ソニーがイヤホンジャック廃止に失敗し、アップルが諦めないワケ

1.はじめに

アップルは2017年発売のiPhone7以降、イヤホンジャックを廃止し、最新機種のiPhone11にもイヤホンジャックは搭載されていない。ソニーは2018年に発売されたXperia XZ2でアップルに追随しイヤホンジャックを廃止したが、その後復活した。これは、利用者からの反発が大きかったからと言われている。

イヤホンジャック廃止は、技術的には密閉性が高められること、薄型化出来ることなどの利点があると言われるが、ワイヤレスイヤホンは以前より普及したとはいえ、完全には普及しれていないのも事実である。では、アップルとソニーの対応の違いは何によるのだろうか。

2.ソニーが失敗し、アップルが諦めないワケ

ワイヤレスイヤホンの登場以降、街では特に若者が歩きながら電話する光景は、よく見かけるようになった。現在、私も使用しているが、音楽を聞きながら他の作業をするにしても、ランニングするにしても、イヤホンコードが邪魔にならないのは、非常に助かる。

しかし、ワイヤレスイヤホンはスマホから耳を解放したが、眼と手はスマホから解放されたわけでは無い。必然的に、スマホで音楽を聴かない人や、歩きながらスマホで電話しない人からすれば、ワイヤレスイヤホンの利点を十分に享受出来るとは言い難い。

もし仮に、スマホから眼、耳、手の全てが解放されれば、人々はスマホを手に持っていたいと思うだろうか。興味深い映像があるので、見ていただきたい。

インド出身、マサチューセッツ工科大学を経て、現在はサムスンの幹部となったプラナフ・ミストリー氏である。これを見れば、スマホから眼、耳、手が完全に解放される未来は、決して夢幻でないと期待してしまう。

ここからは私の想像にすぎないが、アップルがイヤホンジャック廃止を諦めないのは、スマホから眼、耳、手の全てを解放する未来を長期ビジョンとして持っているからなのではないかと思う。伝説の創業者スティーブ・ジョブズ氏は、スマホという概念を世界ではじめて商品化した人物だ。その意志を受け継ぐアップルが、壮大なビジョンを描いているとすれば、それは素晴らしいことだ。

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