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家系図制作の基本のキ ~家系図作りの進め方と戸籍請求のポイント~

こんにちは。
東京で家系図制作をしている荻野です。

今回はあまり知られていない「家系図制作の手順」について、お話ししてみたいと思います。

家系図を作ったことのある方には「もう知っているよ!」という内容かもしれませんが、
「これから家系図を作ってみたい」
「いま作っている最中です」
と言う方にはぜひ最後までお付き合いいただけますと幸いです✨

家系図制作で最初に確認するのは戸籍謄本

まず最初に、家系図を作るときには戸籍謄本を集めることから始めます。

あまり知られていませんが、日本は「戸籍謄本」を確認することによって、誰もが幕末までのご先祖様を知ることができる数少ない国です!

というのも、戸籍謄本は明治初期から運用がされていて、書いてある内容は届出に基づいているものの、ほぼ信頼できる内容を公的に確認できる書類なのです。

戸籍謄本には以下のような情報が載っています。

  • 本籍地(昔はほぼイコール住所)

  • 戸主(一家の主のこと)

  • 転籍(引っ越し)の日、転籍先・転籍元の本籍地

  • 家族の名前、生年月日、続柄

  • 家族の生まれた場所、結婚・離婚の日、配偶者の名前

  • 家族の養子縁組した日、養父母・養子の名前

  • 家族の亡くなった日、場所

戸籍謄本は普通、結婚や相続のときくらいしか見かけないものですが、実は150年以上、こうした記録が続いているスゴイ書類なのです。

戸籍謄本で家系図をつくる手順

自分の家系図を作ろうとした場合、戸籍謄本を集めていくことからスタートします。手順は下記のようになります。

  1. 自分の戸籍謄本を、出生から現在までの分、すべて取り寄せる

  2. 両親の生まれてから現在(亡くなられている場合は死亡の記載があるまで)の戸籍謄本をすべて取り寄せる

  3. 祖父母の生まれてから現在(亡くなられている場合は死亡の記載があるまで)の戸籍謄本をすべて取り寄せる

  4. 曾祖父母の分について3と同じ。さらに昔のご先祖様について繰りかえす。

  5. ご先祖様の全ての戸籍謄本を集めたら、図面に起こす。

  6. 完成した図面チェックして、完成。

つまるところ、自分を含めて、ご先祖様の生まれてから現在(亡くなられている場合は亡くなるまで)の戸籍謄本をすべて集めていくのが基本的な手順になります。

「生まれてから現在(あるいは死亡)までの全ての戸籍謄本」というのがキモ

戸籍謄本から家系図作りをするときに困りやすいのが、この部分です。

戸籍謄本自体は、役所に行って発行してもらえたとしても、ご先祖様のすべての戸籍謄本がそろっているかを確認するのは自分でやらなければなりません。

特に、結婚や養子縁組・転籍があるときは、まったく違う自治体で戸籍謄本を請求しなければならないこともありますし、そうした必要性があることに気づけないこともあります。

昔の戸籍謄本は筆で書かれた手書きなので、「そもそも字が読めない」ということにもなりがちです。

私のご先祖様の戸籍謄本。これでもまだキレイな方。

現在は「みを」(AIくずし字認識アプリ)のように便利なアプリもありますが、それでもすべてをカバーできるわけではありません。

家系図作りしやすいように戸籍を請求するポイント


戸籍謄本を集めやすくするポイントは、戸籍を自治体に請求する際にあります。
請求する時に、以下の太字部分をメモ書きなどで入れておくと良いでしょう。

  1. 前提として、戸籍謄本は基本的に郵送で請求する
    (戸籍謄本が大量に存在する場合はかなり時間がかかるのと、口頭での説明は齟齬が生じるおそれがあるため)

  2. 必要な本籍地とご先祖様の名前を書いたうえで、「【ご先祖様の名前】の出生から現在(亡くなっている場合は死亡まで)のすべての戸籍謄本」といったように戸籍の範囲を指定する。

  3. ご先祖様をさかのぼっていく場合は、「【ご先祖様の名前】の直系尊属を可能な限りさかのぼった戸籍謄本(出生から死亡まで)」

  4. 他の自治体に請求が必要な部分に、付箋をつけてもらうように依頼する

  5. ご先祖様が変体仮名や異体字の場合に、付箋で読み方をつけてもらうように依頼する

役所がすべてに対応してくれるとは限りませんが、読み方や請求が必要な部分に付箋がついているだけでも読みやすさは全然違います。

役所の方も、膨大な業務の中で戸籍を発行してくださっているので、丁寧にお願いしてみましょう。きっと対応してくれるはずです。


また、自分で家系図作りをする場合、戸籍謄本の読み方に慣れる必要がありますが、これについては参考書籍が多く出ているので、そちらを1冊手元においていただければ大丈夫だと思います。

終わりに

今回は家系図制作の手順、特に戸籍謄本の請求について書いてみました。

実際には家系図を作った後、
「家系図を見ながら親戚の方とコミュニケーションする」
「ご先祖様をさらに深掘りするために国会図書館で資料を調べる」
「ルーツの土地に行ってみる」

といったようにルーツ調査は進んでいきます。

戸籍から作る家系図は、その入り口となるものです。
だからこそ、確実に、丁寧に行う必要があります。

家系図作りをしている方に、この記事が役に立てれば嬉しいです。

ちなみに、私も東京で家系図制作をしていますので、自分で調べる時間がなかなか取れない方、作った家系図からご先祖様がどのように生きてこられたのかを説明してほしい方などは、下記リンクからホームページを見ていただけますと幸いです。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

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