

1 降水量の多いグループ

①1・2月の気温が10℃を上回る→南西諸島の気候
②降水量のグラフが凸型→太平洋側の気候、凹型→日本海側の気候、と分けることができます。
②については季節風の影響と関連させれば解決できます。

2 降水量の少ないグループ

1・2月の気温が0℃を下回る→北海道の気候、0℃付近→中央高地の気候、0℃を上回る→瀬戸内の気候、とそれぞれ判断します。
つまり、気温の0℃を基準にしてそこから分類させる手法です
瀬戸内の気候については、降水量が少なく気温が高い理由を記述問題で出題されます(入試でも頻度が高く、2011年の公立入試では4~6都道府県で出題されてます)。

僕が以前に教えてもらったのが、社会の先生で指導力があるかないかを判断する材料の1つに日本の雨温図の攻略が使われることがあります。つまり、気候の原理がわかってるのか、それを資料を用いて判定できるか、という2つの側面が聞かれてるのでは、と思ってます(その理由がわかる方は是非ご教授ください)。
とはいっても、入試問題では頻度が高いので、グラフを読み取ることができるか、は問われます。そして、これからの入試・共通テストでもこのような問題は増えてくると思います。少しでもこのようなことで教育格差の是正に繋がれば、と思ってます。

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