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【マンガ紹介】フランス革命を召し上がれ。 「第3のギデオン」

著:乃木坂太郎/出:小学館

フランス革命をご存じでしょうか。

フランス革命は、絶対主義(国王や貴族、高級聖職者が権力を独占していた体制)を打ち破り、資本主義の発展や人権保障の確立を成し遂げるために1789年に起きた革命です。

文章で書けば上記の通りですが、革命以前のフランスはどんな状況だったのか、革命では何が起きたのか、革命によってそれぞれの人生はどう変わったのか、、、それらが「ギデオン・エーメ」を中心に緻密に語られるのが、この「第3のギデオン」です。


【あらすじ】
貧困や飢えが蔓延るフランスで、第三身分(平民)のギデオン・エーメは反政府活動(貴族をモチーフにしたエロ小説の作成)に努めますが、ある日活動がバレて投獄されてしまいます。しかし幼少期に共に過ごした貴族のジョルジュ・ド・ロワールに救われます。

しかしジョルジュは心に闇を抱えており、貴族主義や身分制を憎んでいました。カリスマ性をもって仲間を集めながら、様々なテロ活動を画策し民衆を扇動します。しかし、それにはさすがのギデオンも困惑。

こうして平民だが革命に反対するギデオンと、貴族でありながら貴族を否定するジョルジュを中心に、ルイ16世、マリーアントワネット、ロベスピエールなど教科書に出てくる人たちの活動や思いが交差しながら、フランス革命へと至る物語が展開されます。


このマンガの魅力ポイント
キャラが良い
ギデオンやジョルジュなど主役のオリジナルキャラクターはもちろん、ルイ16世やマリーアントワネットなど実在した人物も、それぞれの思惑や葛藤などが描かれているので、感情移入しやすくどのキャラクターも魅力的に感じられます。特にルイ16世は本当に良いキャラクターをしています。

絵も良い
作者の乃木坂太郎先生は、「医龍」や「幽麗塔」の作者であり、絵が美麗で、セリフがなくとも複雑な感情が読み取れる緻密なタッチで描かれています。細かな描写が多いにも関わらず、見やすい作品になっています。

ストーリーも良い
ギデオンとジョルジュの動向と、フランス革命という史実やルイ16世など実在した人物をうまくリンクさせており、完全なフィクションより重厚感ある作品になっています。
物語の展開が早く、それぞれの思惑や事情が倒錯し、敵味方が移り変わりながらフランス革命という史実へと向かいます。

ギデオンとジョルジュの確執はどうなるか、実在した偉人たちはどのようにギデオンたちと関わるのか、第2のギデオン、そしてタイトルにある第3のギデオンとは何を表すのか、ご自身の目で体験していただければと思います。


全8巻です。さっと読めます。
ごめんね、ウソです。内容が濃いのでさっとは読めません。
でもご一読ください。

同作者が現在連載している「夏目アラタの結婚」も面白いので、ぜひ。


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