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リアルタイムではないけど好きなアルバム David Ruffin/Gentleman Ruffin

デヴィッド・ラフィンはモータウンあるいはソウルミュージックを代表するボーカルグループ、Temptationsのリードボーカルとして活躍した事が知られている歌手の一人。昔の洋楽ポップスが好きな方であれば、TemptationsのMy Girlという曲をご存知かもしれませんが、その曲でリードを取っていたのが彼であり、時に猛々しく、時にそこはかとない哀愁を滲ませた歌唱は高く評価されており、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」で第65位にランクインしています。また、シャネルズ・ラッツ&スターの鈴木雅之氏にもビジュアルを含め強い影響を与えているのは有名な話でしょうか。

このアルバムはテンプス(ソウルミュージックの愛好家はTemptationsを愛着を込めてそう呼ぶ事が多い)を脱退して十数年後の1980年に発表した最後のソロアルバムで、プロデュースはDellsやDramaticsといったこれまたテンプスに並びソウルミュージックを代表するボーカルグループをプロデュースしたドン・デイヴィス。クレジットにはマーヴィン・ゲイ関連で有名なリオン・ウェア、アレサ・フランクリンの妹キャロライン・フランクリン、ロニー・マクネアといった「おっ!」と思える人物達が名を連ねています。

テンプスの自伝的TV映画「ゲット・レディ! -栄光のテンプテーションズ物語-」でもかなり取り上げられてましたが、デヴィッドの素行の悪さは有名で、このアルバムを解説したChemistryやExile等のプロデュースでも知られる松尾潔氏も指摘しているように、この「ジェントルマン」というタイトルは皮肉にも捉えられるタイトルなのが気になる所ですが、アルバムの中身はそんな事がどうでも良くなる程充実したソウルミュージックを堪能出来ます。

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アルバムが発売された1980年は、ディスコミュージックが70年代後半から続き隆盛を極めており、それと同時にソウルミュージックをより洗練させた80年代を席巻するブラックコンテンポラリーの足音も聞こえていた時代だったと思います(完全後追いですが 笑)。このアルバムも、それらに対する目配せを感じる楽曲が存在し、ともすれば前述のブラックコンテンポラリーにおける名盤の一つとしてカウントされても違和感は無いのですが、「ザ・ソウルミュージック」の名盤として紹介したいのは、やはり主役デヴィッドの圧倒的な存在感の歌が理由です。

曲数はたったの8曲、収録時間は今の感覚では短い32分。しかしながら洗練を極めたアレンジ、打ち込みが本格的に導入される前の豪華な生演奏が伴った楽曲、そしてそこに文句のつけようがないデヴィッドの歌が乗るわけですから、あっという間に聴き終わるものの後味は濃厚。マニアの方も、ソウルミュージックってどんなもの?という方にも是非聴いて欲しいアルバムです。ジャケットもなかなか良いですよね?

おすすめの曲

I Wanna Be With You

https://www.youtube.com/watch?v=LTZBs_b3KlU

Slow Dance

https://www.youtube.com/watch?v=MEWjYyCusrI

アマゾン

https://www.amazon.co.jp/Gentleman-Ruffin-%E3%83%87%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3/dp/B00AAUBT00/ref=tmm_msc_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=





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