見出し画像

逢う

人に会うことがこんなに大変になる日が来るなんて思ってもみなかった。

毎日仕事や書道のことで出かけて、たまには遠くにも出かけて忙しい忙しいと出ては人に会って、人に会っていろいろ話して、めんどくさくなって独りになりたいなとか思って。

でも、コロナがやってきて、急にこれまで普通に流れていたルーティン化していた事柄が、パタッと止まってしまった。


ステイホーム。家にいろということね。でも幸い、私には書道がある。

外に遊びに出てはいけないのなら、もう引きこもって臨書や練習をたくさん(そんなにたくさんではないが)できるじゃん!と前向きに取り組む。

でも、そればかりでは変化がないし、毎日人に会って、楽しいことも、嫌なこともあって感情の起伏が生まれて、それが作品制作のエネルギーにつながってきてたんじゃない?と気づく。ボケーっと平和な毎日が幸せだと、朝ゆっくり寝てたい、だらだらしたいと思っていたはずなのに、いざ家にいろと言われると、できない。

あー、誰かに会いたいな~。外に出て人とおしゃべりしたいな~。

そんな時に、部屋の隅に放り投げてしわくちゃになっていた端切れの画仙紙に、つい、走り書きしたのがこちら。

画像1

逢 この字を選んだのも偶然のひらめき。

SNSに上げたら、「人と逢う 行為の大切さが身に染みていたころで、ギューンと胸に突き刺さった」とコメントが。

泣きそうになった。